相続税

相続税とは
相続税は、親族などが死亡したことにより財産を承継した場合や遺言により財産を譲り受けた場合に生じる税金です。死亡した人を被相続人とよび、相続によって財産を承継した人を相続人とよびます。
相続人と相続分
相続人や相続分は、原則として民法の規定によります。ただし、相続税法では相続税の計算をするにあたって、法定相続人について民法とは別に規定しています。⇒相続人になれる人、なれない人
遺産分割
遺産は、遺言がある場合には遺留分を侵さない限りにおいて遺言書のとおりに分けられます。遺言書がない場合には、相続人が協議した上で各人の相続分を決めていきます。遺産の分割が決まったら、遺産分割協議書を作成し、これに各人が署名押印します。万が一、遺産分割の協議が不調に終わり、分割協議がまとまらないときや相続すべき人が音信不通などで分割協議ができないときは、家庭裁判所に遺産分割の調停を依頼することができます。なお、遺産分割がまとまらないときでも申告期限までに相続税の申告と納付を行わなければなりません。
遺留分
民法では遺言自由の原則により、被相続人は自分の意志によって遺言を残すことで自由に財産を処分することが認められています。しかし、親族などの相続期待利益を保護したり、遺族の生活を保護する必要があるため、相続財産の一部を一定の範囲の遺族に留保する制度を設けています。これが遺留分の制度です。したがって、一定の親族については、相続させない等という遺言があるからといって、まったく財産をもらえないということはありません。
遺贈による財産の取得
相続税が課税されるのは、相続により財産を取得した場合だけでなく、遺贈により財産を取得した場合も含まれます。遺贈とは、遺言書に基づく財産の譲り受けであり、相続による財産の取得より優先します。これは、亡くなった人の意思を尊重するという考え方によるものです。遺贈により財産を与える人を遺贈者とよび、遺贈により財産を譲り受ける人を受贈者とよびます。
申告までのスケジュール
被相続人の死亡による相続の発生
7日以内 死亡届書の提出 3ヶ月以内 相続放棄等の検討 4ヶ月以内 準確定申告 10ヶ月以内 相続税の申告と納税
@ 葬儀費用の領収書を保管 相続の放棄等する場合は家庭裁判所に申述 死亡した人の個人所得税の申告 @ 財産のリストアップと評価
A 遺言書の有無を確認 A 遺産分割協議書の作成
B 相続人の確認 B 相続税申告書の作成
C おおよその遺産や債務を把握 C 納税資金の確保


相続人全員の協力で円滑な申告を
相続は、肉親の突然の死によってはじまります。関係者への連絡や葬儀の準備、四十九日忌法要などで時間はあっという間に過ぎていきます。まして、精神的にも不安な時期ですから、なかなか申告のことまでは思いが及ばないのは当然だと思います。しかし、申告期限までの10ヶ月間にしておかなければことは、意外とたくさんあるものです。相続人全員が協力し合いながら、申告手続きが円滑、かつスピーディーに進むようにしたいものです。