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Prohibition zone (獄炎の釜) ニュースをお伝えします 午前未明、地中海沿岸にて漁船が国籍不明の船と衝突事故を起こしました。 救出された船員の話によると汽笛を鳴らし警告を発したものの反応も無くぶつかって来たそうです。 船員A(アントニオ・アル・アル・ジテン) いやー、人影も無かったよ。タコを捕ってたんだけどもよ。 保険も入ってないしみんなパーになっちまっただ。これからどうやって食っていけばいいんだか。 お、ねーちゃんいいケツしてるなぁ(サワサワ) 看護婦R(リンダ・ハミデトルン) この、ヘ・ン・タ・イ!バシ!! ピーーー(心電図反応無し)
病院からの映像でした。それではCMをどうぞ
ホットドッグの屋台 チョリソーにしてくれサルサソースをはみ出るくらいたっぷりで。 屋台の親父(サルサ・デ・カラムーチョ) よぉ調子はどうだい。まだ仕事にありついてないのかい。 この不景気じゃ当分無理だろう。 昼前になると必ずホットドッグを頬張りながら歩いてゆく彼の名はパーカーネイルズ この先で待ち受けてる運命をまだ知る由も無い。 発掘途中のまま忘れ去られた遺跡かつては文明があっただろうが瓦礫の山となっている。 何かが掘り起こされたような形跡。 博物館の館長をしているシュナイダー博士はここから色々なものを掘り起こしては持ち帰っていた。 半壊した異形の像など頭蓋骨。中には宝飾品らしき物もあった。 大雨で土砂が流れた際には大量の骨が埋まっていたのを発見した。 太古の昔に信奉されていた神殿があったに違いない。 ここには土の中から蛇が現れるという伝説がある。 ギリシャにもローマにもそのような伝説の記された話は無い。 蛇といえばメデューサといわれる伝説の怪物くらいしかない。 そしてその日を境にシュナイダー博士は失踪したという。 地元警察が捜査をし現場で溶けて変形した骨と肉の塊を発見した。 鑑識の結果は動物を薬品で溶かして燃やしたのではという結論で終わり、 博士は猟奇事件に巻き込まれたか何か別の理由で失踪したと見ている。 ネイルズは博士の娘に呼び出されていた。 銀行への借り入れも残っており管理しきれない博物館を売り払いたいという。 「ではこの書類を保管してください。後はこちらの書類を法的手続きに回せば終わりです」 ネイルズは博士の娘ソニア・ヴァレッリの自宅を後にした。 ネイルズは帰宅途中に危うく事故に巻き込まれる所だった。 鉄パイプの積荷を運ぶ車から鉄パイプが崩れ落ちてきて前方にいた車のフロントガラスを突き破ったのだ。 胸から顔面まで鉄パイプが突きぬけ首は千切れかかって通り過ぎる車を凝視していた。 それ以来、寝不足のように寝起きが悪い。 景気付けにラム酒を飲んだがむせてしまった。 港町を出て釣りでもする予定だったが砂埃が吹き荒れ港町は人影も少なく閑散としていた。 霧のように砂埃がひどいため帰ろうとしたが何かがやってくる。 ![]() 浮浪者なのだろうか恐ろしく大柄で年老いているが漁師なのだろうか。 泥人形のようにも見え時折ゲロを吐いている。 あんな男に絡まれたらただでは済みそうに無いし腕力には自信があるほうではない。 何か口に詰め込んでいる息づかいが聞こえる。 あっちの趣味は無い。 気味が悪いのでそ知らぬ顔でその場を後にする事にした。 後をつけて来るような気がする。日も暮れているので相手の表情まで伺えない。 足取りは遅いがあの男は確実にこちらに近づいてくるようだ。 裏路地の酒場に入ってやり過ごし足早に車に乗り込んでアパートに帰宅した。 さっき行った港町だろうかTVでは猟奇事件があったと報道している。 ショットガンかライフルで吹き飛ばされたような傷跡の遺体が見つかったという。 翌朝、ホットドッグの屋台 「ピザドッグを」 屋台の親父 お、豪勢だねぇ仕事にでもありつけたのかい。たっぷりサービスしちまうよ。 アンチョビとオリーブと・・・ケッパーをてんこ盛りにしとくか。 「おいおい、ネズミのフンじゃないだろうな」 新聞を手にしたらあの事件の記事が載っていた。 屋台の親父が笑った後に2人の男に呼びかけられた。 港町での事件で任意同行を求められた。断るわけにも行かないだろう。 アリバイがないためくそ汚い独房に収監されてしまった。厄日だ。 最近の警察と来たら容疑者は片っ端からブチこんで犯人にしちまう。 蛇口は水も出ない。子汚いベンチに寝そべった矢先に銃声が轟いたので飛び起きた。 「ついに地獄の扉が開かれたんだよ」 鉄格子から横の独房が覗ける。声はその主のようだ。 そこには年老いた老人が腰掛けている様子が伺えた。 老人は昔から地元を離れない漁師くらいしか知らない話を語った。 地獄の扉が開く時、眠らない死者はこの世界を支配する。 元々都会生まれなのでそんな話は聞いたことが無い。 手前の独房で騒いでいた男は何者かに押し入られて絶命する。 格子から覗いたその光景は異様だった。怪力で腕をもぎ取り、さらには獣のように食いついている。 しばらくして応援が来たのか警察署の表から銃声が鳴り続いていた。 物音がしなくなってからベンチを取り外し格子の扉を破り開けた。 扉の木材は古い。穴が開いてあっさりと開いた。 惨憺たる光景が広がっているが看守の席から鍵をとり隣にいた老人の独房を開けた。 心臓麻痺で老人は既に事切れていた。 外は暗く大雨が降り続け、電灯がチカチカ点いたり消えたりしている。 この近くにはソニア・ヴァレッリの自宅がある。 自分の自宅に帰るより状況が分かるまで立ち寄って泊めてもらったほうがよさそうだ。 ソニア・ヴァレッリの自宅 鍵がかかってない。もしやと思ったが彼女はいた。 事情を説明し泊めて貰うが化け物が入り込んでいてソニアは負傷した。 立掛けてある斧を手に取り怪物を窓際に押しやって押し出そうとする。 窓の大きなステンドグラスが割れギロチン式に怪物の首が切り落とされた。 棚に散弾銃があるというので取り出し彼女の手当てをし周辺の警戒をした。 コーヒーをいれ手渡されたシュナイダー博士が書き残した日記に目を通した。 外国の読めない文字も書かれていた。色々な図式や画も描かれている。 いつの間にやら眠り続けていた。 その頃ソニアの体に異常が起こり始め、肩口の傷はコブになり何かがトグロを巻いていた。 翌朝になり台所からネイルズが飲み物を取っているとソニアが現れた。 紫色になった血管が浮き出ている。 腕を伸ばして近づいてきた時にはネイルズの体にしがみついて来た。 もみあいになるがテーブルから手にしていた散弾銃の銃口を相手のアゴに向け化け物になったソニアを倒した。 床には頭の無い化け物の遺体が横たわっていた。 とっさの出来事でネイルズは状況を呑み込めなかった。 自宅に戻る頃にはゾンビ化した化け物が群がって警官隊とやりあっていた。 このアパートにも進入してきていた。 部屋から拳銃を手にしたネイルズはなんとか車に乗り込み博物館へ急行する。 この事件の騒ぎ、何か手がかりがあるかもしれないという直感があったからだ。 博物館は閉鎖されていたが窓を破り中に入る。 博士の書斎の周辺に大理石のタイルがズレた形跡のある床を見つけた。 飾り物の甲冑から槍をとりどかしてみると短い地下道になっていた。 その先の一室にはいくつもの樽が詰まれ科学薬品もあり何かを研究するための実験室のようになっていた。 標本には何の生物かもわからないような塊が浮いている。 2つの生物がくっ付いている奇形のようなものまで雑然と置かれている。 そして闇は嗅ぎつけてきた。 ![]() あれが何であるか判断するのにさして時間はかからなかった。 ソニアだ。 シュナイダー博士の残した日記にはこう書かれていた。 古代エジプトで信奉されたと思われる蛇神・ナハールラトホテップ 都を離れた神官一族がどこかの地でこの邪神を解き放つ事が出来る封印を残した。 何をきっかけで解き放たれたのか定かでない。 これに類似した怪物は世界各地に出没し伝説が残っている。 人間は神が創った食物なのだ。 供物を捧げよ。さすれば蔓延した疫病は消える。 ネイルズはアルコールランプをブチまけて一室を火の海にした。 それは神に対する人間の抵抗かもしれない。 ある一室でTVがついている。 傍らでは人が倒れ化け物が住人となっている。 ニュースをお伝えします。 戦略的な兵器の疑いが強まり民族浄化のための侵略戦争と見た各国に亀裂が生じました。 エジプトの核兵器により世界各国が反応し非常事態を招いてます。 それではCMをどうぞ
大戦が勃発し世界は灰となった。 僅かに異形の者達が徘徊した新しい世界に。 強いものだけが生き残る弱肉強食の末路である。 |
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| 生き返る |
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■あとがき■
つづかないぽ逆の発想でクトゥルー神話からS・キング仕込みに仕立てゾンビフューチャーに持っていった。 内容は安くて高い買物になるような結果にはしたくないですね。 B級ホラー映画では怪物1体で中身全然なってない別の意味で泣けるものが腐るほどあります。 設定だけ借りているのではアイデアも育たす物語作りの話にならないので。 この話は色々な基本を盛り込んでいるもののイメージが大部分違います。 著名作家の原作映画も多いですが本は分厚いのに映画だと中身薄っぺらなのは谷底へGO気分ですから。 映画化するのに別に作家名義借り兼用で小説原作でなくてもいいんじゃないのか?と思いますし。 トーンも含めて小汚い背景に鈍くて冷めてる役者を眺めるイメージとは違います。 いい気になってる映画もスカスカの映画も気分次第ですが怪物映画の作り手はまだまだで納得いきません。 まだまだの製作側は予算が数億あっても使い道が分からないでしょうね。 スティーブン・キング、クライヴ・バーカーが安い映画を作るのによく引き合いにされるが原作者泣かせ。 映画と小説のトーンやムードは違うものに変わり果てている。 原作者側が作品を預ける前に製作側の器量を読めないと完成後の批評レッテルは原作者に跳ね返るもの。 原作者がノータッチせず企画したほうがいいんでしょうけど。 これを書く頃にはそういう気持ちがありました。 DVDが見たいんだけど割に合わないちょっと待てというハウス意識。 さてこの話の因果関係は伏せて置きます。その気になれば夢で続きを御覧頂けます。 雰囲気は「ヘルハザード・禁断の黙示録」をご存知なら。 パーカー・ネイルズの職業は弁護士の設定。キャラにインスパイアされているものは無いです。 シュナイダー博士は異形の肉の塊になって犠牲になったか、失踪したまま続編への布石のどちらか。 邪神については新細胞で容積が元のソニアより多くデカイです。 人類を平らげる頃にはゴジラ並に大きい。ラストで吠えてもよさそうですね。 触れられた部分がもって行かれて無くなりますので遭遇したパーカーは瀕死でもいいでしょう。 ゾンビの箇所は具体的な描写を書いてませんので個人の想像あるのみです。 1つのホラー作品の中身を知った気分でも味わえればそれでいいかと思う。 |