このページは「独立行政法人・酒類総合研究所」ホームページより転載したものです。一部
簡略化し修正しています。
元のホームページは http://www.nrib.go.jp/kan/h19by/h19bymoku_top.htm です。
平成19酒造年度 全国新酒鑑評会 入賞酒一覧表
独立行政法人酒類総合研究所主催の全国新酒鑑評会は、明治44年の第1回開催以来、今年で通算96回を迎えることになりました。
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このページは「独立行政法人・酒類総合研究所」ホームページより転載したものです。一部
簡略化し修正しています。
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平成19酒造年度 全国新酒鑑評会 入賞酒一覧表
独立行政法人酒類総合研究所主催の全国新酒鑑評会は、明治44年の第1回開催以来、今年で通算96回を迎えることになりました。
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出品点数:
第T部 129点
原料米として山田錦以外の品種を単独または併用、あるいは 山田錦の使用割合が原料の50%以下で製造した吟醸酒
第U部 828点
原料米として山田錦の品種を単独または山田錦の使用割合が、
原料の50%を超えて製造した吟醸酒合 計 957点
総評
平成19酒造年度の酒造条件を概観すると、例年の暖冬傾向とは異なり、酒造最盛期に寒冷な気候
が安定して続き、酒造に恵まれた年でした。また、原料米の作柄も、九州の一部で台風の影響を受けたところがあった以外、全国的にほぼ問題はなく、作況指数も「99」の平年並みでした。ただ、山田錦を中心とした酒造好適米は、生育期に高温が続き、米質が硬くなり原料処理等に苦労する製造場もありました。
今回の鑑評会の出品点数は、957点で前年より24点滅少しました。その中で、山田錦以外の酒造好適米等の特質をみるために設けた第T部は、昨年より
11点多い129点で、過去最多の出品となりました。
出品酒は、酒造条件に恵まれ、また、各製造者が酒造技術を駆使した結果、例年以上に香味の調和した穏やかな酒質のものが多くありました。香りについては、様々な清酒酵母の特徴を生かした酒質の多様化・個性化が認められ、上立ち香の豊かなものから穏やかな芳香が口中に上品に広がるものまで変化に富んでいました。また、味については、気候や米質を反映し淡麗ですっきりしたタイブのものが多く見受けられましたが、豊醇で重厚さを感じさせるものも見られ多様でした。
一方、一部の酒については、寒冷な気候や硬い米質のため、米の溶解が十分進まず、醪(もろみ)の発酵にも影響し、味のうすい酒質のものが見られました。従って、本年は原料処理や
醪管理など基本的な酒造技術の巧拙が酒質に反映されやすい年でもありました。
第T部については、第U部のふくらみのある山田錦の酒質とは異なり、すっきりとした切れの良いタイプとなる傾向がありました。第T部はここ数年出品点数が増加しており、各地で原料米の多様化や地産地酒の流れが定着し、着実に日本酒の多様化が押し進められていることが伺われ、なお一層この流れが進展することが望まれます。
今回出品された吟醸酒は、原料処理から、麹造り、もろみの発酵管理、製成に至るまで細心の注意が払われて製造された個性豊かな高品質の清酒であり、今後、貯蔵管理及び流通での取扱いが適正に行われ、消費者の方々に、その優れた香味を十分に堪能していただけるよう、関係各位に更な
るご努力をお願いいたします。