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「クジラたちの音の世界」(光村1年)も,問いと答えの対応なら2時間で完結



長谷川博之(トークライン中学秩父JEサークル)

中1,一学期の説明文教材である。小学校教材「花を見つける手がかり」で向山型説明文指導の流れを学ばせた後,音読・問いと答えの対応の順で指導した。テンポ良く進める授業に子ども達は集中した。全員に成功体験を積ませることができた。


次の順に指導した。
〈第一時〉 「花を見つける手がかり」にて向山型説明文指導の流れを学ばせる
〈第二時〉 音読練習
〈第三時〉 問いと答えを対応させる
ここでは第三時の指導を記す。

発問1 本文には問いの段落がいくつありましたか。書きなさい。(ふたつ)
発問2 最初の問いの段落は何段落ですか。(A)
   3 問いの一文はどれですか。線を引きなさい。
   4 問いの一文字が省略されています。何ですか。(「か」)


指示1 問いの一文を視写します。書き終えたら赤で囲みなさい。

ノートを見させ、全体で音読して確認した。誤って視写していることがあるためである。

説明1 問いに対応する答えの段落は数段落にわたって書かれています。しかも、答えの形をなしていな い、不完全な答えになっています。だから、これから君たちで作ります。

「えーっ!」などの反応。にこっと笑って先に進む。

指示2 答えの文を板書するので視写しなさい。
板書1 □□□□□ためには□□□□とよばれる短い音を、□□□□ためには□□□□□とよばれる低い連続した音を、それぞれ使い分けている。

指示3 一箇所25点、全部出来て100点です。文章中から抜き出してごらんなさい。

点数をつけるとやんちゃたちも熱中する。
採点は、鉛筆が止まったのを見計らって教師主導で行う。
まず「クリック」と「ホイッスル」を埋める。歓声が上がった。
「あと二箇所だよ! 満点目指せ! あと2分!」とあおる。
まだ悩んでいる生徒がいたのでヒントを出した。

説明2 みんな教科書とにらめっこしているけどね、これは答えの文でしょう。答えというのは問いがないと成り立たない。わかる? 問いの文が大ヒントなんだよ! 黒板の文章を見るんだよ!

「わかった」という声があちこちから聞こえた。
タイミングを見計らって採点をする。
「情報を得る」「伝え合う」である。満点が続出した。
「すごい! 難しい問題なのによくできた!」大いに褒めた。

発問5 ふたつめの問いの段落は何段落だろうか。(I)
指示4 10段落には一文しかない。だからそれが答えの文だ。その中から、問いの部分だけを抜き出して、ノートに書きなさい。(「クジラたちは……なったのか」)

赤で囲ませる。全体で読む。

発問6 答えの段落を探そう。一つ選ぶとすると何段落だろうか。(K)

これはJが1/3、Kが2/3に分かれた。Kであると告げた。

指示4 12段落を使って、答えの文を書きます。一つ条件をつけます。「視界」と「速さ」、このふたつの言葉を使うこと。30字程度で書きなさい。はじめ!

集中していた。鉛筆の走る音だけが聞こえた。

指示5 挑戦者、出てきて書きなさい。

「評定される者は伸びる」と繰り返し語ってきた。今では30名中20名ほどが出る。有志を募るとき、「挑戦者どうぞ!」というだけでサッと前に出てくるようになっている。
一人ひとり評定していった。16名中、満点が13名。説明しなくとも、どこがいいのかを自分たちで考え、ノートしていく。
生徒の答えを一つ記す。

暗くて視界の悪い海の中でも、音は陸上の五倍の速さで伝わるから。(30字)



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