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「あかねこ中学漢字スキル」で新出漢字の9割強を習得させる



長谷川博之(トークライン中学秩父JEサークル)

漢字に根強い苦手意識を持つ1年生に「漢字スキル」を用いて指導した。ひと月もたたないうちに漢字テストの学級平均は90点を超えた。指導方法はもちろんTOSSで学んだものである。


毎時間最初の7分間を漢字学習に当てている。

指書き・なぞり書き・写し書き・空書き・テスト

このステップで指導する。TOSSで学んだ方法である。
この指導を行えばすべての生徒に9割以上の習得度を保障できるという。

今年度初めて漢字スキルを採用した。4月、早速指書きから指導を始めた。
効果はすぐに表れた。ひと月もたたないうちに10問テストの平均点は90点台に乗り、95点に迫った。

【1・2日目 新出漢字練習】


さっと授業に入る。

指示1 最初に指書きをします。書かれている筆順を見ながら、その横に指で書きます。筆順を唱えながら書 くのですよ。

声を出している生徒を力強く褒める。
覚えたら鉛筆を持たせる。3〜5回で覚える。

指示2 次になぞります。筆順を唱えながら、1ミリもずれないように書きなさい。

丁寧に書いている者を褒める。ずれている生徒には書き直させる。

指示3 Bのマスにお手本をそっくりそのまま写しなさい。筆順も唱えます。

枠に触れないよう指示する。ここで正確な字形を覚えさせる。

指示4 同じように五つ目の漢字まで練習しなさい。

枠に触れたりはみ出したりしている漢字は書き直させる。

指示5 空書きします。全員起立。右手を準備。さんはい。

筆順を唱えながら右手で宙に書く。全員でそろえる。教師は左手で鏡文字を書く。
難漢字は教師の板書に合わせてから書きさせることもある。記憶の怪しい漢字は目をつぶらせて再度から書きさせる。
次時の学習の初めに前時学習した漢字を再度空書きさせる。小刻みに確認することで漢字の一つ一つが確実に定着していく。


【3日目 問題】


スキルの下半分を学ぶ。

指示1 @からIまで、漢字の読み仮名を書きなさい。読めない漢字は下の答えを見ていいですよ。

わからなければ答えを見ればよい。最終的に習得すればよいのである。

指示2 筆順を唱えつつなぞります。横方向に進めなさい。

机間巡視をし、ずれている漢字に×をつけ、書き直させる。常に励まし続ける。
すべて正確になぞれている場合、「合格」と言って小さく赤丸をつけてやる。

指示3 写し書きをしなさい。

最後の段(三段目)は自分でテストをする。下敷で上を隠して書き、採点まで行う。間違えた漢字だけを家庭で練習する。


【4日目 テスト】

テストの前に学習状況を確認する。方法は、列ごとに当該ページを私のほうに向けさせるだけ。三段目に模擬テストをし、採点までしてあれば合格である。不合格者が多い場合は練習の時間を2分とる。

指示1 テストを切り取りなさい。

指示2 止め。テストを交換しなさい。友達のことを思って厳しく採点しなさい。

スキルを見て丸だけをつけさせる。バツは後に私がつける。生徒は毎回真剣に採点している。友人のテストを採点するという作業、ここにも立派に学習が成立している。記憶の定着が進むのである。
正解か不正解か判断に迷う場合は二人揃って持ってくるよう指示する。

指示3 間違いのあった人から持ってきます。席に戻ったら間違えた漢字だけを裏面に練習していなさい。

列をつくらぬようすばやく誤答をチェックし、点数を記入する。
四角の中でなく隅に得点を記入する。再テスト後、四角 に100点を書いてやるためである。
間違いのあった生徒から持ってこさせるのは、再テストに向けた練習時間を確保するためである。席に戻り、満点の生徒がチェックを受けている間練習を進める。

指示4 100点だった人は持って来なさい。席に戻ったらシールを貼っていなさい。

シールを貼らせるのは空白の時間をつくらないためである。貼り終えた生徒はテスト用紙裏面の「アドバンテージ」に挑戦している。

指示5 点数を名簿順に発表してもらいます。1番からどうぞ。100点でもみんなの前で言いたくない人がいますよね。その場合は前に言いに来なさい。

なぜ点数を言わせるのか。満点だった生徒を褒め、間違いをした生徒に「次は満点を取る」という気持ちを持たせるためである。
この後全体を評価する。前回と比べて点数が上がった者を褒め、下がった者を励ます。
その授業の最後に再テストを行う。授業はチャイムと同時に終えているので、テストは休み時間に一分ほど食い込むことになる。ほとんどの再受験者が一問程度であるからすぐに終わる。


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