最近呑んだ吟醸酒について |
2006年4−6月分
これからの話は消費者(飲み手)という立場で書いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。また、音楽とか味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思います。 よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。
◆月に一度の例会とイレギラーで飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か皆様への判断基準を書きます。
A;味、B;香り、C;コストパフォーマンス、D;総合評価を、各5点評価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表します。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてしまうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。
私の独断と偏見なしで評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間違ってはいないと思います。
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次月例会 2006年7月29日(土)です
2006年6月24日(土)
1.菱友醸造(長野県諏訪町) 純米吟醸 「金紋錦 御湖鶴(みこづる)」 原料米;−、 精米歩合;50% 【アルコール分】16〜17度 1.8L \3,401 (税込) A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+ E寸評;熟成感たっぷりですが、柔らかくさらさらと呑みやすい。雑味感がないから呑みやすいのでしょう。
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2.山忠本家酒造(愛知県愛西市) 純米吟醸 「義侠」 原料米;山田錦、 精米歩合;50% 【アルコール分】16〜17度 1.8L \3,990 (税込) A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+ E寸評;濃厚で、バランス良く、骨太な旨味溢れた吟醸酒。 適度な酸味が爽やかさを感じさす。
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3.大澤酒造(長野県佐久市) 純米大吟醸 「勢起(せき)」 槽しぼり 原料米;山田錦、 精米歩合;45% 【アルコール分】16〜17度 【日本酒度】+3 【酸度】1.6 1.8L \3,780 (税込) A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+ E寸評;何でこんなに旨いんだろう。蔵元のお婆ちゃんの名を被した蔵元代表酒。 旨味充分、アル添した吟醸酒を上回る切れ味最高の現代娘。晩酌酒には勿体なすぎる味わいで、懐に抱きしめたくなる程の、お付き合いが出来るでしょう。 |
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4.大澤酒造(長野県佐久市) 純米吟醸 「明鏡止水・酒門」 原料米;麹・山田錦 ・掛米・美山錦、 精米歩合;麹40% ・掛米50% 【アルコール分】16〜17度 【日本酒度】+4 【酸度】1. 5 1.8L \3,150 (税込) A;味5、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 E寸評; 柔らかく「勢起」同様の味わい。やはり同藏姉妹関係にある二人は酒米も精米歩合も異なるのにうり二つの仲良し姉妹です。優しさを持ったおぼこ娘ですが、楽しく一晩のお相手をしてくれるでしょう。 |
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5.神沢川酒造場(静岡県由比町) 純米大吟醸 「正雪 備前雄町」 原料米;備前雄町、 精米歩合;45% 【アルコール分】15〜16度 【日本酒度】+1〜+3 【酸度】1.3 1.8L \4,200 (税別) A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 E寸評;香り立ち、味わいどれも充分。正雪の中でも超一級品です。 雄町の濃厚さが、山田錦を超越しています。上品で飲み手に媚びず、至福の時に遊ぶには絶品。 |
2006年5月27日(土)
1.本江酒造(富山県魚津市) 純米吟醸 「日々悠々(ひびゆうゆう)」 原料米;美山錦、 精米歩合;60% 【アルコール分】15〜16度 【日本酒度】+3.5 【酸度】1.6 720ml 差入れ A;味3+、B;香り3、C;コストパフォーマンス −、D;総合評価3+ E寸評;関矢健二の酒工房オリジナル酒。 過日の隆盛の面影はどこにもない。残念です。 |
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2.楯の川酒造(山形県酒田市) 純米吟醸 「たての川」 原料米;出羽燦々(さんさん)、 精米歩合;55% 【アルコール分】15〜16度 【日本酒度】−2 【酸度】1.5 【酵母】 山形酵母 1.8L \3,045 (税込) A;味4、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+ E寸評;バランスがとれた柔らかな味わいと香りが素晴らしい。安心して呑める柔肌がなんとも魅力。
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3.長沼(山形県長井市) 純米吟醸 「惣邑(そうむら)」 原料米;山形産羽州誉、 精米歩合;50% 【アルコール分】15〜16度 【日本酒度】+3〜5 【酸度】1.4〜1.6 1.8L \3,302 (税込) A;味4+、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4 E寸評;旨さがしっかりと出た酒で、優しさも兼ね備えています。飲み干した後に渋味を感じ、杯数を重ねられない。
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4.初亀醸造(静岡県岡部町) 極・吟醸 「瓢月(ひょうげつ)」 原料米;山田錦、 精米歩合;50% 【アルコール分】15〜16度 【日本酒度】+4 【酸度】1.1 【酵母】協会9号 1.8L \5,124 (税込) A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 E寸評;濃厚な味わいとバランスを兼ね備えた熟女です。今更云々すべき酒ではありません。只ただ酒の神と杜氏さんに感謝して呑む。感謝感激、熟女に乾杯!
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5.森國酒造(香川県小豆郡) 純米吟醸 「磯松(いそまつ)」 原料米;山田錦・雄町、 精米歩合;55% 【アルコール分】15〜16度 【日本酒度】+3 1.8L \差入れ A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス −、D;総合評価4 E寸評;日本酒の蔵は、今後減ることはあっても増えることはない。 それがこの業界の常識だった。1953年の酒税法制定以来、初の酒蔵誕生、小豆島で唯一、35年ぶりの復活。というセンセーションを巻き起こしたのが、「磯松」の森國酒造です。 森國蔵元は38歳、学校を卒業し最初に就職した先がIT関連。その後、高松市内の酒造会社に勤めたが、2004年に廃業。実家が江戸時代から続いた宮大工。それだけに物づくりへのこだわりが、自らのブランドを起こすことを決意。杜氏は、かっての同僚で若くしてその才能を開花させた、花田杜氏32歳。 資金的にも製造器具にも恵まれないまま、手造りにて一生懸命、2人だけで仕込んでいます。小豆島の豊かな恵みを得て、ひたむきに若い情熱をかけて醸しだした、渾身の一滴「磯松」。総石数300石 (あべたやさんホームページより) 金額は二千円台半ば、コストパフォーマンスは最高。味は今一こなれきっていませんが、今後に楽しみを残した蔵元です。がんばれ磯松くん! |
■全国新酒鑑評会は、独立行政法人酒類総合研究所主催で、明治44年の第1回開催以来、今年で通算94回を迎えることになりました。今年度の結果発表がなされています。http://www.nrib.go.jp/kan/H17/H17moku_top.htm
出品997点、入賞508点、内金賞253点が選ばれました。毎回言われますが、YK35すなわち山田錦で協会9号酵母を使い35%精白で醸せばそれなりの酒が仕上がります。逆に言えばこの組み合わせ以外は賞を取るのが難しいのです。でも、酒米だけを見ても全体の1割は山田錦以外の酒米を使っています。蔵元の力量とセンスがアップしたのでしょう。日本酒の傾向として歓迎される喜ばしい事です。
2006年4月29日(土)
1.松浦酒造(石川県加賀市) 超辛純米 「獅子の里」 生原酒 原料米;雄町、 精米歩合;60% 【アルコール分】17.5度 【日本酒度】+9 【酸度】1.8 【酵母】KA−4(9号系) 1.8L \2,600 (税込) A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4 E寸評;鬼の絵柄のラベルにあった、辛口純米。のどごしさらり、口中に残った味わいさわやか、スッキリ。ただ辛いだけでなく飲みやすい。
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2.池本酒造(滋賀県高島市) 純米 「琵琶の長寿」 おりがらみ 原料米;−、 精米歩合;60% 【アルコール分】17〜18度 1.8L \2,650 (税込) A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4 E寸評; やわらかく、さらさらと喉を通りすぎていく。味わい少ないが食中酒にピッタリ。おりがらみの影響は少ないと思われます。漫画チックな弁天様のラベルに乾杯。
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3.国権酒造(福島県田島町) 純米 「国権」 生原酒 原料米;−、 精米歩合;60% 【アルコール分】17〜18度 1.8L \3,000 (税込) A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4 E寸評;新酒のくせに熟成感のある、おませな娘。個性が無く、今が飲み頃。
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4.立山酒造(富山県砺波市) 吟醸酒 「立山」 しぼりたて 原料米;−、 精米歩合;59% 【アルコール分】15〜16度 1.8L \3,055 (税込) A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4 E寸評;味わい豊で、やさしく旨さが押し寄せてくる。後味に渋味が残る。今が飲み頃。 |
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5.南部美人(岩手県二戸市) 純米吟醸 「南部美人」
無濾過生原酒 原料米;−、 精米歩合;麹50% ・掛米55% 【アルコール分】17〜18度 1.8L \3,150 (税込) A;味4、B;香り3+、C;コストパフォーマンス3+、D;総合評価4 E寸評;酸味がきつく、焼き肉、カレーなどには合うでしょう。旨味を感じる余裕が無くバランスが悪い。
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6.齋彌酒造店(秋田県由利本荘市) 純米吟醸 「角太」 生原酒 原料米;あきた酒こまち、 精米歩合;50% 【アルコール分】16〜17度 【日本酒度】+3 【酸度】1.7 【酵母】自社酵母 1.8L \3,500 (税込) A;味5、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 E寸評;旨味がバランスし濃厚に凝縮されて、口中で弾ける。安心して酒と対峙出来楽しめる。
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