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続々登場する新出漢字も「指書き」の徹底で確実に習得できる!

あかねこ中学漢字スキルのユースウェア決定版



長谷川博之(トークライン中学秩父JEサークル)

4・5日で1ページのペースでは、中学漢字スキルは終わらない。平均点を下げずに、3日で1ページ進める方法を紹介する。3日サイクルで進めても担当5学級すべてで平均95点以上を維持している。細かい指示はTOSSランドNO.1118158を参照のこと。


毎時間最初の7分間を漢字学習に当てている。

指書き・なぞり書き・写し書き・空書き・テスト

このステップで指導する。TOSSで学んだ方法である。これは崩さない。
小学校では4・5日で1ページを指導するという。
だが,週3時間しかない中学校ではこのペースでは終わらない。
そこで,昨年度の失敗を踏まえ今年は一部修正して実践することにした。
修正点はこれである。

上半分と下半分を同日に練習させること。上半分と下半分ではなく、右半分と左半分という発想である。

いっぺんにやらせて平均点は落ちないか,習得率は低下しないかという危惧を抱く方があろう。
私もそうだった。やってみて生徒のためにならなければすぐにやめようと考えていた。
しかし,杞憂だった。学級平均は相変わらず95点を超えている。定期考査の漢字書き取り問題も100点換算で90点を超える。
なぜ下がらないかを考えてみる。一番の理由はこれである。

指書きの指導を徹底していること。

この点は熊本の奥田純子先生の論文に詳しい。

【指導手順】  漢字スキル二年、1ページを用いる。

◆1・2日目 練習のさせ方

教室に入り「はい,こんにちは」。さっと授業に入る。

指示。スキル1ページ。五つ目「更」に指を置きます。ここまで練習します。終わったら持っていらっしゃい。

現在はこれだけで生徒は練習を始める。

4月,初めてスキルを使う場合,最初の数回は丁寧にやる。順に記す。

@「肩」という字を指差します。その下に@とありますね。指差します。お隣と確認。
Aそこに漢字が筆順で分解されて記されていますね。これを見ながら指で机の上に練習するのです。この ように。(実演)
Bでは,三回書いてみましょう。はじめ。
C次に,自分の指先に視線を移して同じ様に指で書いてみてください。はじめ。
D書けた人。間違えちゃった人。
Eここで書けた人は下のA,薄くなっているところを鉛筆でなぞるんです。やってみましょう。(机間巡視)
Fはい。今なぞり書きをしましたね。その下の空欄(確認)。ここにお手本そっくりに写します。筆順も言いま す。始め。

「更」まで今のステップで練習をして,

写し書きまで終わった生徒にスキルを持ってこさせる。

なぞり書き・写し書きを教師がチェックし赤鉛筆で丸をつける。一つひとつつけていると列ができる。まとめて大きな丸一つでよい。ずれている箇所や間違っている箇所には小さくバツをつけ,やり直させる。再度持ってこさせる。
丸をもらった生徒は次に何をするか。これをする。

下半分の振り仮名・なぞり・写し書き

1ページでは,「更」に関わるのはFの「変更」である。ここまでを「横方向に」練習させる。
三段目は生徒が「自分テスト」をする。上を隠して一番下の「漢字の読み方」と見て書く。自分で採点をする。
一番早い生徒がここまで進む頃には,学級で一番遅い生徒が下半分の一段目「なぞり書き」を終える。
それを見届けて鉛筆を置かせ空書きのチェックをする。生徒は「座ったまま」。ひじを支点に大きく書かせる。
教師は鏡文字で空書き。ここでの指導言。

@手に持っているものを置きなさい。
A空書きをします。「かた」さんはい。「いち、にーい、さん、……」
B目をつぶって,さんはい。(うろ覚えの生徒はずれる。あるいは薄目を開けてスキルを見る。それでもよ  い。個別に指摘はしない。慣れれば初めから目をつぶらせる)
C「うず」さんはい。「いち、にい、さん、……」つぶって、さんはい。

「更」まで終えたら言う。「復習」。間違えたものを再度指書きさせる。時間は約十秒。
以上すべてで10分弱である。2日目も1日目と同様に行う。

◆3日目 テストのさせ方

3日目はテスト・再テストを行う。
私が教室に入るとほとんどの生徒は漢字練習をしている。数人は遊んでいる子もいる。休み時間だから遊んでいて当然である。そこで,「最終チェックです」と言って2分間覚える時間をとる。生徒はここで集中して覚える。
テストの指導言。

@用意、始め。……あと三十秒。
A止め。お隣と交換。(三十秒ほど)
B間違えた人から、持っていらっしゃい。

間違えた生徒から,というのは,再テストの練習時間を確保するためである。慣れればこの指示も要らない。
持ってきたテストをさっと確認し,点数を書き入れる。欄外に80・90と薄く書く。欄には再テストで濃く100と書いてやる。
蛇足だが,裏表20問のテストページの場合,裏側(J〜Sの面)を表にして出させる。点数を書くためにめくるその秒単位の無駄をカットするためである。
席に戻った生徒から,満点の生徒は「アドバンテージ」を,その他の生徒は間違えた問題の練習をする。
その後名簿順に点数を言わせ私は名簿に記入する。
最後に,「アドバンテージ,満点だった人」と挙手させる。これを聞くのと聞かないのとで,生徒の取り組みがまったく違ってくる。聞いて誉める。評価する。その繰り返しで生徒の意欲は高まっていく。

◆指導の効果

3年生40人学級で2,3人が80点あるいは90点,あとは全員100点である。毎回平均95点を超えている。
今年初めて担当した2年生には「漢字を覚えられない」という生徒がいる。彼はまだ満点をとれていない。だが,2学期半ばにしてようやく点数を取れるようになってきた。2クラスもっているが,平均は毎回90を超えている。
私はミニテストの結果より定期テストで取れるのかどうかを重視している。定期テストでは書き取りを20問出題する。昨年度最後の定期テストの結果は,担当する5学級すべてで平均90(100点換算)を超えた。今年度も3年生3学級は92点以上,2年生2学級は88,91であった。
赤ねこ漢字スキルの威力である。


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