年末調整のしかた

源泉徴収簿の作成と年税額の計算
@ 年末調整に必要な書類が揃ったら、源泉徴収簿に毎月の給与、給与から天引きされる社会保険料、算出税額を記入します。前職者の給与や季節ごとの賞与は忘れがちなので記入漏れがないよう注意します。
A 1年間の給与が決まったら、早見表により給与所得控除後の金額を求めます。次に給与天引きの社会保険料、保険料控除申告書、配偶者特別控除申告書、扶養控除等申告書に基づいて各種の所得控除の金額を求め、源泉徴収簿に転記します。基礎控除額の38万円を加算し忘れないように。また、提出された各申告書の内容や計算に間違いがないかどうか必ずチェックします。
B 給与所得控除後の金額から所得控除額の合計額を控除します。この金額が課税所得金額で、この金額に税率を掛けて1年間の税額を算出します。
C さらに、住宅借入金等特別控除がある場合には、明細書で計算した控除額を控除し、年税額が確定します。
過納額の還付と不足額の徴収
過納額の還付
年末調整によって計算した年税額よりも預かっていた源泉徴収税額が多い場合には、12月の給与の支払い時に、その過納額を本人に還付します。
不足額の徴収
年末調整によって不足額が生じたときは、12月の給与の支払い時に、その不足額を徴収します。
税務署長からの還付
以下の場合には、給与等の支払者にかわって税務署長から過納額の還付を受けることができます。
@ 廃業などにより過納額の還付ができなくなった場合
A 納付すべき税額がなくなったために、過納額の還付ができなくなった場合
B 納付すべき税額に比べ過納額が多額であるため、還付することとなった月の翌月から2ヶ月を経過しても還付しきれないと見込まれる場合
税務署長からの還付を受ける場合には、「年末調整過納額還付請求書兼残存過納額明細書」を作成し、これに各人別の源泉徴収簿の写し及び過納額の請求及び受領に関する委任状を添付して税務署長に提出する必要があります。
徴収税額の納付
預かった徴収税額は、翌年の1月10日(一定の届出書を提出している場合には、翌年の1月20日)までに、所定の納付書を使って国に納付しなければなりません。特例の適用を受けている場合には、7月から12月までの徴収税額を納めることになりますが、還付が多額のため納付税額が0となる場合であっても、納付書は0金額で税務署に直接提出または郵送します。
納期の特例の承認に関する申請書
給与等の支払を受ける者を10人未満しか有しない事業者については、納税地の所轄税務署長に一定の申請書(源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書)を提出し、承認を受けた場合には、1月から6月までの期間の徴収税額については7月10日まで、7月から12月までの期間の徴収税額については翌年1月10日(その年12月20日までに一定の届出書を提出したときは、翌年1月20日)までに納付することができます。