ポーランド戦                           3月28日  

 「仮想ベルギー」と「海外組のテスト」の意味合いが濃かったポーランド戦ですが、意外にも日本が先制して追加点を取ると相手に攻めの形を作らせず、(欧州での国際Aマッチ31年ぶりの勝利だそうです)完封勝ちしてしまいました。
 
 ポーランドというチームは詳しくは知りませんが、守りを固めてカウンターアタックが信条らしい。でもそれ程スピードが有る訳でもなく、中盤を組み立ててこないので相手としては守りやすいという印象です。それでもエースストライカーの「オリサデベ」は突破力もあり何度かドリブルで抜かれましたが、一人だけケアすれば失点の可能性が低いという弱点を露呈してしまった形です。

 日本のディフェンスは先のウクライナ戦に比べるとずいぶん安定してきました。川口は言葉によるコミュニケーションの大切さを痛感させられてきましたからね。久々に見せた勇姿、勘は戻ってました。ナイスセーブでした。
 
 今回は特にW杯代表メンバーの顔見せということで、誰がレギュラーに残るかのサバイバルですから個々のパフォーマンスは最高でした。中でもヒデ(中田)とシンジ(小野)は世界のトップクラスの頼もしさがありましたね。

 課題を見つけるのは難しいですが、もちろん選手個々に課せていると思いますが、考えますに今日のような試合がいつも出来るとは限らないということです。本番初戦のベルギーのように中盤でプレスをかけたり早いパス回しで組み立ててくる相手では、自由に球を持てないしプレスがきつければパスの精度も落ちます。

 これからW杯まで数試合ありますが、細かく修正していって本番では予選通過の可能性200%までに仕上げていって欲しいと思います。





ウクライナ戦の感想                      3月21日

 今日のウクライナ戦、対ロシアを想定してのシュミレーションは“攻守のバランスが良く、相手にほとんど攻撃のチャンスを与えない日本の圧勝”ということで日本国民両手をあげての楽観ぶり、ちょっと気になりました。

 久しぶりの国際Aマッチですから仕方ないのかも知れませんが、私が見たところ連携がどうもうまくいってなかったように思われます。

 新メンバーのテストもあったのでしょう、確かに攻撃パターンは増えました。サントスの上がり・キープ力・全てにおいての精度の高さ、そして右サイドでは市川の突破力、トップ下の小笠原のフィジカルの強さ・高いパス精度・シュート力、これらは日本代表の新鮮な戦力としての充分なもので、大きな収穫でした。
 
 でも今日の試合に限って言えば個人技に頼りすぎて組織プレーという点ではちょっと心配になるくらい悪かった。特に守備に回った時は最悪、見ていられませんでした。前半だけで2〜3点取られていてもおかしくない内容でした。

 中でも特に気になったのは3バックです。まあいちばん熟練を要するポジションにも関わらずメンバーが固定されていない弊害が起きたようで、何回かあまり高くない位置で3バック同士の無駄な球回しがあるなど、誰を攻撃の起点にするかはっきりとした意思統一がされていない曖昧な動きが目に付きました。

 チーム総得点の実に7割を叩き出しているシェフチェンコが居なかったことで3割ほどに削られてしまった攻撃力は日本にとってほとんどプレッシャーを感じないものでした。それでも、“あわや”という場面が何度かあってシュートの精度が高かったら形勢は逆転していたでしょう。

 次のポーランド戦、相手は強いです。しかもアウェー。“先制されて追い付き、逆転勝利を収める。”という戦いをしてもらいたいですね。そうなれば本物、本番に備えての自信が付くんですけどねえ。





W杯イヤーのJ開幕、そして取り残された海外組   2002年 3月4日

 Jリーグ10年目、節目のシーズンの幕開けです。そしてW杯イヤー、しかもホスト国。 “ああ、ここのピッチであのカードが・・・、ここで決勝戦が行われるんだ・・” などと想像しただけで第一節の結果などどうでもいい事になってしまうくらい、胸がワクワク落ち着かないのは私だけでしょうか。何しろ、初戦のベルギー戦まで丁度3ヶ月です。

 でもまあ、心中穏やかで無いのが選手たちで、とにかく代表メンバーに入れるかどうかのサバイバルレースである1stステージですから、嫌がうえにもモチベーションが上がるというもの。当落線上にいる者には特にガンバってもらいたいですね。

 そういえば今年もまた2チームが入れ替わり、J1にも新鮮な風が入ってきたように感じます。そこで、今期私なりに注目しているチームを挙げてみると。

(1)積極的な補強をして、上から下まで抜け目のないチームになったFマリノス。今期は優勝争いをしてもらいたいものです。
(2)こちらも日本代表クラスをバランスよく配置したベガルタ仙台。上位進出も夢ではありません。
(3)Jの中でもトップクラスの実力を持ちながらJ2に落ちてしまったC大阪。圧倒的な力の差を見せつけてやろう。

 何かしら爽やかさを漂わせたこの3チームにエールを送ります。

 ところで海外組なんですが。セリエもプレミアもシーズン終盤ですね。それで今レギュラーでないということは、もう今シーズンは試合出場が保証されてないということになります。
 稲本はビッグクラブの中で中身の濃い練習で充実しているらしいので良いとしても。問題はあまりにも弱いチームに入ってしまったので、負けが混んでくると戦犯扱いされ試合に出られない川口能活と、監督のシステムが理解できなくてガタガタになってしまったのを人のせいにする情けないチームの非難を一手に引き受けている中田ヒデです。この2人がまた強烈な責任感の持ち主で、自分でチームを何とか立て直そうと思っているんでしょうが、今、調子を落としている場合ではありません。自分のサッカー人生を思うならすぐにでも移籍(レンタルでも何でも試合のできる環境に)した方が良いと思うんですが。本当、迷ってる時間はないと思います・・・。

 まさか・・、パルマはイタリアでアルゼンチンの監督、そしてポーツマスはイングランド。対戦国の主力が調子を落とせば・・。それは無いでしょうが、でもあり得ないとも言い切れないんですよこれが。オランダは出場しないし・・・!?





W杯の対戦カードが決まりました                 12月2日 

 2002年W杯の組み合わせが決まりました。いよいよ、W杯が現実に始まった感があります。
 日本のHグループはベルギー、ロシア、チュニジアと大激戦のグループです。最近のFIFAランキングによると力が拮抗している4チームは、特にかなわないチームもなければ確実に勝てるであろう組みし易いチームもありません(予選を勝ち抜いてきた中に弱いチームはあり得ませんが)。ですから、どのチームも決勝トーナメント進出を見据えた戦いになるでしょう。
 
 W杯に過去1度出場・3戦全敗と本番での実績が皆無に等しい日本にとっては、ホスト国としての決勝トーナメント進出という責務を果たすためにかなり厳しい戦いを強いられる事が予想されます。対戦する3チームはそれぞれW杯での実績があります。その実績が大きな後ろ盾となってチームを支えているはずです。その牙城は並大抵のことでは崩せません。あと180日、日本はあらゆる手段を投じて埼玉に全勢力を注ぐべきです。

           【対戦国のW杯における最近3大会の成績】
  
ベルギー(6大会連続11度目の出場)             

  1998年フランス大会
     (予選敗退)
  1994年アメリカ大会
     (ベスト16)
  1990年イタリア大会
     (ベスト14)
△0−0対オランダ
△2−2対メキシコ
△1−1対韓国
○1−0対モロッコ
○1−0対オランダ
●0−1対サウジ
○2−0対韓国
○3−1対ウルグアイ
●1−2対スペイン
※予選敗退だがオランダ、メキシコと引き分けている ※決勝T1回戦でドイツに2−3と惜敗 ※決勝T1回戦、イングランドに延長の末0−1と惜敗

ロシア(2大会ぶり9度目の出場)

 1998年フランス大会
    
 1994年アメリカ大会
    (予選敗退)
  1990年イタリア大会
 (ソ連として、予選敗退)
    ― ●0−2対ブラジル
●1−3対スウェーデン
○6−1対カメルーン
●0−2対ルーマニア
●0−2対アルゼンチン
○4−0対カメルーン
    ― ※予選敗退だが、前回ベスト8のカメルーンに勝利 ※予選敗退だが、ベスト8のカメルーンに勝利


チュニジア(2大会連続3度目の出場)

 1998年フランス大会
    (予選敗退) 
 1994年アメリカ大会
     
1978年アルゼンチン大会
     (予選敗退)
△1−1対ルーマニア
●0−2対イングランド
●0−1対コロンビア     
    ― ●0−1対ポーランド
△0−0対西ドイツ
○3−1対メキシコ
※予選敗退だがルーマニアと引き分けている         ― ※予選敗退だが、メキシコに勝ち、西ドイツと引き分け





Jリーグの存在意義をもう一度考えてみて下さい      11月18日                      

 鹿島アントラーズ優勝おめでとうございます。去年の実績からして役者が揃えば当然の結果でしょうね。そしてベガルタ仙台、東北初のJ1昇格本当におめでとうございます。それから京都も戻ってきたんですね。

 Jリーグもいよいよ大詰め、何と最終節で昇格・降格が決まるというドラマチックな展開に該当チームの関係者もサポーターも一喜一憂、まさに天にも祈る思いでいることでしょう。

 ところで、第2ステージで年間順位が確定してしまうJ1はセレッソ大阪の降格が早々と決まってしまいましたが、昨年優勝争いをしたチームが西澤1人抜けただけでこんなにも勝てなくなるとは。チームのバランスが崩れたときのもろさを露呈してしまいました。それは鹿島の1stステージにも現れました。
 しかし、そんな中で高原・名波の主力2人を欠きながら好成績を残した磐田にはチームの完成度の高さを感じました。

 さて来週の最終節、降格の可能性があるチームに東京Vと横浜があります。Jリーグ以前から常に優勝争いをしてきた彼らはもちろんJでも頂点に立ったことのある名門です。何が悪かったのか、フロントは真剣に考える必要があるでしょう。それはW杯後のJの存在意義・日本代表の方向性にも反映されます。

 日本サッカーの衰退!なんて考えたくもないですから。 





イタリア戦                                      11月8日

 日本対イタリア戦、楽しみにしていました。この日をどれほど指折り数えて待っていたことか。
 何が楽しみかというと、サッカーファンなら一番有名な海外リーグであることは言うまでもありませんが・・・。トッティー、デルピエロ、インザーギが日本のスタジアムでプレーするんですから、もうたまりませんよね。

 しかしそれ以上に私は、今の日本ならもしかしたらイタリアに勝てるんじゃないかと密かに期待していました。
 イタリアは1−0で勝つ事を美学としている守りのチームです。日本が苦手としているガツガツと攻めてくるチームと違って、押し込まれるというプレッシャーがかからない分日本が得意とする押し上げやサイド攻撃ができるやりやすいタイプの相手ではないだろうかと思ったわけです。
 
 そして結果は1−1のドロー。思った通り、相手のコンディションを差し引いても互角に戦えたと思います。収穫はあったし課題もしっかり見つかりました。できればもっといいコンディションでやらせたかった感はありますがまあ仕方ないでしょう。
 今や世界のトップと試合をこなしてきた日本にはもうどんな相手でも憶することはないという自信が経験によって植え付けられました。今後日本をなめてかかってくるチームは無いと思います。何しろワールドカップはホームで戦えるわけですから。その分研究されもっとプレッシャーがきつくなることは明らかです。選手個々、監督の更なるレベルアップが必要でしょうね。

 さて、次の楽しみはトヨタカップですね。高原が出てゴールすればこんなに嬉しいことはありません。12月の「組み合わせ抽選会」に弾みがつきそうです。いや、日本人として出場するだけでも歴史的な快挙です。

Good Luck!    





備えあれば憂いなし                        10月10日

 驚きました。セネガルがあれほど組織プレーに秀でていたとは。身体能力が高い上に意思統一がしっかり成されてしまう相手に日本は何もできませんでした。
 コンディションが悪く緊張が解けない試合早々、いきなり奇襲攻撃され、焦った日本はパスミスをくり返すばかり。人も動けないしボールも回らないので自陣から攻め上がりができないアリ地獄のような恐怖体験をしたはずです。

 では、日本が絶対かなわない相手なのでしょうか。もっとコンディションが良かったら、ホームゲームだったら、コンフェデ杯のカメルーン戦のように日本の特徴である前線からのプレス・押し上げ・早いパス回しなどの組織プレーで充分崩せるんじゃないかと思いますが。で、絶対に勝てるという相手でもありません。

 2戦目の相手ナイジェリアは甘く見てたのか個人技に頼り、こちらの思うつぼにはまりました。しかし彼らは劣勢でも「勝ち点1」を挙げる術を知っていました。”負けられない日本”に対して、”どうせ親善試合だから負けなければいい”戦い方ができるナイジェリアとの間に大きな差があるのを感じてしまいました。「経験の差」なのでしょうか。
 果たして、ワールドカップで1勝も経験したことがない日本は、予選リーグでアフリカ勢とあたった場合の戦い方を見つけ出せたのでしょうか。

 今回の遠征で対戦した2ヶ国は真剣勝負でワールドカップ予選を勝ちあがってきましたが、日本はもう3年以上もフル代表で勝つか負けるかの真剣勝負をしていません。
 勝つだろう、大丈夫だろうでは不安でたまりません。「備えあれば憂いなし。」せめて、数多くの対外試合を糧として本番に備える準備をしてもらいたいと思います。



 
                 
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