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竹取物語 第一時の指導

                              ―説明しない授業で全員の音読力を高める―



長谷川博之(トークライン中学秩父JEサークル)

初めて古文を学ぶ一年生に古文を読み慣れさせることを目的に授業を組み立てた。バリエーションを持たせた矢継ぎ早の音読指示と個別評定で、生徒の集中力は次第に高まっていった。一時間の終わりにはすべての生徒がすらすらと音読できるようになった。


「竹取物語」(光村1年)P.156
漢字スキルの学習(5分)の後、さっと授業に入る。

指示1 「今は昔」を指で押さえなさい。
   2 その横に丸を十個書きましょう。
   3 範読します。振り仮名を振りながら目で追いなさい。


指示4 追い読みします。(文節ごとに)
   5 一文ずつ追い読みします。


指示6 2回読んだら座りなさい。全員起立。


指示7 列読みをします。一列、起立。一文ずつどうぞ。

10点満点で個別評定する。
評価基準としては、「明瞭さ」(出だしと語尾)、「大きさ」、「速さ」を各3点として即座に評定する。
「出だしをはっきりと読もう。6点。」
「速さは良いが声が小さい。3点。」
「模範的だ。10点。」など。
ここで得点が低い生徒がいても大丈夫。一巡した後もう一度読ませる。
二度目にはどの生徒も上達している。これを褒めて次の指示へ進む。

指示7 訳を追い読みします。

2回繰り返す。一度目は文節で区切り、二度目は一文単位で読む。

指示8 私が古文を、皆さんは訳を交互に読みます。「合わせ読み」と名づけます。
   9 交代します。さんはい。

私が古文を一文読み、生徒がその部分の訳文を一文読む。テンポよく進める。
この活動の繰り返しにより古文とその意味が同時に生徒の頭に入る。

指示10 隣同士で合わせ読みをします。読み終えたら上下を交代してもう一度読みなさい。全員起立。

終わった生徒から座っていく。空白をつくらぬよう、「古文を微音読していなさい」と指示する。
最後に指名なし音読(たけのこ読み)で締める。全員がすらすらと読んだ。


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