料理せずして食は語れない
タンポポ
(1985)
伊丹十三監督によるラーメンウエスタン物語
山崎努、宮本信子、役所広司、渡辺謙、安岡力也、桜金造、洞口依子、大滝秀治、
黒田福美、津川雅彦、松本明子、高橋長英、橋爪功

グルメ通の運転手も通うラーメン店。
ラーメン開発に情熱を燃やす夫婦。
当時はこの映画に対する酷評もあったが、酷評が面白くない。
ウエスタンというのは、なんのことやらと、その衣装とラーメンに挑むちょっとしたシーンだけ西部劇風。
人間模様はグルメ通の様々な客が味を評価するので、その一瞬の反応でさえ見逃さない緊張感。
牡蠣取りの海女の少女が生卵を食べるシーンのアップは日本映画らしくない描写ですが、
そうした描写は古い映画や古いアニメにもあります。

当時は撮影秘話もあり。
伊丹十三の [タンポポ]撮影日記 <オリジナルビデオ> (1985)
DVDの特典にも収録されてると思います。
その後の国際映画祭で受賞したそうそうたる出演俳優達。

DVD









金玉満堂〜決戦!炎の料理人
(1995)
金玉満堂
THE CHINESE FEAST

予約中に追悼作になってしまいました。
店を乗っ取る料理人が現れオーナーは厨房のコック達を買収されたショックから倒れる。
そこでヤクザ家業に嫌気がさしてコックをしていたサン(レスリー・チャン)がオーナーの娘と共に
一流の料理人を連れて”満漢全席”のメニューで勝負する。
華麗な技の数々に怒涛のハイテンションしかし名人は味覚が麻痺していた。
どーなってしまうのか?

コメディ度はマメな演出が多く取入られていて噴出してしまう。
歌の所や魚やカニやらものすごいハチャメチャぶりだ。
序盤のアニタ・ユンのパーな演技必見。
「食神」のオヤジものに比べれば楽しみ易い。
なにかと山口百恵の伊豆の踊子やらマネしたり拘っているパクリが多い。
料理の映像的にはボヤけててもったいない面がある。「きんぎょくまんどう」と読むので間違えないように。

満漢全席だけに熊の手、象の鼻、猿の脳味噌など。
猿の脳味噌の料理というと「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」を彷彿としますが。
勿論、動物愛護協会がしゃしゃり出てきてちょっと待てという流れになるが素材は両者ともフェイク。
「食神」に続き「美味しんぼ」のパクリ路線としても何気なく知名度は高い。
コメディと再帰を図る料理人と恋愛の路線。エンディングは撮影終了という感じで締め括る。
★★
DVD







食神
THE GOD OF COOKERY
(1996)
食神
THE KING OF COOKERY
THE GOD OF COOKERY
監督・出演:周星馳 (チャウ・シンチー)

香港の料理界で食神の座にいた周は裏切りによって追放される。
屋台の女主人と出会い再起を図る。

跳ねる弾力がある肉団子。噛んだ瞬間に肉汁が飛び出る。
あちらの「初恋」もBGMに使ったりしている。
少林寺から脱走しようとして金粉塗りの18鉄人にタコ殴りされる所なんかは漫画っぽい1シーンで面白い。
審査員の大げさな演技もあの漫画のTV実写版からのパクリである事は間違いない。
コメディ映画においてカメラワークなど見せ方がツボをついている。
DVDはトールケースで新たに発売されている。

「美味しんぼ」のパクリ路線。美食家(三角メガネのザマスおばはん)の評論ぶりあたり。
時期的にも「料理の鉄人」ともダブる。どういうわけか神まで降臨してしまう(爆)
時折使われるBGMはアニメ「学園七不思議」の佳境に差し掛かった音楽とよく似ている。
噛めば汁が飛び出る”小便団子”ちょっとメシを食いながら満足に見れないかもしれない(笑)
コメディと悲劇と戦いを組合わせで惹きつける。エンディングはNG場面で締め括る。
★★
DVD







かもめ食堂
ROUKALA LOKKI (2005)
原作:群ようこ、監督:荻上直子
出演:小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ、ヤルッコ・ニエミ、タリア・マルクス、マルック・ペルトラ

色々な世間話に興じ料理作って客に出す。
流れるストーリードラマでもなく日常ウォッチング度が高い作品。
シナモンロールパンを出したりトンカツやカラアゲを作ったりシャケオニギリを作ったり。
コーヒーを出したり。(動物の糞コーヒーのネタ)

あまり人通りが多いわけでもない。
白色で統一されたのどかなカフェには昼食頃にポツポツと客が訪れる。
奇妙な感じのオトボケの数々もあったり。(やっぱり猫ネタなど)
おばさん3人組が店を覗いてこき下ろすもやがて食べに入る。
変な人が店を覗いていて何か面倒な事が起きそうな予感もさせたり。
蒸留酒を飲んでばったり倒れてるが・・・何だったのだろうか。
パンをこねて焼き上げて取り出すという工程がなかった感じがするけど。こんがり焼けてるパンは美味そ。
よく見たらキッチンオーブンのせいでパン作りの印象が薄いかな。
多用シーンが多くないし。3回くらい連続で取り出さないと殆どのお客さんに回らない。
トンカツをザクザクと切る場面はアップで強調する意図があり手の動きとカメラ角度から危ない印象。
揚げ物も最後の1つを掴みきれなかったりして手馴れておらず店はまだまだこれからという感じをさせる。
夜中に体をほぐしたり見た目では分からない気負いもある。
眠い〜とバッタリ横になって見てたら脈絡も無く終わった。何だったのだろうかという事も無い。
小説の中身がそのまんま出てきた感じ。
どういうわけかエンディングテーマ井上陽水。ノスタルジック路線か、ちょいワルオヤジブームか。

アップテンポで話がまだ広がりを見せる余裕があれば続編も見たいけど。
アントンカラスのあの音楽があると似合いそう。
「ムーミン谷の夏まつり」は持ってるけどこの映画のは昔のと随分違くて大きいな。

ruokala lokki−かもめ食堂。メインメニューはオニギリ、具は鮭、梅、おかか。1人3つまで。舞台はフィンランド。
コーヒー、シナモンロール、トンカツ、カラアゲ、しょうが焼き、シャケのソテー。厚焼き玉子、肉じゃが。
豆大福は3つまで。小皿のはよく分からんけどお浸しか浅漬けっぽい。とにかく色々なのだ。

あれ?豆大福出てきたっけか?うーん・・・。
かもめの鳴き声もきっちりあるといいんだけども。

カランコロン、(音は気持ちだけ)「あ、いらっしゃい」
日本かぶれの青年:「コーヒーをください」−「ニャロメ好きですか?」−「ガッチャマン好きですか?」(ぉぃ)

スケッチブックを取り出し、手渡す。「私の名前お願いします、漢字、トンミヒルトネン」
青年は感激した。「オー」

−豚身昼斗念− (゚ロ゚;) アングリ

メインなのに売れないおにぎり。3個分来た所にみんなの視線が集まる。
果たしてサチエの真心と日本の文化は国境を越えるのか?。
呪いの藁人形やらブラックジョークもあり、ウォッチング度とクスっと含み笑い。はたまた唖然呆然とするか。

初回は3枚組。シールやマップシート。折畳式ケース。特典はカフェコースター。本編102分、CM集。
特典ディスク2枚は「猫と歩くヘルシンキ」40分、映画「めがね」特報5分、2007秋公開。

「いらっしゃい」
☆☆☆☆☆?
DVD









美味しんぼ
(1996)
原作:雁屋哲 画/花咲アキラ 『美味しんぼ』
監督:森崎東
製作:奥山和由 村上光一 田中迪 峰谷紀生 大野茂
プロデューサー:中川滋弘 田沢連二
企画プロデューサー:瀬島光雄
出演:佐藤浩市 羽田美智子 三國連太郎 遠山景織子 柴俊夫 財津一郎 竜雷太 清川虹子 樹木希林 田中邦衛 芦田伸介

美味しんぼ TVアニメ版 (1988〜1992)
美味しんぼのアニメ版は完成度が高い。
美味しんぼ テレビドラマ版 (1994年 - 1999年)主人公・山岡士郎 - 唐沢寿明 版の後に製作された実写版映画。
映画用の制作陣と出演者でTV版の主人公の俳優を使わずといった不可解な結果になった。
原作の内容は告知では皆無で、俳優の佐藤浩市と三國連太郎の親子の確執が取り沙汰されていた。
佐藤浩市いわく父親の三國連太郎は嫌いであるという部分だけ目立ってしまっていた感じは否めない。
その後も(2007年 - 2009年)テレビドラマ版 山岡士郎 - 松岡昌宏(TOKIO)と好評だが。
映画版はしばらくDVDにもなってない。
親子の確執。食材の重要さ。審査員が料理の感想をイメージの部分まで映像化してしまうのは原作漫画でも初期のみ。
漫画では山岡士郎は東西新聞社のぐーたら社員で銀座の料理屋岡星の常連客。
ニュー・銀座・デパートも登場することからなにかと銀座。
海原雄山が海産物など「豪華な食材を使った料理」で挑戦してくるので卑怯と思っていたが、
「豪華な食材を使った料理でも料理に違いない」と唐山陶人の言葉で悟る。
人脈は美食倶楽部を要してる海原雄山のほうが上。
後は日本全県味めぐりであるが地方独特の郷土料理にスポットをあててる。
マンガ「美味しんぼ」では和三盆(わさんぼん)のネタが若干多い。
美味しんぼ24巻カレー勝負では24巻まるまるカレーの話が掲載されてる。
カレーの本場インドで山岡たちが取材して海原と料理対決する話です。
マンガの劇中の「マイダス王」はモデルが不明ですが、
表紙写真〜カレー各種の調理は実際にあるお店のインドレストラン「マンダラ」のものとなってます。
海原雄山が実在した北大路魯山人の名を何かと出すが、
北大路魯山人が「美食倶楽部」を作ったので海原雄山のモデルそのものではないかと。
北大路魯山人は毒舌や罵倒で有名とされてるがメディア評論の類であり実際は不明である。
この北大路魯山人の性格のようなものもメディア評論からのものであり、
食を評論する海原雄山のモデルそのものではないかと。
主人公の山岡士郎はマンガ版ではヒロインの栗田ゆう子と結婚しましたが、
アニメ版と映画版とテレビ版では結婚までは描かれてません。

「美味しんぼ」は外国料理から離れ日本料理のルーツを探る展開ですが、
サムゲタン(参鶏湯)
ファッチューチョン(佛跳牆)
スッポン(鼈)
など古くから高級料理とされてるメニューも掲載してます。

この原作漫画は良い料理を作るための部分では誇張がある物の、タメになると思います。
マンガの知識に感化された人をコケにする人もいるようですが。

原作マンガが111巻で完結なのか?という動向ですがファンからすると、どうかなぁと。

同時期に、寿がきや食品が「全国麺めぐり」シリーズを発売してます。
☆☆☆☆☆








UDON
(2006)
出演:ユースケ・サンタマリア、小西真奈美、トータス松本(ウルフルズ)
プレミアム・エディション
見てから食べるか、それとも食べてから見るか?

ハリウッドでスターになる夢を挫折した男が故郷、香川県讃岐のソウルフードに出会い人々と触れ合う物語。
主人公の松井香助は実家を追い出されタウン誌の恭子らと働くことに。
アバウトな彼はこれから先何を見つけるのか。

冒頭から洋画チックなファンタジックなドタバタコメディ調。有名な音楽もポップ調でふんだんに展開を盛り上げる。
ナレーションで総括し感情移入や物語に入りやすいようにしてある。
熊が現れ2人を乗せた車は谷底への田舎ならではのハプニングを利かせている。
卵とネギをのせて醤油をかけるだけ。卵の黄身を箸で割る。
これぞうどんだと言わんばかりのメッセージ性を含むアップで思わずニヤリとさせられる。
あちこちのお店をまわって食べまくる。これが実在の各店舗。お店の人も素です演出指導はされているだろうけども。
丁寧に作り方の工程まで説明。中々、アニメのほうの「美味しんぼ」テイスト。
コトバスのタクシー。もしかして・・・やっぱり実在する地元観光会社。今ではうどんタクシーで配車が通用する。
キャプテンウドンはアメコミ調。夢だけでなく目の錯覚も。
テレビ番組で食べていたナンちゃんと小泉孝太郎君も出演してる。
他には片桐仁(ラーメンズ)、石井正則(アリtoキリギリス)も出演してる。
たしかにこれだけ炭水化物食べすぎたら眠たくなりそう。
それにしてもマイお椀を持ったバイク軍団や茶道教室でうどん、自動販売機。麺体操、麺踏みファッションショー。
トントンでブームを呼び社会現象。ウルフルズの持ち歌でPV風シーンも。メインは後半で強引にお涙頂戴を誘う。
一言で締め括るならALWAYSうどんの奇跡。
ご当地ヒーローまで登場しアメリカで「UDON」をジャパニーズソウルフードとして売り込むが。

映画の主人公の場合、親父の味を再現し姉夫婦が切り盛りする事で実家の存続成功。
そしてハリウッドでも初心に帰り成功秘話。恭子が追いかけて来る。
継ぐのはかなり後だろうと推測できる。
登場キャラの1人がメキシカンうどんを出していた。うーん想像だにできない反応。
やりたかった事を叶える再チャレンジみたいな思い入れメッセージが込められている。

この映画でのうどんは釜揚げの素うどんにたれと生卵の調理法。

普通に小麦粉から麺を作るとゴムみたいな弾力が付き過ぎるため消化不良にもなる。
茹で加減ではカバーしきれないほど。
俗に言うコシ1つとっても加減を極めるまでが大変。
うどんは誰もが好きだろうと思いきや嫌いな人も平然と世の中にいる。
商売である以上、万人に受ける当たり前とされる1つとっても苦労をものともしない持続力が要される。
トッピング、食感・味・香りの差。価格はピンからキリまである。
88ヶ所うどん巡礼は無理だからお取り寄せかなぁ。

劇中にテレビ番組「情報プレゼンター とくダネ!」が登場し、
小倉智昭と笠井信輔と佐々木恭子と中野美奈子が本人役で出演している。
(オープニングトークのような話し合いでうどんについて語っている)

特典ディスク内容。
ディスク1、2003年から2007年までのメイキングと製作年表。
ディスク2、ノーカットロングバージョン。184分+48分。比率4:3で字幕無し。本編と比べて4チャプター分追加。
大盛りでおかわり2度楽しめる。そんなところなので内容の細かい違いを書いても仕方ない。

約14pの解説書と台本115p。
本編134分3枚組。日本語英語字幕付き。

「CAPTAIN UDON THE MOVIE coming soon」
★★★★
DVD










プルコギ −THE 焼肉 MOVIE−
(2006)
監督:グ・スーヨン
製作:片岡公生、原田雅弘、石井晃、小西啓介
出演:松田龍平、山田優、ARATA、田口トモロヲ、ムッシュかまやつ、竹内力、前田愛、
矢沢心、服部幸應、リリー・フランキー、きよ彦、山本譲二、坂井真紀、津川雅彦、倍賞美津子、
桃井かおり、田村高廣

九州にある韓老人の食堂のテレビでは焼肉バトルロワイアルが繰り広げられる。
下町の名人、ホルモンのカリスマなどが挑戦していた。そんな中、焼肉キングだけは無敗だった。
神戸から牛を一頭連れてきた男から勝負を挑まれる。
その後、韓老人の食堂を潰しに来た焼肉キングことトラオが現れ一番弟子のタツジが勝負をする事に。

ホルモンこと白肉にこだわってる解説。
韓老人という韓国人を演じてるのが日本人の田村高廣。怪奇物の怪演までこなす名優です。
もくもくと焼肉を焼く。とくに料理人ぶった助言は無いしグルメ通ぶった演出も無い。
ギャップやオチを多用している。
邦画独特の軽くアップテンポなブラックコメディを出して時折の退屈感を紛らわしている。
様々な角度からの距離感で焦点を保って様子で関心を惹き立てている。
大袈裟なものは遠目に置いて情緒を淡々と描いている。
様子見して動向を窺う素振りもあったりし予測が付かない展開。
意外に出演者が多く、怪しい雰囲気もあり恋の行方も折り混ぜている。
平凡な感じを維持しつつちょっと冗談きついくらいの強引な展開。どこか懐かしくもあり奇妙な印象にも映る。
人によっては生肉の場面がバイオレンスでグロテスクに見えるかもしれない。
基本的には人情物の料理の鉄人。紅白にも色々ありますけど赤白焼肉合戦という感じ。
前半は話の流れに明確な掴み所が無く様子を見ているだけで関心が高い。
後半のバトルになってからは緊迫感が向こう側に置き去りなので盛り上がりには大して引き込まれない。
落ち着いていて見やすい作品。

DVD-BOXメイキング付き。

服部栄養専門学校の校長まで出演してます。

残念ながら主役の田村高廣さんは数年後に他界されてます。
田村三兄弟の中でもベテランの方なので惜しいです。

映画では白肉にこだわり使用してます。
調べたところによると「プルコギ」は赤肉が使われるのが普通のようです。「韓国風すき焼き」とも呼ばれるらしいです。
カキ、ナシ、リンゴ、キウイなどの果物を用いるのはポッサムキムチでもありますが。
2010年頃では「プルコギ」はピザーラやピザハットのメニューでピザにもなってます。
★★★
DVD









ラーメンガール
THE RAMEN GIRL (2008)
監督:ロバート・アラン・アッカーマン
製作:ロバート・アラン・アッカーマン、ブリタニー・マーフィ、スチュワート・ホール、奈良橋陽子
製作総指揮:小田原雅文、マイケル・イライアスバーグ、クリーヴ・ランズバーグ
脚本:ベッカ・トポル
撮影:阪本善尚
美術:今村力
衣装:ドナ・グラナータ
編集:リック・シェイン
音楽:カルロ・シリオット
照明:大久保武志
録音:安藤邦男
出演:ブリタニー・マーフィ、西田敏行
製作国 アメリカ

監督もスタッフもキャスティングも海外の人。
派手な演出は無く、緩ったりした展開。
初め店主は弟子入りを嫌がるが、厳しい特訓も無く次第にスープ作りをマスターしていく。
コメディはまったく無く、暗い演出で終わり。1度も盛り上がらず寂れた感じ。
ラーメン映画というと「タンポポ」が思い浮かびますが、山崎努さんが味を見る大御所役。
冒頭のディスコは今の時代ではないので違和感。ベッドシーンは不要。
せっかく完成した所のカメラ演出のアップが足りないことと尺が短い。照明まで酷い。
出てきたラーメンが美味そうという感じはしなかった。ポスターのイメージとは程遠い。
素材選び、下拵えの手間、時間、調理、修行シーンの大事な部分が抜けてる。
「ガチンコラーメン道」まではいかなくても、やる気と熱を感じられる部分が欲しかった。まるで3日修行。
唐突にラーメンを作りたいと切り出すタイミングまでに事前の材料が揃ってない。
店の活気が無さすぎる。これでは弟子入りするほどの理由にもならない。
まずこの店に入りたいか、注文して金を払うか、無理がある。この印象なら通り過ぎる。
住まいから見下ろす場所にあった気になるお店。虚な気分を穴埋めする物でしかなかった。
日本に滞在している理由も分からない。修行の間は稼ぎが無い。学費と家賃が払えなくなるはず。
冒頭で遊び呆ける毎日ならとっくにスッカラカンのはず。
主人公が何者なのか、はっきり形作りができてなかった。
カメラのアップテンポが冷めていてロボット同然のような存在。
全体を通しても全てのセリフが面白くない。他人が見て面白いかどうかまで行ってない。
面白さが無い体験の範囲。映画化できる理由が分からない。
何を見せたかったのか。内面に入ってしまって見せるものがなくなっている。リズム感の無い段取りだけの流れ。
演出まで魂が無い。ピンポイントなら派手派手のほうがいいかも。
他の映画なら30分程度の内容しか入ってない。元気が貰える印象が残ったら良かったと思う。

残念ながら主役のブリタニー・マーフィさんは数年後に他界されてます。
☆☆☆
DVD






南極料理人
(2009)
原作:西村淳 『面白南極料理人』『面白南極料理人 笑う食卓』(新潮文庫刊)
出演:堺雅人、生瀬勝久、きたろう、高良健吾、豊原功補、西田尚美、古舘寛治、
小浜正寛、黒田大輔、小野花梨、小出早織、宇梶剛士、嶋田久作
主題歌:ユニコーン

コメディ主軸。
最初に出した話まで面白い形で再度後から出てくる。
ナレーション、自己紹介、アングル、照明、色。バランスが絶妙。とくにアングルは分かってる人の作り。
エビフライっと盛り上がって、イセエビのエビフライがどよーんと並ぶ。「なんか遠近感狂うな・・・」
カニを置いて立ち去ったと思ったら、扉が閉まると同時に見ていた姿が映る。
カニ料理だと全員なぜか無言で食べる。
丸焼き肉の暴走。こっそりラーメン再びラーメン。かき氷ベースボール。病み付きバター。から揚げの思い出など。
仕事仕事した感じは控えめ。個々の隊員が暴走。寒空の下でもハチャメチャ。そんなこんなで・・・という感じ。
主人公のストーリーはホームシック気味に小出しになっている。
ストーリーの流れ重視で期待する人には向いてない。殆どグルメ・オブ・コント。
堺雅人が演じる困惑さと、ちょっとした寡黙さは、きたろうの持ち味で元々多用されていた役柄ともよく似てる。
ちょっと食事が豪華。

「ハンバーガー?」
★★★
DVD










シェフ 三ツ星フードトラック始めました
(Chef)は、2014年

オーナーから定番の料理を出すように指示されたが、
評論家と揉めて新しいメニューを出そうとしてレストランをクビにされフードトラックを始める。
「キューバサンド」や「キャッサバ」などから感銘を受けてトントン拍子。
日本ではガーデニングでしか馴染みのないブラックベリー、ブルーベリー、ラズベリーなどのメニューも。
ラズベリーではなくコケモモかもしれないが。
「ツイートの拡散」ではウインドウが同時進行のように表示される様子となってる。
親子旅。
シェフの親友もレストランを辞めて参加するため追いかけてきた。
シェフをクビにしたも同然の評論家はブログで儲けて店をシェフに譲る。

監督がこの作品の主人公もしている。

マーティン役のジョン・レグイザモでは(高木 渉が吹き替え版声優で柳沢 慎吾のような枯れた声)

レジェンドのアニメ声優兼歌手・林原 めぐみを起用した吹き替え版の声優。

フードコーディネーターのプロデューサーはロイ・チョイ(Roy Choi)でWikipediaには明記が無い。

スペイン、メキシコ、ハイチ、キューバ、南アメリカなどのサンバやマンボやルンバなどの南国系の音楽。
吹き替えにもない公用語はスペイン語のようだが。
葬式もタキシードでサンバ?というユーモアもあるが実際そういうものがあるかは知らない。
グルメ映画の構成のバランスは1つ1つの偏向が大きくないので確保できてる。

大抵ロケの食事は美味くないという印象が映画業界の評判だが、今回は美味いと評判。

キューバの代表的な料理は紹介されないがフライやスモークなどの名物のほうを扱ってる。

有名な俳優や女優が出演してるが
料理が主役なら偏屈なキャラクターの依頼を頼まれる彼らの演技力に意味は無いほどの完成度。

「タコスでも売るのかぁ?」
★★★
DVD











こんな不味い物が食えるかぁ
必殺ちゃぶ台返し!ドンガラガッチャン

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