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役員給与の損金算入のあり方の見直し
先頃自民党の平成18年度税制改正大綱が発表されました。その中で私たち中小企業に最も関係があるのが、「役員給与の損金算入のあり方の見直し」です。
税制改革大綱が発表され、タバコ増税等が新聞やテレビで報道されましたが、この「役員給与の損金算入のあり方の見直し」については全く報道されていません。まだ詳細はわかりませんし、法案も提出されていません、今後変更があるかもしれませんが、私たちの知らないうちに大増税が検討されています。詳細が分かり次第、またご報告していこうと思っています。
いろいろ要件はありますが、内容を簡単にまとめると社長が1人で出資した会社で、社長と親族が役員の会社は、社長の給料のうち給与所得控除額を会社の利益に上乗せして、その分法人税を課税しようというものです。    
例えば、売上3000万円、経費が2000万円、社長の給料が1000万円とします。法人は利益がでないので、法人税はかかりません。都民税の均等割りだけの負担です。社長は1000万円に対する所得税がかかります。1000万円から給与所得控除額220万円を差し引いた780万円から社会保険控除や生命保険控除や配偶者控除や扶養控除を引いて所得税を計算します。
税制改正後は、給与所得控除額220万円が損金に算入されないので、会社は売上3000万円、経費2000万円、社長の給与780万円として計算することになります。会社の利益は220万円となりますので、法人税は48万4000円かかります。法人都民税・事業税も19万3000円も余分にかかります。社長の給料は1000万円で変わりませんので所得税は以前と同じです。ただし、社長の給料と会社の利益の合計額が800万円以下の場合等一定の場合は適用されません。
以下が税制改正大綱の抜粋です。
「同族会社の業務を主宰する役員及びその同族関係者が発行株式の総数の90%以上の株式を有し、かつ、常務に従事する役員の過半数を占める場合等には当該業務を主宰する役員に対して支給する給与のうち給与所得控除に相当する部分として計算される金額は、損金の額に算入しない。ただし、当該同族会社の所得等の金額(所得の金額と所得の金額の計算上損金の額に算入された当該給与の額の合計額)の直前3年以内に開始する事業年度における平均額が年800万円以下である場合及び当該平均額が年800万円超3000万円以下であり、かつ、当該平均額に占める当該給与の額の割合が50%以下である場合は本措置の適用を除外する。」