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日税連より「中小会社会計基準」発表される!
済と証券市場のグローバル化に伴い、国際企業が多数出現し影響力をもつようになった今日、証券取引法の適用を受ける大規模会社においては、財務諸表の国際的同質性や比較可能性が内外から強く求められるようになってきた。そのため、時価会計の導入や税効果による会計処理、キャッシュ・フロー計算書の作成の義務付けなど新基準が次々と登場することとなった。
かし、証券取引法の適用を受けない中小会社においては、新しく登場してくる会計基準に対してどこまでの対応をすべきなのか、はなはだ分かりにくい状況となっていたのが実情であった。そこで、平成14年12月、中小会社につきその会計処理をなす際の指針とするために、日税連から「中小会社会計基準」が発表された。これは、税理士の計算書類及び申告書作成に際し基準となる商法及び商法施行規則、法人税法及び関係諸則などの要点をまとめたものである。これまで中小会社を対象とした会計処理基準の指針がなかったことを考えると、この「中小会社会計基準」は税理士や経理担当者が経理をなす際の実践規範として大きな役割を果たすことになるだろう。
小会社会計基準は24項目から構成され、金融商品の時価会計、退職給付会計、リース取引、税効果会計、キャッシュ・フロー計算書など新会計基準に対応した内容となっている。各項目には運用指針が追備され、具体的な取扱いを行う際の参考条文等をガイドしてくれる。末尾には注記事項も網羅されており、実用面における使い安さを考慮していることがわかる。
後、この「中小会社会計基準」が税理士をはじめとする実務家に深く浸透し、商法に規定する「公正なる会計慣行」として広く認知されることを願ってやまない。

「中小会社会計基準」の抜粋
1.目的 この会計基準は、中小会社の経営実態を明らかにし、かつ、会社債権者や取引先をはじめとする計算書類の利用者にとって必要十分な情報開示を行うことを目的とし、商法上の計算書類を作成するに際して準拠すべき事項を定めることとする。
2.対象となる会社 この会計基準は、証券取引法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律第2条の適用を受ける会社以外の株式会社を対象とする。


7.時価の意義 時価とは公正な評価額をいう。その評価額は、市場価格を有するものについては、その価格を参酌して算定した価格をいい、市場価格を有しないものについては、その資産の現況に応じて合理的に算定した価額をいう。


22.税効果会計 一時差異の重要性が低い場合には、税効果会計を採用する必要はない。
また、繰越欠損金等に関する繰延税金資産の回収の確実性が疑問視される場合には、繰延税金資産を計上しないこととする。
その他会計処理上、重要性のある場合には、税効果会計を採用する。
23.キャッシュ・フロー計算書 キャッシュ・フロー計算書は、経営判断の基礎として作成することが望ましい。


なお、「中小会社会計基準」については、日本税理士会連合会のホームページで入手できる。
⇒日本税理士会連合会
新会計基準とは、企業会計審議会より公表された意見書等を基に設定された以下のような会計基準をいいます。
@ 「リース取引に係る会計基準の設定に関する意見書」(平成5年6月)
A 「研究開発費等に係る会計基準の設定に関する意見書」(平成10年3月)
B 「退職給付に係る会計基準の設定に関する意見書」(平成10年6月)
C 「税効果会計に係る会計基準の設定について」(平成10年10月)
D 「金融商品に係る会計基準の設定に関する意見書」(平成11年1月)
E 「外貨建取引等会計処理基準の設定に関する意見書」(平成11年10月)
F 「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(平成14年8月)
新会計基準の大きな特徴点として、時価会計の導入と一定の評価差額についての当期損益への計上があげられます。これまでの企業会計が実現主義と原価主義をその計算構造としているのに対して、新会計基準では時価主義と発生主義を軸とした計算構造を採用しているという点にその顕著な特徴点を見ることができます。