STORY〜物語〜

第3話/かけられた手錠!!
登場キャラクター アリサ、西沢、警察官A
追っ手の人数 3人(うち2人は西沢と警察官Aがそれぞれ
射殺、1人は事故死)

ストーリー

溶けていく追っ手の死体を前に、身体を小刻みに震わせながらしゃがみ
こんでいるアリサ。絶叫し、その場を走り去ったアリサは、近くの工事
現場の物陰にその身体を縮ませていた。追っ手の恐怖に怯えながらも、
アリサは移送空間の入口と出口が別々にあり、出口は捜さなければいけ
ないことを知る。

「でも、どうやって‥‥‥?捜せないわ、捜せない。こんなに広い世界
をどうやって‥‥」

アリサの不安は募るばかりだった。バッグに何か手がかりがあるかもし
れない、と思ったとき、アリサは追っ手に襲われた際、バッグを落とし
たことに気づいた。追っ手がいるかもしれない、と一度は躊躇するアリ
サだったが、意を決して、バッグを取りに行くことにした。その時、足
音がアリサの耳に入った。

懐中電灯の明かりはモーゼルを構えるアリサを照らしていた。一瞬たじ
ろく警官だったが、物陰に隠れ、拳銃を構える、銃を捨てて出てくるよ
う呼びかける。銃を向けた相手が警察官であると知ったアリサは、モー
ゼルをホルスターに収め、ブレスレットとバックルを合わせてホルスタ
ーを消した。アリサは警官の前に出て、銃を持っていないと主張するが、
警官はアリサの腕に手錠をかけ、交番へと連行した。

アリサはこれまでの出来事を警官に話すが、信じてもらえるわけもなく、
留置所へと入れられてしまう。警官が身元を調べようとしたとき、アリ
サの保護者を装った2人の追っ手が交番に入ってきた。追っ手が警官に
助けを求めるアリサを引き取り、その場を去ろうとした時、警官は背広
の下に拳銃のホルスターらしきものを見つけた。追っ手は警官を気絶さ
せ、アリサを眠らせると、交番を後にした。そこへ見回りから戻ってき
た別の警官=西沢に見られた。西沢は追っ手からの発砲を避けると、拳
銃を撃ち、1人を射殺した。溶けていく死体に驚く西沢だが、アリサを
乗せた車を追おうとする。追っ手の銃が西沢の肩を撃ち抜いた。その時、
西沢の銃の発砲音で気絶していた警官が目を覚ました。その警官は西沢
に代わって車にめがけて銃を連発し、1発がタイヤに命中した。コント
ロールを失った車は電柱に激突。その衝撃で後席のアリサは意識を取り
戻し、落としていた自分のバッグを見つけた。追っ手は警官に向けて撃
とうとするも、警官がすかさず発砲、命中するや否や溶けていった。

車を降り、その場を走り去るアリサ。西沢は声をかけようとするが、同
僚の警官がそれを止めた。

「このまま行かせたほうがいいような気がするんだ」

溶けていく追っ手の死体を見て「悪夢だ」という警官。しかし、アリサ
の言っていることは本当だったのかもしれないと思うのだった。

「不思議な国のアリサ‥‥‥」

2人の警官は闇の中を走り続けるアリサを見送るのだった。

チェックポイント
・第1話と本話の銃撃戦は住宅街のど真ん中でやっているわけだが、追
っ手の死体が溶けるところを誰かに見られなかったのだろうか。

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