「ボブ馬鹿 1」より続き
1995年あたりが、私のかわいくないアダルトヒロイン志向のピークかも、と前述したが、念のためにそこまでに到るラフなど並べてみたい。
2−f ボブ裸婦(1991年)
この手のラクガキの乙女を、当時個人的には「アダルト・チカ」などと呼んでいた。
2−g ボブ裸婦(1992年)
2−h ボブ裸婦(1992〜93頃)
少しずつ変化しているのがお解かりいただけるだろうか。
商業誌では『セイバーキャッツ』の3巻あたりを描いていた頃だろうか。
1−dの「マッチョボブ」が『セイバー・・・』の4巻あたり。ヒロインのチカよりアダルトなチカママの方が描いてて気合が入っている。でもって、かわいくない系姐さんピークの95年となるとセイバーが終了した年だ。蛇足ながら、後半チカがかわいくなくなって今更言うのもなんだが読者の皆様には申し訳なく思っている。
んでもって95年に飛ぶ。下の一枚はまだかわいげのある方である。
もお何でもいいからアダルト描きてええ〜〜っ!!かわいい若い娘は嫌ああああ〜〜っ!!!!という山本の悲痛な叫びが聞こえてきそうである。しかし当時私の描いていた商業誌ではそのような姐さんの需要など望むべくもなく、ひたすらフラストレーションはつのっていったのであった。
2−i ボブ・胸像(1995年)
1995年というと山本貴嗣に一つの転機が訪れた。
集英社の新雑誌『ウルトラジャンプ』からの依頼である。
創刊間もない頃、原作付きの女刑事モノを前後編。けっこう評判も良かった(前編は巻頭カラーだったこともあってアンケートトップかそれに近かったような記憶がある)。続かなかったのは色々と事情があってのことだが、某連載作品のような原作者との決裂などの不穏当なものではないことだけは言明しておく。もっとも今見ると、山本の「95年当時のかわいくない姐さん志向」がきっちり出ていて、そういう意味でも終了したのは正解だったと思う。蛇足だが私はT編集長のそういうクールで迅速な状況判断が大好きなのである(たとえ自分が打ち切りであっても!!)(あ、今はもう編集長じゃなくてもっと上に行かれましたが)(笑)。
その後、同誌の方向転換もあって、また原作付きで若いヒロイン(脇役だが)の出る前後編もやった。納得いかない出来であった。そしてリヴェンジマッチ、となってあの『超(チャオ)』につながっていくのであるがそれはまた後の話。
今はとりあえず私の95年をボブがらみで振り返っていきたい。
2−j ボブ・スキンタイト(1995年)
「ボブ馬鹿 3」 へ続く