東京都府中市寿町1-1-3 三ツ木寿町ビル8F 
TEL:042-358-2255  (京王線府中駅前)


生理不順、下腹痛、避妊、性感染症、婦人科がんの不安、月経痛、月経過多、不正出血、
帯下(おりもの)の異常、かゆみ、頻尿、尿漏れ、子宮脱、更年期障害、
性交痛などで悩んでおられる患者さんも数多くいらっしゃいます。

当クリニックは、適切な治療で快適な生活が営まれるようになっていただくのも目標の一つにしています。
お気軽にご相談下さい。

      
      子宮がん検診
      子宮頸がん予防ワクチンの接種
      妊娠の確認や異常出血
      低用量ピル(OC)
       緊急避妊ピル
      性感染症検査、治療
      帯下(おりもの)の異常、かゆみ
      頻尿、尿漏れ、排尿障害
      子宮脱、子宮下垂
      月経異常
      排卵障害
       閉経後の出血
      更年期障害とホルモン補充療法
      自費診療






  子宮がん検診を常時受け付けております。
     
赤澤クリニックは、府中市が公募して毎年夏と秋に行う子宮がん検診や、
厚生労働省が推進する無料クーポン券による子宮頸がん検診の指定医療機関です。
それ以外にも子宮がんや卵巣がんなどの検診や診察は随時行っております。
症状があればもちろんですが、なくても受診されることをお勧めしております。

    ※ 【検診】とは症状のない方が特定の疾患の有無を検査することを言います。
    その場合保険適応外であり、府中市など自治体等の検診を除き自費扱いとなります。
    出血などの症状があればそれに応じて保険適応となります。
    詳しくはお電話か受診時にお尋ね下さい。


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   最近、子宮がんが増えています!

女性では乳がんに次いで多い子宮頚がんの死亡率は、子宮がん検診の普及で急激に低下してきたのですが、
1990年頃から増加傾向に変わってきました。

子宮がん検診の受診率が伸び悩んでいること、子宮がん検診への認識不足などがその要因と思われます。
日本では子宮がん検診の対象年齢婦人の25〜30%しか検診を受けていないとのデータがあります。
ちなみにアメリカは70〜80%受診しています。

子宮頸がんは最近20歳代で発症する人が急増しています。
日本の最近の統計では、年間11,000人が子宮頸がんになり、約3,500人が亡くなっています。
年齢別にみますと35〜39歳が最も多く発症しています。

子宮がん検診で発見される子宮頸がんは上皮内癌というきわめて初期のがんが半数を占めています。
早期発見により子宮を温存することが可能になったり、比較的小さな手術で軽快することから、
定期的な受診が早期発見に結びつき、
その結果子宮がん患者さんのQOLが損なわれなくて済むことにつながります。
* QOL(quality of life): 生活の質

若いご婦人は子宮がんは関係ないと思われているかも知れませんが、そうではないのです。
20歳になったら子宮がん検診を受けられることを強くお勧めします。
(がん検診検討会では子宮がん検診開始年齢を20歳に引き下げております) 

区市町村で行う子宮がん検診でなくとも、どこの婦人科でも子宮がんの検査は行っております。
もちろん赤澤クリニックでも行っております。

* 子宮がんには子宮頸がんと子宮体がん(子宮内膜がんともいいます)の2種があります。
頸がんの発生頻度は体がんのおよそ3倍です。
子宮体がんは閉経後の婦人に多く発症しますが、閉経前の婦人でも月経不順であったり、
不正出血があるようであれば、検査を受けられたがいいでしょう。


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 子宮頸がん予防ワクチンを接種しております。

子宮頚がんはヒトパピローマウイルス(HPV)の一種(高リスク型HPV)の持続感染により発症します。
このウイルスの感染経路は殆どが性行為による接触感染です。

HPVは感染しても多くは自然に排除されますが、
高リスク型HPVの感染が長期間持続すると、
数年から十数年を経て前がん状態(異形成)、がんへと進行します。

高リスク型HPVは15種類ほどありますが、
日本では20〜30歳代で感染する高リスク型HPVの約8割がHPV16型と18型です。

HPVは特別な人だけに感染するのではなく、誰にでも感染する可能性があります。
性活動の盛んな20〜30歳代に感染の機会が多く、そのことが若年女性の子宮頸がん発症率の高さと関係があるといわれます。

日本でも2009年12月22日から子宮頸がん予防ワクチンの接種ができるようになりました。

2021年3月現在,子宮頸がん予防ワクチンはサーバリクス、ガーダシル,シルガード9の3種が使用できるようになりました。

ガーダシル,シルガード9は尖圭コンジローマを引き起こす6,11型のHPVに対する感染予防効果が付加されています。
尖圭コンジローマそのものを治す効果はありません。

これらのワクチンは、すでに今感染しているHPVを排除したり、
すでに存在する子宮頸部のがん、前がん病変を治す効果はなく、
あくまで接種後のHPV感染を防ぐものです。

ウイルスが体に侵入してきた時にいち早く反撃するために、
あらかじめウイルスに対する抗体をつくらせておくわけです。

サーバリクスは初回、1ヶ月後、初回から6ヶ月後の3回、ガーダシル,シルガード9は初回、2ヶ月後、初回から6ヶ月後の3回肩の筋肉(上腕の三角筋)内に注射します。
3回接種により、抗体が十分に体の中で産生されます。
このワクチンはHPVの遺伝子(DNA)を含まないため接種してもHPVに感染することはありません。

接種後、少なくとも20年間は有効であると推定されています。
つまり子育て期の子宮頸がんはほぼ予防できることになります。

これらのワクチンは子宮頸がんの原因の多くを占めるHPV 16型と 18型,シルガード9はさらに5種のウイルスの感染を防ぐことができますが、全ての発がん性HPVの感染を防ぐことができるわけではありません。
子宮頸がんを完全に防ぐためには、子宮頸がんワクチンの接種だけではなく、
定期的に子宮がん検診を受けることが大切です。
ワクチン接種後も、1〜2年に1度は子宮がん検診を受けるようにしましょう。

ワクチン接種はHPVにまだ暴露されていない10歳以上14歳までの女性が最も効果的ですが、
15〜45歳までの女性も費用対効果が高く、接種が推奨されます。

赤澤クリニックでのワクチン接種費用はサーバリクス、ガーダシルで1〜3回とも各々17,450円,シルガード9で1〜3回とも各々33,000円です(消費税込)。
現時点では保険は使えません。

中学1年生〜高校1年生の女子を対象とする公費負担によるワクチン接種が始まっています。
当院でも接種をしますので、お問い合わせ、予約を受けております。


ワクチン接種でがんの予防ができる時代となったのです。
女性に2番目に多い子宮頸がんが予防できるとはなんと素晴らしいことではありませんか。
これは画期的なことなのです。


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 妊娠したかどうかの確認や異常出血の診察は行っております。 

産科的な出血であれば他院を紹介することがあります。
婦人科的出血(正常月経以外の出血)であれば当クリニックで対応します。
婦人科的出血には炎症、外傷、腫瘍、ホルモン異常など様々で、年齢によっても疾患の特徴に違いがあります。
異常出血があれば早急に受診しましょう。

なお妊娠の診断は行っておりますが、妊婦検診やお産は入院施設がないことなどにより、
取り扱っておりません。
中絶手術も行っておりません。


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 低用量ピル(OC)を処方しています。

低用量経口避妊薬をピル、、最近ではOC(Oral Contraceptives)といっております。 
他の避妊法に比べはるかに高い避妊効果がありますが、
それ以外にも月経に伴ういろいろなトラブルの改善にも用いられております。

OCは月経不順、過多月経、過長月経、月経痛、月経前症候群(月経前のいらいら、頭痛など)、
肌荒れ、にきびなどの症状改善にかなり効果があります。
すなわち月経が正順(28日周期)となり、月経前のいらいら、頭痛などが軽減ないしは消失し、
ニキビや肌荒れが改善し、経血量が少なくなり、月経痛が軽減ないし消失し、月経期間が短縮します。
OCはこれらの症状に対する治療薬の選択肢の一つとして強くお勧めできる薬です。

OC使用者の多くが「今まで服用に不安があってためらっていた。なぜもっと早くから服用しなかったのか。」
と感想を洩らされます。
赤澤クリニックでは、避妊を目的として服用している方より、月経に伴う障害の改善のために服用している方が多いのです。

女性が月経に伴うトラブルのため日常生活や仕事に対し、かなりのハンディーを抱えていることを
婦人科医として長年憂慮していました。
何故女性ばかりこんな苦痛を受けなければならないのか、憤りすら感じておりました。

確かに月経に関する諸症状は鎮痛剤や漢方薬などである程度は抑えられますが、
OCにより、それらでは得られなかった症状の改善や快適な日常生活が多くの女性でみられています。

OCを服用するとがんになるのではないか、血栓症になるのではないか、太るのではないか、
その他服用に伴ういろいろな副作用を心配される方が多いのも事実です。

太るのではないかと心配される方も多いようですが、OCの薬理作用には太らせる作用はありませんが、妊娠の不安や痛みから解放されたり、貧血の改善などが体調を良くし、そのため食欲が増すことはあります。その場合は甘い物を控えたり、運動をすることで、
体重を維持する必要があります

副作用のない薬はありませんが、OCは起こりうる副作用に比べ、圧倒的に大きな効果を得ることができます。
服用に際しては服用の仕方や副作用などを説明し、了解をいただいてからお薬をお渡しします。

OC投与開始時の婦人科診察(内診)は必須検査ではありませんが、
症状によっては婦人科診察を受けられた後OCの服用を開始されるのがよいと思います。

処方に際しては簡単な問診、血圧測定などを行います。
OCは保険適応外の薬ですので自費扱い(1シート3,000円、ジェネリックは1シート2,800円)となります。
1回にお渡しするシート数はご希望に応じて1〜6シートです。

赤澤クリニックではマーベロン28とそのジェネリックであるファボワール、
トリキュラー28およびアンジュ28とそのジェネックであるラベルフィーユ、をお渡ししております。

なお、初回お渡し時にのみ服用に関する説明料として2,050円を加算させていただきます。


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 避妊緊急ピルを扱っています。

避妊しなかったり、避妊に失敗した場合の妊娠を回避するための女性ホルモンを
緊急避妊ピル、アフターピルなどといっておりますが、
性交後72時間以内に服用し、その12時間後に同じ薬を再度服用するプラノバールと
72時間以内に2錠(1回のみ)服用するノルレボおよびそのジェネリック薬品があります。
ノルレボおよびそのジェネリック薬品はが嘔気、嘔吐の副作用がほとんどない薬剤です。

完全な避妊効果はありませんが90%以上の効果があるといわれています。

服用の必要性を確認し、服用に関する説明を行い、同意を得て薬剤をお渡しします。
自費扱いでプラノバールは5,100円、ノルレボは12,950円(ジェネリックは8,000円)いただきます。


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 性感染症検査、治療:クラミジアなどの性感染症に注意を

クラミジア感染症は性感染症の一つですが、最近特に拡がりを見せています。
初期は無症状か帯下がやや多い程度ですが、お腹の中にクラミジアが侵入しますと
腹腔内の癒着を生じさせ不妊の原因となったり、
肝周囲炎を起こし突然上腹部の激痛をみることがあります。
激痛のため救急処置として開腹術が行われることもあるくらいです。

妊婦が感染しますと産道を介して新生児に感染します。
性交渉のある女性は少なくとも年1回の検査をお勧めします。
検査は子宮の入り口から綿棒で検体をとるもので、痛みは全くありません。
治療はマクロライド系抗生物質を服用します。

大事なことはパートナーも同時に治療を受けることです。

ところで淋菌感染症も見逃すことのできな性感染症です。
頻度としてはクラミジア感染症より低いのですが、同時に検査することをお勧めします。

クラミジア検査は迅速検査が可能ですので検査後15分程度で結果をお話しできます。

また尖圭コンジローマも決して少なくない性感染症のひとつです。
膣入口や肛門周囲に小さなぶつぶつが多発する病気です。
今まで外科的切除や冷凍術や保険適用のない薬などで治療しておりましたが、
2007年12月から保険適用の薬剤が使えるようになりました。

これら性感染症の診断と治療は保険扱いが可能です。


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 帯下(おりもの)の異常、かゆみ
は婦人科疾患のサインです

帯下の異常には、量の異常、性状の異常、かゆみの有無、臭いの有無など原因によりさまざまです。

月経以外の時期にある血性の帯下は【不正性器出血】といい、炎症、ホルモンの異常、ポリープなどの良性疾患、
がんなどの悪性疾患などさまざまな原因があります。早めに受診し診断に基づいた治療を受ける必要があります。

血性の帯下以外では感染症(カンジダ症や性感染症など)や女性ホルモンの低下によるものなどがあります。

これらの症状は重大な疾患のサインであることもありますが、そうでなくても著しく不快感を感じさせます。

いずれにしても早めに受診してください。


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  頻尿、尿漏れ、排尿障害は婦人科疾患が原因のことがよくあります。

膀胱は骨盤の下方、子宮の直ぐ上に位置しておりますので、
婦人科臓器の異常(子宮や卵巣が腫大していたり、子宮を支える筋肉が緩み子宮が下がっている等)が膀胱機能に影響し、
排尿に関係する不快な症状を現すことが多いものです。

婦人科診察を受けることをお勧めします。


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 子宮脱、子宮下垂をご存じですか?

子宮が下がっている感じがする、下腹部に不快感がある等の初期の状態(子宮下垂)から、
反転した腟壁を表にして内側に子宮や膀胱を入れたなすびのようなこぶが
腟入口から外側に突出している高度な子宮脱(全子宮脱といいます)まで様々ですが、高齢婦人に多い婦人科疾患です。

子宮を支えている筋肉(靱帯)が緩んで伸びてしまうことにより発症します。
不快感、歩行時違和感、頻尿、尿失禁、排尿時違和感、尿閉(これはかなり重大な症状で、腎臓障害の危険があります)、脱出した子宮や腟壁の乾燥・出血・潰瘍形成・感染など程度により症状は様々です。

ところがこのような症状があっても婦人科医を受診する婦人はあまりいません。
子宮脱で来られた患者さんに「どうしてこんな状態になるまで放置していたのですか?」と尋ねますと、殆どの方が「恥ずかしくて周囲の人にも相談できなかった。意を決してやってきました。」と言われます。

子宮脱・下垂は高齢婦人ではまれでない疾患です。
お産と関係があると言われていますが、必ずしも分娩経験がある婦人のみの病気ではありません。

軽い症状の場合(子宮下垂)は、漢方薬や腟内にリングを挿入し脱出を防止する保存的治療法が採られます。
高度な場合(全子宮脱)には手術療法が主体となります。

腟内へのリング挿入は、腟壁を傷つけることが避けられません。
そのため性器出血や膿性のおりものが問題となります。
そこで定期的にリングを外す期間を設ける必要があります。
この問題を改善する方法としての使用もあります。
腟内にリングを入れるのではなく、腟の入り口に半球状の【あてもの】をあてます。
さらに日中のみ使用し、就寝中は外しますので腟壁の損傷はほとんどなくなります。
「フェミクッション」は保険適応ではありませんが良好な経過が見られることがあります。

手術では子宮を摘出し、子宮を支えている筋肉のゆるみを修復します。
手術は比較的安全で、かなりの高齢婦人でも多くは可能です。
一人で悩まずに是非受診して下さい。
保存療法で快適な日常生活に戻った方が多いのです。
手術が必要と判断されたら手術可能な病院を紹介します。


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 月経異常は正常月経を知ることから

月経とは【通常約1ヶ月の間隔で起こり、限られた日数で自然に止まる子宮内膜からの周期的出血】です。
月経異常には
(1)月経周期の異常、
(2)経血量の異常、
(3)月経持続日数の異常、
(4)月経に伴う諸症状、
(5)無月経
 があります。また月経との区別が付きにくい
(6)機能性子宮出血もあります。
これらの概略を次に述べます。

(1)月経周期 … 月経開始日から次回月経開始前日までの日数を月経周期日数といい、
    28〜38日で、その変動が6日以内を正常としています。
  頻発月経 : 月経周期が短縮し、24日以内で発来した月経。
  稀発月経 : 月経周期が延長し、39日以上3ヶ月以内で発来した月経。
  不正周期 : 上記正常周期に当てはまらない不規則な月経周期。

(2)経血量 … 一般に経血量は20〜140g、平均50〜60gとされています。
  過多月経 : 経血量が異常に多いもの
  過少月経 : 経血量が異常に少ないもの

   経血量の多少は把握できにくいものですが、はっきりしない場合は、月経血に固まり(レバー様)があったり,
  他に原因がなく貧血があるようだったら過多月経を疑ってよいでしょう。
  また原因不明の鉄欠乏性貧血があれば過多月経も疑ったがいいでしょう。

(3)月経持続日数 … 正常は3〜7日です。
  過短月経 : 出血日数が2日以内のもの
  過長月経 : 出血日数が8日以上続くもの

(4)月経に伴う諸症状 … 月経困難症と月経前症候群(月経前緊張症)に大別されます。
  月経困難症 : 月経期間中に月経に随伴して起こる病的症状です。
           下腹部痛、腰痛、腹部膨満感、嘔気、頭痛、疲労感、脱力感、食欲不振、,いらいら、下痢,憂うつなど。
  月経前症候群(月経前緊張症) : 月経前3〜10日の間に続く精神的,身体的症状で,
           発来と共に消失ないし軽減します。
           いらいら、のぼせ、下腹部膨満感、下腹痛、腰痛、頭重感、怒りっぽくなる、
           頭痛、乳房痛、落ち着きがなくなる、憂うつなどの症状があります。
           月経困難症に比べ精神症状と乳房症状が多いのが特徴的です。
           むくみや体重増加を訴えることもあります。

(5)無月経 … 生理的無月経(初経以前、閉経以後、妊娠・産褥・授乳期の無月経)は当然治療の対象外ですが、
  病的無月経が治療の対象となります。 

  それには、原発性無月経(満18歳になっても初経がみられないもの)と、
  続発性無月経(これまであった月経が3ヶ月以上停止したもの)があります。

  無月経、稀発月経等の月経異常は排卵障害と密接に関係があります。
  
(6)機能性子宮出血 … 子宮筋腫や子宮がんなどの器質性子宮出血を認めない子宮からの出血を言います。
  多くは女性ホルモン分泌異常によりますが、内科的疾患(血液疾患,肝疾患など)や
  抗凝固薬などの薬物によることもあります。


これらの月経異常は卵巣機能障害に起因する場合が少なくありません。次の項で説明します。


月経異常以外の出血(不正性器出血)と月経異常による出血は診察しないと分からないことが多いものです。
そのため、問診、婦人科診察・検査、内分泌学的検査が必要です。



月経異常に対する検査結果により診断を確定し、それに応じた治療を行いますが、
内分泌的疾患であれば、診断的治療を含めたホルモン投与などが行われます。
また体重減少に伴う無月経であれば内科・精神科の医師と相談しながら治療することもあります。

低用量ピル(OC)も月経異常に効果的な治療法の一つです。

月経前症候群や月経困難症は若い女性の快適な生活を著しく阻害するものです。
市販の鎮痛剤で痛みを抑えるだけでなく、その背景にある疾患の有無を診断し、診断に応じた治療をすることが大切です。
この領域の薬の開発は目を見張るものがあります。 是非診察を受けてください。


昨年より子宮内黄体ホルモン放出システム(ミレーナ)が過多月経と月経困難症に対する治療として、
保険適応になりました。避妊用子宮内リングと同じように子宮内に入れるものです。
過多月経で貧血になっている方、月経痛でお困りの方はご相談下さい。

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 無月経や稀発月経などは排卵障害と密接な関係があります。

月経異常、不妊、不育の原因として排卵障害は大変重要な疾患です。
よくある排卵障害としては次のようなものがあります。

(1)高プロラクチン血症 : 下垂体からの分泌されるプロラクチンという乳汁分泌ホルモンが異常に増加するために起こる排卵障害で、
殆ど乳汁分泌を伴います。下垂体の疾患以外にも薬剤による場合があります。
原因となる薬剤としては降圧剤、向精神薬、抗うつ薬、制吐薬などの一部が挙げられます。

(2)視床下部性排卵障害 : ストレス(心因性)に因るもの、運動選手無月経や摂食障害(無理なダイエットなど)による場合があります。

(3)多嚢(のう)胞性卵巣症候群 : 卵胞刺激ホルモン(FSH)は正常値を示し、黄体化ホルモン(LH)が高値を示します。
超音波検査で卵巣に多数ののう胞がみられます。
体毛が濃くなったり、にきびができるなど男性化症状がみられることもあります。

(4)早発卵巣障害 : 40歳未満で無月経となり、女性ホルモンが低下します。

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  閉経後に出血をみたら?

閉経後に出血がある場合、先ずがんがあるかどうかを検査する必要があります。
子宮頸がんや子宮体癌の初発症状が不正出血のこともありますので、細胞診や超音波診で、これらのがんが潜んでいないかどうか
検査します。

しかし閉経後の婦人で圧倒的に多い不正出血の原因は老人性腟炎(萎縮性腟炎ともいいます)です。
これは女性ホルモンによって維持されていた腟壁の正常状態が同ホルモンの低下により崩れた状態をいいます。
少量の出血や、膿性の帯下、性交痛などがみられます。

がんを否定した上で老人性腟炎と診断されたら、女性ホルモンが少量含まれる腟錠や内服薬を2週間ほど使うとほぼ改善します。

性交痛や外陰部の違和感、痛みには潤滑ゼリー(リューブゼリー)や女性ホルモン含有クリーム(バストミン)も効果的です。
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 ホルモン補充療法(HRT)は、更年期障害以外にも多くの効用があります。

ホルモン補充療法が更年期障害の治療として以前からよく行われておりましたが、2002年アメリカで行われた研究の結果、
乳がんや心血管系疾患のリスクが大きく取り上げられたため、HRTを行っていた婦人のみならず、
医師までもがHRTに不安を持つようになり、離れていく傾向が出てきました。

HRTを安心して行えるような指針が求められ、それに応じて日本産科婦人科学会と日本女性医学学会が共同でガイドラインを作成しました。
ガイドラインに沿ったHRTを行うことにより安心して更年期障害を乗り越えることができるようになりました。

更年期障害に対する治療法としてはHRTのみならず抗うつ剤服用、漢方療法などもありますので、治療方法の選択幅が広いことが
更年期障害で悩む婦人のQOL向上にさらに役立てることと思います。

なお、HRTは更年期障害(のぼせ、ほてり、発汗など)の症状の改善のほかに、性器の委縮、腟炎、性交痛の改善、骨粗しょう症の予防、
治療効果もあり、これらを目的としてHRTを受けられる婦人も数多くおられます。


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   自費診療に関するお知らせ

【婦人科健康外来】の一環として、健康維持に効果のある治療などを行っていますが、健康保険の適応でない事項もあります。
OCもその一つですが、ここで主な項目の料金ををまとめてお示しします。全て消費税込みです。(令和元年10月現在)
これらは自費診療などとして行った場合の料金ですが、項目によっては同一項目でも保険適応の場合や自治体からの補助があることがあります。
これ以外にも自費診療項目がありますので,詳細は受付か担当医師にお尋ねください。

<OC関係>
OC相談、指導料     2,100円
OC 1シート(28日分) アンジュ28、トリキュラー28、マーベロン28    各3,050円
               ラベルフィーユ28、ファボワール28        各2,850円 
 
<緊急避妊ピル>    
日本産科婦人科学会より発出されました「緊急避妊法の適正使用に関する指針」に準じ,緊急避妊法として「レボノルゲストレル単剤」を原則としてお勧めすることにしました.
レボノルゲストレル錠1.5mgF(ジェネリック)    8,150円
プラノバール配合錠    5,200円(レボノルゲストレルが利用できない場合のみ)

<月経移動のためのホルモン剤>  
  3,100円
  相談のみ     2,100円

<予防ワクチン注射>
  B型肝炎予防ワクチン;ビームゲン(1回)     5,500円(3回必要です)
  肺炎球菌ワクチン;ニューモバックスNP     7,700円
  子宮頸がん予防ワクチン;サーバリックス、ガーダシル(両者とも1回)   17,750円(3回必要です)
  子宮頸がん予防ワクチン;シルガード9(1回)   33,000円(3回必要です)
  MRワクチン(風疹とはしかのワクチン)    11,000円
  帯状疱疹ワクチン(シングリックス)   22,000円(2回必要です)

<検査>
  淋菌検査    6,000円
  クラミジア検査    5,000円
  淋菌検査+クラミジア検査     8,000円
  HIV抗体(エイズ検査)     6,000円
  梅毒検査     5,000円
  HIV抗体 (エイズ検査)+梅毒検査     10,200円
  妊娠検査(超音波検査)     6,200円
  妊娠検査(尿検査)     3,000円
  風疹抗体検査(HI)    3,600円
  

<処置>
  避妊用子宮内リング挿入     41,500円(ノバT)、76,000円(ミレーナ)
  避妊用子宮内リング抜去     10,500円
  避妊用子宮内リング挿入後のチェック  3,000円
  腟内異物抜去     5,200円

<治療>
  リューブゼリー     1,100円
  
<診断書、診療費証明書>
  院内書式     3,250円
  院外書式     5,500円 


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