スペースバンパイア |
(1985) LIFEFORCE LIFEFORCE-THE SPACE VAMPIRES 出演:マチルダ・メイ、パトリック・スチュワート いやー生気を吸取られるシーンが凄い迫力。肝を冷される感じ。これが原題であるLIFEFORCE コテっと干からびて転がっている死体がバタリアンのオバンバのメイクに似てる。SFなんだけどホラーより。 特筆すべきはカプセルに入っていた男女。宇宙人が地球のパンツ履くなよコラ。ハウリングばりの変身も迫力。 エイリアンとコレとどちらが強いだろうか。80年代のSFホラーでは製作予算しっかりしてる。パンツで1星減点。 最近期間限定でDVDが安くなったので観てみた。パンツはいてない・・・CGで修正しているみたいですね。 5.1サラウンドがスゴイ。キャストにはパッケージにはないが、名だたる演技派俳優が多く臨場感がある。 たとえば新・スタートレックのピカード艦長、X−MENにも出たパトリック・スチュワートである。大金を投じてヒットさせた作品だ。 マチルダ・メイの妖しい魅力はTVの洋画劇場番組ではもう放送されないだろう。 監督は「悪魔のいけにえ」から「ポルターガイスト」「スペースインベーダー」と監督をしたトビー・フーバー |
★★★★? DVD |
||||||||||
フライトナイト |
FRIGHT NIGHT (1985) 監督:トム・ホランド 出演:クリス・サランドン、ウィリアム・ラグズデール、ロディ・マクドウォール「猿の惑星」(1968)、アマンダ・ビアース ピーター・ビンセント、ヴァンパイアキラーだ!(誰あんた (笑) ヴァンパイアキラーピーター・ビンセントは「猿の惑星」(1968)でコーネリアスを演じたロディ・マクドウォールが演じてる。 そうそのTVに出てた人がチャーリーの隣人のヴァンパイア退治に協力するハメになる。 疫病神も毒牙にかかり僕となる。恋人のエイミーも毒牙にかかる。 ピーター曰く、陽が昇るまでにマスターを倒すこと。(なるへそって、おい) ハマープロ以来の官能と残酷シーンも兼ねてクリーチャー造型や特殊効果もツボを押えている。 良い点は3人の吸血鬼がまったく違う死に方をする。共通点は杭が武器となっている。 製作年・国くらいパッケージに書いてほしいもんだが。 別にコメディな部分はまったくない。それにしても世界にはヴァンパイアマスターって何人いるのかね。 ヴァンパイアだらけの映画も多いが今作ほどではない。2つ半まで★は妥協点。 十字架が効かない吸血鬼などゴキブリ退治もいいとこだろう。やはりツボがあるものは良い。 吸血鬼では珍しく獣から人間に戻る変身を描いている。 そのグロさから感じる点では「ハウリング」の変身プロットが起爆剤になっただろうか。 バタリアンやゴーストバスターズと似た感覚。 エンディングは歌が流れる後味。当時はサントラもヒットしていた。 |
★★★ DVD |
||||||||||
吸血鬼ゴケミドロ |
GOKE-BODYSNATCHER (1968) 出演:吉田輝雄、佐藤友美、朝倉かずみ、高橋昌也、高英男、楠侑子、徳安法子、加藤和夫、キャッシィ・ホーラン、 北村英三、山本紀彦、西本祐行 爆弾予告で管制塔から報告がありエア・ジャパン機の乗務員は客の荷物を調べる。 見つかったのはアルミケースに入ったライフルだった。カバンの無い乗客は隠し持っていた銃で機をジャックする。 鳥が旅客機にぶつかる現象が続き、光る未確認物体がニアミスした瞬間に旅客機は火を吹き不時着する。 機内の人間達がもめている最中ヒットマンはライフルを持出し乗務員を人質に脱出する。 ヒットマン寺岡は外で光る物体に引寄せられ消息を絶った。 どことも分らない場所から彼等は生還することが出来るであろうか。 やっとのことで脱出した乗務員はもはや手遅れとなった世界に光る物体を見上げた。 そして今まさに地球へと来訪する光る群が来ていた。 生物ゴケミドロは銀色の粘塊。人に寄生し血を吸うそれはただ人類を滅亡させるだけの行動。 用済となった肉体は土くれと化す。 政治家と企業、精神科医?にサイエンス学者と外人と自殺願望者というクセの濃い乗客。 オヤジがオヤジの首筋にチュ〜ってそれだけで( ̄□ ̄;)怖い リメイクしないと人形落下などや炎に包まれる場面はダサイ面があるが、役者陣は濃いので迫真の演技だ。 失笑してしまう場面もあるが中々面白い雰囲気を出す設定の映画だ。モダンな感じの高英男 氏。 精気の無い死骸のオブジェの場面といい何かを感じ取れる。 怪談映画によくあるライティングによる視覚効果と不気味な怪奇BGM。 水も無くエゴの極限状態に追いこまれたキャラクター達。 地球上全ての水分を得るのは唯一宇宙生物のみだった。ネタバレ解説有。 怪奇物。寄生するスライムやらUFOまで出る和製ボディスナッチャー。 色々な作りはシンプルながらラストの余韻が後を引く。 不時着した旅客機内での密室と野外での攻防。視覚のダイレクトな表現も纏まっている。 乗り移っているのは人間の体なのだから格闘シーンを入れると可能な範囲が限られ、 謎を追うサスペンスミステリーが削られる。 事の問題より自分達の事やら謎の大半を説明付けしてしまう趣向のため、 若干は消化不良気味の薄さがあるが劇中の吸引力が無さ過ぎる事もなく完璧過ぎる事もない。 何となく呆然とさせられる薄気味の悪さで後味の残る作品で見れば見るほどスルメを噛んでるみたいな具合。 ラストよりも中盤のクドさが印象に残ってしまうのが欠点だろうか。硬くてスルメの味しかしないとも言える。 何度も見重ねて考え込んだり退屈しても何時の間にかハマっている事に気づかされない。 航空機墜落の惨事を思わせるので人によっては好まれないかもしれない。 また悲劇と平和を訴える作品でもある。 あれだけいた乗客を他所に我侭放題の人物達。 パイロットと客室乗務員の男女が生き残るべく迷走し地球に光る円盤の大群が降る。 信じるべき人間が絶滅したかのように干上がる地球。ほぼ3部構成に見える。 客室乗務員の悲鳴はモンスターパニックにあるお約束を取り入れている。この頃からの洋画作品でも同じ方法は数多い。 催眠術療法の場面は他の和製怪奇物にもあるが、オカルトの悪用も危惧され以降は用いられなかった感じがする。 ちなみに宣材にあるような髑髏を模した映像はまったく別の箇所にしかない。 高英男の受賞歴も凄いが、菊池俊輔の作曲も特撮ヒーロー物やアニメまで網羅していて凄い。 この映画では深作欣二の映画を担当した津島利章のおどろおどろしい曲と通じているのが特徴。 両者共に同年代であるためかこの頃の映像作品で好まれるとされたイズムが垣間見えてくる。 御蔭で音楽とセリフだけでも十分に状況が飲み込める変わった一部分もある。 終盤は一室で静止したように身動きしない人々が絵画のような様子を醸し出している。海岸の巨石群も圧巻。 この映画で怪人を演じた高英男 氏は有名な歌手。 音楽家部門 歌手・俳優:紫綬褒章(1989年)勲四等旭日小綬章(1995年)の受賞者。 金子信雄 氏は料理研究家。 |
★★ DVD |
||||||||||
血を吸う箱 DVD-BOX |
幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形 Bloodsucking Doll (1970) 出演:松尾嘉代/小林夕岐子/中尾 彬/南風洋子/中村敦夫/高品格 野々村夕子がいる蓼科山中の屋敷を訪ねた男は行方しれずに。 圭子と高木はその痕跡を辿る。高木は真実を知る。圭子は深入りしすぎて地下室に閉じ込められ、 目が覚めたとき恐ろしい光景を目の当たりにする。 魂の抜け殻は人形を髣髴とさせる無機質のように美しい。 特撮世界においてこの不気味な怪奇ムードは流用されている。 俳優も脂がのりはじめていて若さが残っている。女吸血鬼も清楚な顔だちの女優で成功している。 1作目が雰囲気に濃厚な効果を用いて館での怪奇路線を十分に発揮している。 怪奇なんたるかはまずこれに学べという正統派。遠めに立つ死人に得体の知れない狂気が良く出ている。 早々と来訪者が訪れる図式が話のもたれる隙を与えない。 催眠術によって死を妨げられた末路を見届けた彼らは何を思ったのだろうか。 新しく作るなら川島なお美さん希望という感じ。 呪いの館 血を吸う眼 Lake of Dracula (1971) 出演:高橋長英/藤田みどり/江美早苗/岸田 森/高品格/大滝秀治 富士見湖畔のレストハウスにいる秋子と夏子の元に送り主のわからない箱が届けられる。それは棺桶だった。 幼い頃に夢見た恐怖が忍び寄る。夢とあの男の真相を探るため秋子の生まれ故郷へ。 そう異国から来た呪われた血脈が目覚めたのだ。 凶暴で荒々しい吸血鬼。この物語の吸血鬼のインパクトは強い。 江美早苗もコケティッシュな感じが残っている。暗い作品の中で花を飾っている。 由美かおるとよく似ている。もちろん西野バレエ団仲間だから持ち味に不思議は無い。 石森章太郎原作の「フラワーアクション009ノ1」でも共演している。 「新婚さんいらっしゃい」の初代アシスタントもしていたのを覚えている。 作曲家としても中里 綴で有名なので音楽関係の方も知っているはず。 2作目は範囲を広げて見つめられている金色の眼と原風景の絵画と過去のトラウマ。 ドラキュラのプロットで定着に無理が無い。生命力の賜物か死の間際はしつこい。 1作目と同様で催眠術が用いられる。「吸血鬼ゴケミドロ」にもある。当時の流行だろう。 血を吸う薔薇 Evil of Dracula (1974) 出演:黒沢年男/望月真理子/田中邦衛/岸田 森 東京から八ヶ岳山麓にある聖明学園に赴任した。 学園の後任者として呼ばれた経緯を聞かされた夜不思議な体験をする。 学園長夫人は事故に合い埋葬されていたが白木は恐ろしい体験をする。 野外でのオープンさや広々とした西洋式の学園内。テレビ映画フィルム時代の土曜ワイド劇場に近い。 吸血鬼伝説まで説明した田中邦衛が演じた役所がやられてしまうので惜しい存在。 手斧を投げつけられたり火掻き鉄棒で打たれたり吸血鬼も大変。 黒沢年男が演じる役は振り回されてテーブルを2回も折り唖然とした表情が耐えず緊迫。 プツリと折れた弦のような音や歌舞伎の怪談みたいな効果音も奇妙さを出している。 3作目は相手の懐に入り込んでいるので錯綜もしており一番見やすい特徴になっている。 監督:山本迪夫、70年代東宝の和製ゴシックスリラー ヒッチコックの鳥やハマープロのドラキュラなどを参考にした背景が垣間見える。 小道具やセットに至るまで調度品が行届いている。 驚かすという点でショッカーのごとく白い顔が全作に滲んでいる。謎を解くミステリーと恐怖というスリラー。 脚本家は後に77年からの土曜ワイド劇場で物語を執筆した。 天地茂、出演の乱歩シリーズにも影響を与えたと思う。BGMなどの効果音のトーンも似ている。 大道具・小道具から脚本家・音楽家など色々な映画会社に製作会社が多く関わっていたから不思議でもない。 3作目だと配役のせいか既にホラー映画から抜けきっている。 吸血鬼も黒目で2作目で岸田森が金色の眼の吸血鬼を演じたほどもムードに欠けるのが残念。 時期が空きすぎたせいで刑事もの推理とアクションのようだ。これじゃ続かない。 場面が悪く美術泣かせ。インテリ教師や刑事や女吸血鬼の配役もまるでダメ。 行き当たりばったりの完成度任せでは監督がイメージを描ききれない。 タイトルも薔薇とあるが一本だけでは印象に残らない。薔薇の庭園くらいはないと駄目だろう。 映画とTVドラマの水準の境目がなくなってきた頃だけに惜しい。 真鍋理一郎による音楽の演出も凛として場面を引き立てている。 ホラーコミック調のジャケットもすごく良いです。岸田 森のカンオケバンクは微妙です(汗) 日本語字幕有 |
★★★ DVD |
||||||||||
ラビッド |
RABID (1977) デビッド・クローネンバーグ監督 恋人とバイクに乗っていた彼女は事故に。皮膚移植をしたその体は異常な能力を備えつけた。 血を吸う以外の捕食は一切口に出来ない。病院から次々と狂暴な感染者が蔓延し戒厳令を敷く。 そんな周りのことに気づいた時には彼に諭され保菌者である自分の犠牲者が感染者となるのか 電話の向こうの彼は必死に懇願するが事態は遅すぎた。 もう用済となった彼女はゴミとして捨てられる。 美しい花にはトゲがあるならぬワキの下にトゲがある。新しいタイプの吸血鬼といえる。 リンゼイ・ワグナーやカトリオナ・マッコールを匂わせるマリリン・チェンバース。 クリストファー・ウォーケンに面立ちが似たえーとフランク・ムーアか? パッケージはまったく話中に出てくる別人です。 皮膚移植された1人の女から伝染し、抱きつき、噛み付き、ちょん切る、掘削機で貫通されると色々あり。 保菌者から二次感染した者は緑色のヘドを吐きながら襲ってくるという構図。 ホラー色よりは奇怪な侵略パニックと社会派シリアスドラマの見せ方。先が見えないものになっている。 グロでナンセンスな部分はいつもよりワンパターンなのですぐ忘れる。 病人が薬を求めるかのように苦しみだし獲物を求めては恍惚と絶頂を得る。 哀れな事に日陰の人生に落ちぶれた薬漬けの娼婦のような有様に進んでからは状況描写ばかりで目を見張る物がない。 医者と不倫して病気を貰って崩壊したという感じさえ受ける。 どちらにしても体質が変わってから尻が軽すぎるだけで終わっている。 その時点で注目する人物としての役目は無くなっている。ショッキングなラストを迎えるのがせめてもの救い。 さして重要ではないのか結果的に登場人物を持て余した感じもする。 クローネンバーグ監督お得意の「ビデオドローム」や「スキャナーズ」の様な雰囲気と驚かす描写は詰まっている。 ただサスペンスフルに物語を追跡できるだけの主軸が無い。 余所余所しくすぐ脇道に逸れて被害連鎖の映像描写に走る癖が出てしまっている。 1分弱ほどで小出しをしてくるのでインパクトや関心も薄く肝心の中盤で本筋が等閑。印象が薄いため忘れやすい。 全てにおいてすっきりした物が無く消化不十分。雰囲気はより一層退廃した不快を高めている。 簡単に言えば「スキャナーズ」を消化不良で終わらせたような感覚を味わったものと言える。 「スキャナーズ」が分からなければジメジメした薄暗い日にカタツムリが這っている様子とでも思えば良い。 女主人公と違い大量ではないが二次感染者達の方向性は「ゾンビ」に近い。 むしろ描き方からすれば「ナイトメア・シティ」と同じ類に属する。 感染者を始末し遺体を回収するのはガスマスクと白い防護服を着た者達。 |
★★★ DVD |
||||||||||
クロノス |
CRONOS (1992) 1992年アメリカ・メキシコ映画 時計職人の作り出した甲虫クロノス。 いつしか骨董店の手に渡り、彫像から発見した”それ”のネジを巻き作動させて手を怪我する。 店にその彫像を買求めてきた男に狙われる。その男のボスは不死の命を与えるクロノスを手に入れたがっていた。 注入される液体によって血液を欲するようになる。 純真無垢な少女と老人の関係。石灰のように青白く変貌する肉体。せつなさを感じる物語。 ホラーに頼った誇張が一切感じない。 時計師が作り出した錬金術とも言える金色のアイテムが良い。存在感は「ヘルレイザー」のパズルボックスに匹敵する。 映画の質はスペインやイタリアなどのカンヌ出品映画のようなフィルムに近い感じがする。 若干、映像がボケてる部分が年代の割に安っぽくて古臭い感じがする。 ギジェルモ・デル・トロ監督は後に「ミミック」の監督を担当するが個人的にはクロノスが良い。 |
★★ DVD |
||||||||||
吸血処女イレーナ 鮮血のエクスタシー |
(1973) EROTIC KILL LES AVALEUSES 1973年 監督:ジェス・フランコ 出演:リナ・ロメイ フランス=スペイン映画 監督:J・P・ジョンソン (ジェス・フランコ) 撮影:ジョーン・ヴィンセント (ジェス・フランコ) その女はエロで殺す・・・(汗) 霧の深い森から黒髪の妖しい女がリゾート地にやって来た。 その女の魅力に憑かれた者は快楽の後に血を吸われて殺される。 エロエロのハードコアです(汗)リナ・ロメイのみ実にムードある女優。他は大根にしか見えません(汗) ホラー要素は1%くらいかと。バンパイア退治も肩透しなのでストーリー性はどうでもいい感じがします。 作品自体は真面目に作られてます。お国柄お色気映画が多い時期。 |
☆☆ DVD |
||||||||||
新・死霊のえじき |
DARKNESS (1995) ヴァンパイア映画 陽のある時間は土中に隠れ、闇とともに暗黒そのものが町中の人間達の血を吸いそしてまた連鎖していく。 1人の若者が片っ端から犠牲者を始末するが仲間の身内に近づいた暗黒によって仲間を次々と失った。 陽が登りきる頃とも考えず猪突なヴァンパイア達は群れをなして襲ってくるが体が溶け穴が開き崩れていった。 古い感じに見えるが製作年代にしてはフィルムがタチ悪い。緊迫感があってよいのだが大分惜しい。 ブレアウィッチが魔女ならこちらはブレアヴァンバイア?ゴア的にはキツめだが画質悪くて意味がない。 テープの溝が見えてるしデジタル処理は皆無。(インディーズ系) |
☆? DVD |
||||||||||
アディクション |
THE ADDICTION (1994) 1994年作品モノクロ 監督:アベル・フェラーラ リリ・テイラー、クリストファー・ウォーケン、アナベラ・シオラ モノクロ映画(白黒映画) キャサリンは女に首筋を噛まれ性格が暴力的になり血を求めるようになる モノクロ用の映像撮影するなら当時のカメラを復元して使うのが一番ですがそうじゃないですね。 色彩を無くし哲学的な理性意識と戦争犠牲等の遺体映像に頼った気だるい雰囲気。 哲学に縛られ自我を見失う果てに神にすがりストイックな生き方を見出す。 ウォーケンが路頭に迷った吸血鬼の迷える子羊をアドバイスする役割で一節のみに現れる。 女バンパイアを主人公にした中では大げさな誇張が無くストレート。非常に淡白で黙々とした出来に仕上がっている。 凝ったシーンを作るアメリカンホラーではなくヨーロッパのドラマのようなアンニュイな描き方。 |
★★★ DVD |
||||||||||
稀人(まれびと) |
(2004) 監督:清水崇、出演:塚本晋也、宮下ともみ カメラマンが目にした深き世界からの女の姿をした生き物。 飼い慣らそうとし殺人にまで手を染め2人は深淵の場所に回帰する。 犬歯が異様な発達をしており血が餌になる。血を絞り出しペットボトルに保管して与える。 素っ裸には意外性を感じたけど顔のメイクや這った動きは「呪怨」か白虎舎ですな(汗) たまに殺害された女2人も幽霊のように出たり元々の仲間なのか変な生き物も街を這っている。 映像の本質はトリップムービーで早回しや走査線ノイズも多用している。 異世界描写に合成や本人の心情などナレーションを使用して感じさせるメッセージ面が生きている。 廃屋や廃墟、細い裏路地と崩壊し忘れ捨てられた遺物。 岩穴に裸の女が鎖に繋がれている”F”という何か分からない不明物体を装った呼称。 主人公を追っているカメラ視点。精神的にも分離しており意味不明さが無機質を臭わせている。 「タンポポ」の洞口依子並にむしゃぶりつくのはなんだか不気味。 2人の関係本質は監視に置かれた「飼育」であり一方的に求める物という描き方は無い。 最後は出会った場所で死に絶えるまでFの餌になるMと言ったところ。(裸の膝枕でハァハァってオイ) 薄い微笑を浮かべるFの無垢さとこれから死を迎える男が感じている狂気を映している。 とりあえずはクトゥルー系から本質を借りている。 2人の関係図を自己満足な妄想で描いており、なんかどうでもいい苛立ちがある。 しっかり巨大な遺跡や原始以前の邪神と畏怖される生物も描いて、 低予算を感じさせるさせないレベルではなく本物の映画として作るべき。 未知への探究心がアドベンチャー性も出さないと、 原作から抜き出した説明描写ばかりに頼ってしまうので映像映画としてB級にも及ばない。 サドマゾ的な殺人ビデオも「ビデオドローム」と類似が強くでてしまうので無用。 ただの殺戮へと変換する狂気だけでは満足しないし話の流れの期待も無い不満足感もある。 カップルへの取材というのもあったがFと主人公も単にイチャついてる恋人同士なのだろう。 そこから主人公が口の中を切ってまで血を与えるのは恍惚なのだろうが愛情描写は不要。 主人公がFに何を望んでいるのか男の欲望さえも無く鬼畜ぶりを損ねた上に言語の教えやFの研究もしてない。 発見したから部屋に置いておく物欲しかない無能ぶりが伺えるのでFの虜になる理由も無く共感できる面は無い。 観察力もなくカメラを手にしてウロウロ歩き画面を眺め空想しているだけの無能者が感じる狂気では伝わらない。 怖いのではなく単に羨ましい関係だなぁと思う独占欲だけの描き方。 脚本段階で自己規制による不用意さが出たのだろうか。 幽霊の姿が見えるのは異次元というより精神分裂気味な噛み合いでマッチしてない。 これならクトゥルーなど知らない人が普通に見れば殺人と飼育癖の妄想影響を与えるだけの危ないビデオである。 その点において描くべき足りない物がいくらか欠如して横道に逸れている。 クトゥルー系に期待しているのは殺人でも幽霊でもない。本質では無い部分を長々とやり過ぎ見せられても違う。 造型に手をつけなかったのがこの結果。分裂や触手化や内臓化くらいの変化が無くては始まらない。 融合の面は一応あれだけで考慮できる。異世界の遺跡等にでも同化してしまっても良いだろう。 特にトンネルを降りていくに従って深淵部が内臓化して行ったり部屋が内臓化しないと。 最後の描き方は良いにしてもどうせなら主人公が鉄男並に異物化(視肉・餌)してしまってからとも思う。 つまり少女の犬歯の活用をするには吸血だけではペットボトルだし赤子のようでイマイチ違う。 獣のように肉をバリバリ頬張らんと原始を感じさせないからだ。 ましてや血の餌が正しいのか疑い深い描き方で本能の目覚めの描写にならない。 街では同類の”デロ”達が餌を求めて徘徊しているが吸血では遺体が残るので説得力が無い。 空想の範囲外で辻褄が合わないのではこちらも楽しむ面で納得し難い。 原作をそのままセリフ付けする脚本に下ろすのではなく脚色を盛り込んで試行錯誤が良い。 韓国の学生ホラーに勝たないとBSドラマ並ではシャレにならない。 また事件を起したやつが現場でカメラを回したり監禁に見えるだけの構図はリアルな事件が多い昨今戴けない。 アイデア面が元々乏しいので荒削りで実験的に挑戦しているのと別に見る側への配慮に欠ける。 宮下ともみの演技はとてもよかったが主人公役についてはカリスマ性を感じる主人公がほしい。 ボリューム不足で躍動する緊張感も無く終始脱力ムードのまま。 唯一の楽しみがキモ可愛いFと結論に至るので異世界でFの生態を延々と撮影していた方がマシだったかも。 出演者やスタッフの多さを見て意外に思ったが中身では感じない。 塚本監督にはもう1回妖怪ハンターでジュリーをひっぱり出して来てほしい。 と同時に清水監督にはクトゥルー系を再度、特撮のSFXを駆使してボリュームを上げてほしい。 出来が惜しいのでサブ邦題は「地底吸血少女飼育」がぴったりと皮肉っておく。 |
☆☆☆☆ DVD |
||||||||||
雨の町 |
(2006) 原作:菊池秀行 デラックス版 35年前に失踪した子供達が帰ってくる。 しかし村の大人達は複雑な心境ながら人間ではない子供達を忌み嫌っていた。 「ここはお前の来るところじゃない」彼らは悪鬼であり豹変して牙を剥くのだ。 ある男は役場の女性に案内された。 座敷童子、天邪鬼伝説を絡めている。 男の子は目が真っ黒で牙を剥く。エクソシストのように壁に背面で張り付いたり。 喉笛を噛み切ったか血を吸っているかは不明。2本の歯型のみ。 女の子は表情が豹変すると黒髪が異様に伸びて生き物のように蠢く怒髪天。 攻撃性は敵意に関係がある。カマボコみたいで叩いても結局は死なない。 中身が空洞のように虚ろ。成長せず時間が止まっている。 35年前の失踪が何なのか何故こうなってしまったのか不明瞭。 そういう事から察すると人の記憶から忘れ去られたら現れない蜃気楼のような存在だろうと思う。 人の中に紛れ込み優しさと温もりを求めても遠ざけられる悲しき存在。 主人公は狙われる彼らを匿ったため好意を持たれた。 橋から落ちたり屋根からカサコソ動くのは奇妙〜な感じだ。 糸きりハサミや漬物樽で倒そうとする。淡々としてローカル色が滲み出る。 爺っちゃん婆っちゃんが悲しみを堪えながら倒そうとするが迷いが生じる葛藤がある。 人が死んでも手が付けられておらず迷走する事件性が失われている。 大人の生臭いシーンを見ちゃった子供というシーンは必要が無い。 何かいるじゃなくて主人公のトラウマでしたというものなのだが。鼻につくキャラ手法は必要ない。 小説のお約束なら数ページ分はねっとり描写されるサービスだしこの作品のセンスとは不釣合い。 スコップ持って出てくるのは脈絡の無い場面。カットの捕らえ方が悪く大根臭く映り邪魔。 傾斜の下から息を荒げて出てきたほうが様になる。 ラストの一室も一発殴ってドングリ見せるだけなので先の物語が不安定になって分かり辛いし狭苦しく邪魔臭い。 子供が通り過ぎてドングリが足元に転がって振り返ればいいだけ。 地味な手作り感覚なので映像演出効果の感覚がテンポとして若干必要。 霧や雨を多用してジメっとした湿度を高めた方が似合う。 予告編と違い劇中の印象は音楽でテンポと温度差が濃く出てないので引っ張れずまったりしているだけ惜しい。 サスペンスやファンタジックな物に近い余韻が残るがサバけたメリハリが足りずセンスが滲み出ず損してる。 モグラ叩きをしようの一本。 |
☆☆☆☆☆? DVD |
||||||||||
怪談生娘吸血魔 |
Atom Age Vampire (1960) 交通事故でジャネットは顔半分に火傷の怪我を負う。 ダンサーにとって致命傷で生きるのを諦め拳銃まで用意していた。 レビン教授らが作った新薬により元の顔に戻るが、痛みや皮膚の症状が戻ってしまう現象が起きた。 薬の在庫は切れ、新しい薬を作るためにレビン教授は怪物となって犠牲者を求める。 別れたピエールと再会したジャネットにも2人の仲を止めようとする魔の手が及ぶ。 60年代特有の込み入った事情の描き方をしている。 タイトルや警官のセリフでもゴリラと言っているので、むしろ美女と野獣の関係。 吸血鬼ではなく、一連のケースを欲望と邪悪に置き換えて、薬で怪物になるパターンを入れている。 特殊メイクのシーンは古典的なコマ送りで再現している。 演出が50年代並に単調。教授が怪物に変身した後は注目するシーンが少ない。 ラスト手前まで男女の喧嘩程度なのでやや面白味に欠ける。作品独特のセンスも無い。 モニークが居なくなってから張りが無くなった感じがある。刑事も登場するが重要性が無い。 口が聞けない使用人サーシャだけは一番味がある。 |
★? DVD |
||||||||||
インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア |
Interview with the Vampire 1994年 出演:トム・クルーズ、ブラッド・ピット、キルスティン・ダンスト、クリスチャン・スレーター クリスチャンスレーターが主役でブラッド・ピットに取材するような流れです。 取材した側も噛まれて吸血鬼に。 それで吸血鬼はようやく死ぬことが出来る。バトンタッチのようなものですね。 |
★★ DVD |
||||||||||
ブレイド |
Blade 1998年 出演:ウェズリー・スナイプス、ウド・キア、トレイシー・ローズ マーベル・コミック原作。 吸血鬼一族の規律に従わなかった者達は海岸線に昇った太陽で消滅する処刑。 吸血鬼ハンターのブレイドも吸血鬼に。一族の殲滅。血清の入手。母親の救出。と難題が多い。 ブレイドの母親は年をとっておらず年齢が同じという奇妙な設定。 日本刀を振り回す曲芸演舞など。重いはずなので素人では真似できない。 ウド・キアは「処女の生血」 Blood for Dracula 1974でドラキュラ伯爵を演じてることもあって本作の映画に出演してる。 トレイシー・ローズの出演は分かり難いが、 70年代ポルノクイーン時代に年齢を偽っていただけに若さで人気があったが、 若さと名前が覚えやすいだけで出演したポルノ映画自体は評価できるものではない。 当時のポルノ映画の衣装はタンクトップにハーフパンツなどで垂れ気味のロケット型の胸である。 後にチョチョリーナ(シュターッレル・イロナ)、プレイメイト、ペントハウスなどの美女が多くなると、忘れ去られた感じがある。 |
★★★ DVD |
||||||||||
霊幻戦士 キョンシーズ |
(Vampire Warriors ?屍新戰士) 2010年 ワイヤーアクションとカンフー多用と「仮面ライダー」アクションみたいなものです。 美人が多いです。 1人アニメキャラクターのような顔と化粧の人がキョンシーに服をどこで買ったか尋ねられるシーンで2人の人間側にいます。 冒頭からゲロです。 キョンシーハンター主人公は昔風の美人顔。 つまり香港映画では真面目な顔ができないと駄目なのでしょう。 キョンシーハンターとキョンシー。 キョンシーを食べるキョンシーがボスで衣装も昔のキョンシー。 キョンシーハンターがキョンシーになり再度戦いへ挑む。 カンフーの種類は分かりません。 ワイヤーアクションで重力の概念が表現されないので。 ワイヤーアクションで逆立ちや逆さま腹筋など意味不明だが。 「鬼武者」の「みのおやじ」のように逆さま蓑虫のように登場する場面も。 ヴァンパイアのキョンシー。 1500年生きていると中年。200年生きてると中年。 ヴァンパイアのキョンシーは感覚を感じないとされている設定。 しかし心臓や太陽の光には痛みを感じる設定。 寝るときは蝙蝠のようにぶら下がって寝る設定。 ベテランのキョンシーは棺桶で寝る設定。 香港映画なので女性用のホラーコメディ風。 セリフがアメリカ映画並みにブラックジョーク。 「血より男の股間を吸うほうが」「お前らはレズビアンか?」というジョークがある。 カンフーアクションは良い。しかし映画として内容と順番が何か足りないので満足するには難しい。 ヴァンパイアに杭を刺して倒されるときにCGもあり低予算ではない。 ゲームソフト Demon's Souls{ DARK SOULS のボスが倒されて音とともに煙になる方法の演出と似たような作り。 ワイヤーアクションと破壊される人体を傷つけない造形ブロックや飴のガラスなどは「仮面ライダー」シリーズでも使える。 『霊幻道士』(原題:?屍先生、英題:Mr.Vampire)1985年 日本での公開は1986年4月26日で観客動員数20万人。 『幽幻道士(キョンシーズ)』(原題『?屍小子』)1986年 香港でキョンシー映画は大勢には知られてない。 日本ではティンティン/ティン(任??)出演:ムーン・リー (李 賽鳳・Moon Lee、)香港の女優が知られてる。 日本での発音はテンテン(TENTEN)で親しまれてる。 albatros-filmのような低予算映画と同等の扱いのジャンルでは香港映画なら質は大丈夫。 ネズミとうさぎは本物を撮影してから血を飲むシーンは人形の「ぬいぐるみ」を使用。 本物の豚を撮影してから本物の豚を殺さず豚を殺すシーンで収録された豚の悲鳴の音を聴かせる手法は駄目。 2010年以降、映画では本物の動物を撮影してから人形を使ったりしても、 結局は動物虐待を促すシーンが多いので。 ハリウッド映画の真似をした若者ギャング同然の犯罪役の登場人物が無いのは良いです。 |
★? DVD |
Come Back |