最近呑んだ吟醸酒について
   

 

 

2018年7−9月分

 

   

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  これからの話は消費者(飲み手)という立場で書いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。と言う事は、売りたいための宣伝はしませんし、太鼓持ちのような感想も書きません。また、音楽とか味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思います。

 よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。 
  

◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か、皆様への判断基準を書きます。

 A;味、B;香り、C;コストパフォーマンス、D;総合評価を、各5点評価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表します。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてしまうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。 

 私の独断と偏見なしで評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間違ってはいないと思います。

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 吟醸酒の会へのお誘い  

 

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◇イイお酒を、イイ友と、イイ肴と、イイ会話で月1回楽しむ会です。◇

 


2018年次回10月例会は、27日(土)です。

 

 


 

 

2018年9月29日(土)例会


 

1.神沢川酒造場(静岡市清水区)  純米吟醸  「正雪」  
原料米;吟ぎんが、 精米歩合;50%  【アルコール分】 16〜17度 【日本酒度】+0 【酸度】1.4   1.8L \2,916
 A;味4、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;香り高く旨みを期待させる。琥珀色から旨みは上ってくるが、正雪としてはどうしたのでしょう、苦みがあって、味わいバランスを崩している。


2.英君酒造(静岡市清水区)  特別純米  「英君」  袋吊り
原料米;誉富士、 精米歩合;60%  【アルコール分】 16度 【日本酒度】+5 【酸度】1.1 【酵母】静岡NEW−5  1.8L \ 3,078
 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;上記正雪と似て少々苦みが口中に残る。同じ富士山の伏流水だけ有って似ているのでしょうか。後の味わいは清楚で旨み充分なだけあって残念。


3.府中誉酒造(茨城県石岡市)  純米吟醸  「太平海・1314」  
原料米;雄町、 精米歩合;55%  【アルコール分】 13度 【酵母】協会14号  1.8L \ 3,186
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;先月飲んだ純米吟醸「渡舟」の蔵元で、ネーミングの1314はアルコール分 13度、酵母・協会14号から来ています。アルコール度数が低いだけあって、迫力が少ない。淡泊というか物足りないというか、雄町の力強さも薄まってしまった。


4.八百新酒造(山口県岩国市)  純米吟醸  「雁木・あらばしり」 無濾過生原酒 
原料米;−、 精米歩合;50%  【アルコール分】 17度   1.8L \ 3,564
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;香りよく、吟醸酒の風格を備え、味わいバランスして清楚、上品で旨み充分。やはり雁木の旨さは変わらず、安心して楽しめる佳酒。


5.富士高砂酒造(静岡県富士宮市)  純米大吟醸  「高砂」  
原料米;静岡産山田錦、 精米歩合;50%  【アルコール分】 16度 【日本酒度】+2  1.8L \ 3,634
 A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;旨み充分で濃い味わいが口中で広がる。しかし、軽快感がなく重い。いつもの高砂のリズミカルで清楚さがどこに行ってしまったのでしょうか。

 

 


 

 

 

 

2018年8月25日(土)例会


 

1.旭酒造(山口県岩国市)  純米大吟醸  「獺祭 島耕作」  
原料米;−、 精米歩合;50%  【アルコール分】 16度   720mL \ 1,296
 A;味4、B;香り3、C;コストパフォーマンス、D;総合評価
E寸評;7月の西日本豪雨の被害を受けて、蔵には泥で埋まり、電気も止まり、仕込みのコントロールが効かなくなって全量廃棄処分しかないと蔵元では暗いコメントをしていました。停電になってダメになったであろう酒達の救済を図るため、各タンクの酒を混合して小瓶で発売にこぎ着け島耕作のラベルが酒達を救いました。
 
岩国出身の漫画家・弘兼憲史さんのラベル「獺祭 島耕作」で被害からよみがえりました。災害地に義援金として1本について200円が寄付されています。(裏ラベルより)。
 味を云々する酒ではないが、災害援助の一助として、その酒を味わうのも一考かと思われます。災害から抜け出す一法がこれだとは良い方法の思いつきです。


2.角星(宮城県気仙沼市)  特別純米  「水鳥記(みづとりき)」  
原料米;雄町、 精米歩合;55%  【アルコール分】 16度   1.8L \ 2,916
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;ブルーの瓶に直接「水鳥記」と印刷された斬新なラベルの一升瓶です。
 味わいバランスせず、渋みが勝っている。雄町の味わいは無い。人肌に燗をすると、味わいが上がると思ったが、燗上がりしなかった。


3.八百新酒造(山口県岩国市)  純米吟醸  「雁木another」  
原料米;西都の雫、 精米歩合;50%  【アルコール分】 15度   1.8L \ 3,240
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;いつもの雁木とは違うもので、こくも、味わいも薄い。清楚であるが心うごめくものが無い。いつも常温で飲んでいるが、暑い気温の今日、冷やして飲むとガラッと味が変わって旨みが上がってきた、絶品酒。オール”5”を与えたい。


4.大澤酒造(長野県佐久市)  純米吟醸  「明鏡止水 Tシャツ」  
原料米;−、 精米歩合;60%  【アルコール分】 16〜17度   1.8L \ 3,240
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;Tシャツが人気。良いアイディアで好感が持てる。酒は淡泊、味わい薄く、感動も人を引きつけることも無い。いつもの明鏡止水とは違う。これも冷やしたが味わい変わらず、また、人肌に燗をしたが味わい変化なし。


5.府中誉酒造(茨城県石岡市)  純米吟醸  「渡舟」  ふなしぼり
原料米;短稈渡船、 精米歩合;50%  【アルコール分】 16度   1.8L \4,104
 A;味4+、B;香り4、C;コストパフォーマンス3、D;総合評価4
E寸評;Sake Gompetition 2018 SILVER受賞酒。いくらシルバーを取ったからと言って、この値段の付け方は無い。先月飲んだ「東洋美人」は、その上のGOLDを取っても \ 2,700 で販売している佳酒であったのに。今回これも冷やして飲んだが、常温と味わい変わらず、雑味があってバランスしていず、味わい薄く感動も無い。燗をしても変わらず。

 

 


 

 

 

2018年7月28日(土)例会→台風の為29日に延期


 

1.澄川酒造場(山口県萩市)  純米吟醸  「東洋美人」 Sake Gompetition GOLD受賞酒
原料米;−、 精米歩合;50%  【アルコール分】 16度   1.8L \ 2,700
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;品良くさらりと口中を抜けていく。雑味も無くバランスして飲みやすく、Sake Gompetition GOLD受賞酒らしい美味な佳酒。コストパフォーマンス最高。


2.墨迺江酒造(宮城県石巻市)  純米吟醸  「墨迺江」  火入れ酒
原料米;雄町、 精米歩合;55%  【アルコール分】 16〜17度   1.8L \ 3,240
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;濃厚感が有り、喉ごしさわやかで、喉ごし後の戻り香が素晴らしい。品性よく雄町の力を感じる。


3.小林酒造(栃木県小山市)  純米大吟醸  「鳳凰美田」  
原料米;山田錦、 精米歩合;50%  【アルコール分】 16〜17度   1.8L \ 3,240
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;通年安心して飲める佳酒。価格もリーズナブルで手に取りやすく、味わいも飲み手の期待を裏切らない、柔らかでバランスがとれた佳酒。


4.松本酒造(京都市伏見区)  「澤屋まつもと」  2016.12酒造酒
原料米;山田錦、 精米歩合;非公開  【アルコール分】 15度   1.8L \ 3,888
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価5
E寸評;すさまじい勢いで音を発し栓が飛んで、天井に突き当たった。隅田川の花火大会を部屋の中で味わった。蛇の目の猪口の中からサイダーのように細かい泡が立ち上がっている。2年ものの古酒なのに、勢い旺盛、古酒独特の老成香(ひねか)と色の濃さがどこにも無い。炭酸が抜けると安定した旨みが伝わるが、酒の中に溶け込んだ炭酸臭は簡単には抜けない。古酒でこれだけの味わいと力を持った酒にはなかなか巡り会えない。精米歩合で先入観を持たれるといけないので非公開になっています(奥様談)。この味わいなら堂々と表示してください。


5.赤武酒造(岩手県盛岡市)  純米吟醸  「AKABU雄町」  火入れ酒
原料米;雄町、 精米歩合;50%  【アルコール分】 15度   1.8L \ 4,104
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価5
E寸評;旨さは充分で、さわやか、奥行きもあり雄町の旨さが充分に出ている。でも、この価格なら旨いのは当然、我々でも価格の壁を気にせず飲めるように企業努力をしてほしい。今日は美女(美酒)がそろったので、一人すまし顔で参加していても、出生の善し悪しだけでは人気票が集まらない。







 

 


 

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