贈与税非課税枠2000万円規模に! |
平成14年11月、あるべき税制の構築に向けてと題して、政府税制調査会から「平成15年度における税制改正についての答申」が発表された。21世紀のあるべき税制として、@経済活動に中立で歪みのない税制 A税制上の不公平感の適正化 B簡素な税制 C安定的歳入の構築 D地方税制の充実の5点を指摘。極めて厳しい財政状況を踏まえた上で、21世紀に向けた税制改革案が以下のとおりまとめられた。 |
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平成15年度に実施すべき主な改正項目 |
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個人所得税については、配偶者特別控除、特定扶養控除の廃止 |
A |
法人税については、研究開発税制、設備投資税制の重点的導入 |
B |
消費税については、免税事業者を大幅に縮小、簡易課税制度は原則廃止 |
C |
相続税・贈与税については、相続税及び贈与税の一体化措置の導入、税率構造の見直し |
D |
法人事業税については、外形標準課税の早期導入を検討 |
E |
土地税制については、登録免許税、不動産取得税の軽減 |
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【所得税】 |
配偶者特別控除は、配偶者の所得の稼得に対する貢献を考慮して設けられているが、共働き世帯が専業主婦世帯を上回った今日、配偶者特別控除は、配偶者控除に上乗せられたさらなる特別控除であり、配偶者に対する過分な控除制度であること。また、特定扶養親族である16歳以上23歳未満の者については、就学状況など多様であり、創設当時の割増・加算的な優遇措置制度の趣旨が薄らいでいること。以上の理由などから、配偶者特別控除及び特定扶養控除については、廃止される模様だ。 |
*15年度税制改革最終調整において、特定扶養控除の廃止は見送られ、配偶者特別控除は平成16年度に廃止されることとなった。 |
【法人税】 |
研究開発税制については、増加試験研究費の特別控除にかえて、研究開発費として支出する総額に対して一定割合を控除する方向に改められる。また、IT投資の促進、機械等の設備投資に対する支援策として、バイオ、IT、環境、ナノテクなど重点4分野についての減税措置が講じられる。 |
【法人事業税】 |
地方税制の安定化を目的として浮上している外形標準課税については、早期に導入すべきとされているが、15年度での導入については見送られる模様である。 |
*外形標準課税は、中小企業を当面除外し、平成16年度から大企業に限って導入する方針である。 |
【消費税】 |
小規模事業者の納税事務の煩雑さを考慮して設けられている事業者免税制度であるが、課税の公平、消費税に対する国民の信頼性、制度の透明性を高めるため、個人免税事業者を大幅に制限するとともに、法人については免税事業者から除外する見通しである。また、簡易課税制度も本則課税の基本に鑑み、簡易課税制度は原則廃止される。 |
【資産税】 |
次世代への資産移転の円滑化、消費の刺激による経済社会の活性化に資するため相続税と贈与税の一体化措置が導入される。相続の前倒しとして生前贈与枠を大幅に拡大するとともに税率も見直される。生前贈与により課税された税金は、相続時に精算されるため、相続時精算課税制度というかたちで制度が具体化される。現行の住宅資金贈与の特例が廃止され、2000万円規模の生前贈与の非課税枠が設けられる見込みだ。 |
【登録免許税・不動産取得税】 |
登録免許税、不動産取得税については、地方税制の主要な税目であることに配慮しながらも、土地の有効利用の促進を図るために必要な軽減措置の検討が進められている。 |