廃墟Explorer外伝 「樹海Explorer&死体に誘われ隊」
前編「樹海を知る」 2003.5.25公開
ある日、隊員0号から連絡が入った
0号 「この間、某巨大掲示板主催の樹海オフに参加してきたよ。」
隊長 「それで死体は発見できたの?」
0号 「いや。遺留品とかは有ったけど、本体は見つからなかったね。」
そんな会話をきっかけにふとひらめいた。廃墟=朽ちていく建造物。樹海の死体=朽ちていく人間・・・。
って事は、共通する何かがあるのでは??
もともと「樹海」って甘美な言葉に、探検魂を揺す振られないはずが無い!!
早速、探検隊を編成のため「廃墟に誘われて」のウシロ氏に打診。
隊長 「ウシロさん、樹海の探索に行かない?」
ウシロ 「何しに行くんですか?」
隊長 「何しに行くんだって、あんた、死体を探しに行くに決まってじゃないですか。」
ウシロ 「そんなに簡単に見つかるんですか?」
隊長 「そりゃー、廃墟exと廃さそが合同で調査して、人間の廃墟で有る死体を見つけられない訳がないでしょう。」(根拠無)
(注 死体と廃墟共通性=朽ちていくものって意味で、悪意は有りません)
隊長 「それに我々が行って、発見できなかったら、やつらもたいしたこと無いなって笑いものだよ。」
(探索しに行った事実自体、秘密にしておけばいいだけなのだが・・・。)
ウシロ 「月曜日、仕事だから速く帰りたいなー。」
隊長 「だったら、さっさと発見して帰ればいいでしょう!!」
という訳で、約一か月後に決行決定。その後、入念な準備作業に入る。
参加者は
「廃墟Explorer隊」 隊長♂、0号コジコジ♂、1号もや蔵♀、新隊員4号耳毛♀、新隊員5号メタモ♀
「廃墟にさそわれ隊」 ウシロ♂
その他、廃墟ex&廃さそ 共通傭兵隊員 二木氏
以上7名(♂4名♀3名)で「樹海プロジェクト」は始動を始めた。
(プロジェクト概要)
1、目的 樹海内で死体を発見すること
2、期間 一泊二日(土曜早朝〜日曜夕方)
3、樹海を知る
4、各機器のテスト
5、樹海フォークロアの証明
(樹海データ)
1、広い 2、木が沢山 3、方位磁針がグルグル 4、死体が一杯 5、野犬が襲い掛かってくる 6、富士山の麓にある 7、足場が悪い 8、昼でも暗い 9、伝説の象の墓場のように死体がゴロゴロ転がっていっる場所がある。
以上、廃墟のエキスパートを自負する私でも、樹海に関しては、この程度の知識です・・・。でもまあ、何とかなるでしょう??
樹海の看板 「青木が原樹海」って書いてあります。 この看板の寂れ具合がかなり良い感じ。 まるで「小曲園グリル」の看板を彷彿させる。 |
|
樹海 これぞ、夢にまで見た典型的な樹海の光景。 地面にみっちり生えた苔。 なんだか異様に捻じ曲がった木々。 本当に木だらけ・・・。 |
|
自殺防止看板 ホント、至る所に設置されています。 モザイク部分には相談先の電話番号が書かれています。 ありゃー、本気で自殺スポットなんだ・・・。 |
|
自殺防止呼びかけ箱 この中のチラシには、樹海で自殺することの恐ろしさ。 生還した方達の体験談。2〜3センチの蛆が腕から 湧く話しなどが沢山書いてあります。 水色とピンクの2タイプ有り。 |
|
虎ロープ 自殺防止看板になんと虎ロープがかけて有ります。 「このロープで首吊ったらどうするんだよ!!」 と突っ込みを入れたくなってしまいます。 |
|
その裏 自殺防止看板の裏に変な顔の落書きが・・・。 おそらく夜中に懐中電灯で浮かび上ったら ジョロジョロと垂れてしまうかも知れません。 って言うか自殺志願者も逃げるかも・・・。 それでこそこの看板の意味があるって事ですが。 |
|
地面 このように溶岩石の上に1200年かけて2cmほど 土が降り積もり、その上に落ち葉が堆積しています。 くれぐれも履物には注意をはらって下さい。 あっ!!廃墟ににてる(笑)。 |
|
溶岩洞窟 詳しくは各自調べてみてください。 とにかく、溶岩の穴の上に、きの根っこが這い、さらに その上に落ち葉が積もって天然の落とし穴だらけです。 慎重に進まないとズボッ!!と逝きます・・・。 |
|
野犬の黒ちゃん 棄て犬が野犬化してさらに、売店の近くで観光客に 餌をもらい半飼い犬状態になっています。 ビーフジャーキーをあげたら大喜びでした。 しかし、しつこくついて来るのが困ったものです。 |
|
野犬の白ちゃん 同上。 車が来ても全く動かないつわもの。 (画像提供 二木) |
|
謎の植物 こんな植物は腐海でしか見たことが有りません。 夜になると青白く光ります。 あっ、嘘ですよ。 勝手に「樹海きのこ」と命名しました。 |
|
現世への生還術 さて皆さんもこれまでで樹海の事を相当知った事だと 思います。 しかし、これからが本番です。 樹海は、地面に磁気を帯びているため、方位磁針は グルグルと回ってしまい。 さらに、自殺者の浮かばれない霊が3個師団ほど 彷徨っています。 なので、一歩足を踏み入れた途端に現世に戻ることは出来ません。 実際に、練習がてら樹海に入ってみましたが、前も後も右も左も 木ばっかりで、例えば自分では、元の道を戻ったつもりでも、 実際は直進していたり。右に向ったつもりでも、本当は後に下がっているなど、方向感覚がメチャメチャになります。 また、木や勾配が邪魔をして、全然イメージした方向に進めません。これがまた、方向を狂わす要因でもあります。 自分的には1kmぐらい歩いたつもりでも実は200mぐらいしか進んでいなかったりします。 これでは、自殺志願者でなくても死んでしまいます。 そこで有効な生還方法を現地の残留物からピックアップしました。 画像上から 1、ビニール紐 見た中で1番メジャーな方法のようです。 あちらこちらに張り巡らされていました。 入手が簡単な上に安価。 もとにたどっていけば現世に帰還できます。 しかし、結わいたはずの紐が心霊によってほどかれた上に、 冥界に結ばれ連れて行かれる可能性が90%有ります。 紐が尽きたら、前進できなくなる上に、移動速度が落ちます。 樹海探索ごっこを楽しみたいかたには、良いかも知れません。 2、ビニール紐でマーキング かなり意味の無い方法です。 画像を見ていただければわかりますが、樹海内の木の手の届く高さに横木がほとんど有りません。 それに、進んで行くに従い、他の木が邪魔でマークが見えなくなってしまいます。 いちいち結ばなくてはならないので、進行速度が極端に遅くなります。 ビニール紐を沢山買えない程、経済的に困っている方にはお勧めです。 でも、そんな方は家で寝ていたほうが・・・。 3、ビニールテープでマーキング ほとんど2と同じ。 結ばなくてもいいぶん進行速度は若干あがるかも? 4、スプレーでナンバリング 臭いでラリって逝って下さい。 ホントにやめましょうね。樹海って国の天然記念物なんですから。 以上、全て自然破壊につながる手段ばかりです。 一番下の画像など、地面がビニールテープで覆われています。 本当に撤収時には回収してきましょうね。 ところで樹海で写ってしまいました。 |
|
ポータブルナビ 「廃墟の装備」のコーナーでも紹介していますが、まさかこんな場所で役に立つとは・・・。 ハイキングモード付きで純正バッテリーで2時間稼動しますが、とても2時間では時間不足です。 そこでポータブルバッテリー&電圧変換機を使いACでつなぐ。 計算上9時間稼動するが、システムの全重量約5kg・・・。 |
|
全装備 上記のナビシステムを背負い、足には今回導入のウオータープルーフコンバットブーツ(完全防水)、右腿には鉈、左腿にはマグライト単2、3本型、着込んでいるタクティクルベスト内には、スティンガーライト、発炎筒、デジカメ、軍手、各種予備電池&メディア、トランシーバー、携帯電話、カッター、双眼鏡、ホイッスル、食料2食(カロリーメイト等)、飲料水500ml×2 確実なのは転んだら起き上がれない事です・・・。 |
|
樹海へ さていよいよ昼でも暗い樹海最深部へ向けて出撃です。 装備をおいて、とりあえずロケハンに向う傭兵二木氏。 実に頼もしい男です。 さて「樹海ex&死誘隊」は無事に現世に戻れるのでしょうか? |
|
私も樹海へ 最初から、体力が無い上にこの重装備・・・。 眼前を、軽やかに歩くメタモの姿が羨ましい。 真っ先に、ダウンの予感が・・・。 (画像提供 二木) |
|
青シートハケーン!! 彷徨うこと数十分、遂に形跡の青シートを発見!! 全員に緊張が走ります。 あのシートを外すとその中にお目当てのものが・・・。 |
|
木の塊 いい感じに膨れていたので、気合を入れてシートオフッ!! なんと木の塊でした・・・。 安心した反面、ガカーリでもありました。 |
|
ゴミ袋 しかし、その横にゴミ袋が3つ落ちていました。 中身は落ち葉がみっちり。 寝具に使っていた感じです。 まさかこんな素敵な空間で暮らしていたのでしょうか?? ビールの缶も何個か落ちています。 酒盛りも行われていた様子?? いずれにせよ、そうだったらかなり尊敬します。 |
|
のこぎり 折りたたみ式ののこぎり。 まさかこれで自殺後に自分を解体・・・・。 って、できるわけないですね。 しかし、なんのために?? |
|
遂に遺留品?! 更に起伏の激しい樹海内を彷徨うこと30分。 遂に遺留品らしき物発見!! サンダル&ペットボトルという、身に着ける物&飲むものです。 かなり核心へ近づきました。 重装備の私的には内心「もう、これだけ発見したんだから、そろそろ帰りたいな・・・」と思いつつも、皆には「発見するまで帰らせないぞ!!」と威張ってしまった手前、なかなか言い出せません。 でも、ホント初めての樹海探索で、これだけ見つければ上等でしょう・・・。皆さんもそう思いますよね(笑)。 |
|
酒の箱 上のサンダルのすぐ近くに酒の箱が落ちていました。 「トリス」です。 ウイスキーの中では、かなりリーズナブルな一品です。 最近、また脚光を浴びていて、CMも流れていますね。 しかし、付近を探索するも本体は見つからず・・・。 今回のレポートと関係無いのですが「廃墟の魔力」でおなじみのDANぼ社から「トリス」の本が6月に出るそうです。 |
|
新たなる遺留品 更に15分経過・・・。 「そろそろ帰ろうよ。」と言いかけた矢先ウシロ氏が発見!! カクテルの空き瓶4本に大量の酔い止め薬「トラベルミン」の空容器。 薬博士のもや蔵いわく、この組み合わせは「完全自殺マニュアル」に紹介されたコラボだとか・・・。 ってことはこの近くに、今度こそ本体が!! 全員を集合させ、付近一帯の探索を始める・・・。 10分以上探すが本体どころか破片すら無し。 時間は正午近くあああーーー!!もうおなか一杯です。 誰か帰ろうといってくれませんか?? |
さて、ここまでのおさらい。まず、樹海は広い。何処を探索するかによって、結果は全く違ってくるだろう。
自分的には1kmぐらい進んだつもりでも、ナビは無常にも200mほどしか進んでいない現実を正確に表示する。
とにかくアップダウン&木々を迂回するため、重装備はかなりマイナスになる。
現在の所、野犬はおろか、小動物(鳥を除く)すら、見当たらない。
方位磁針がグルグル回る事実には、今の所、遭遇していない。
という訳で、初めての樹海で今までの樹海知識がいかにいい加減であったかを思い知る。
はたして、栗原隊長率いる「樹海ex&死誘隊」は、目的を達成することが出来るのであろうか??
それ以前に、無事にこの魔の森から無事生還できるのか??
かなり疲れちゃった私的には、近くの「オリバー帝国」にでも行けば良かったと大きく後悔しながら後編に続く・・・。