アリサと追っ手を乗せた車が移送空間から抜け出した。地面に着地する
車。それと同時に両方のドアからアリサと追っ手が飛び出した。同時に
撃ちあうが、アリサのモーゼルが追っ手の胸に命中した。2発、3発と
モーゼルを撃ち続けるアリサ。だが、追っ手が放った1発が車の前部に
命中した。死体となった追っ手の身体は溶け、その直後、車は爆発した。
それに巻き込まれたアリサは水溜りに吹き飛ばされ、泥だらけになって
しまう。アリサは自分が別の世界に飛んだことを認識し、その場を後に
した。
滝で水浴びを楽しんでいるアリサは、大介という少年と出会う。食事を
済ませた大介はある場所へと向かい、アリサもついていくことにした。
大介が向かったのは廃坑跡の穴で、アリサに代議士・亀田の別荘を見せ
た。彼はこの別荘の庭に侵入するべく、2週間近く穴を堀り続けていた。
理由を尋ねるアリサに対し、大介は別荘に監禁されていると思われる父
を救出するためだと答えた。彼には確証があった。それは父の笛の音が
聞こえたというのだ。
大介の父は母が病気で倒れたのを気に職業あっせん所の紹介で働きに出
た。しかし、連絡が途絶えてしまい、行方不明になってしまった。1カ
月前に母がなくなり、大介は父を捜すべく会社の住所―亀田代議士の別
荘へとやって来て、その時に父の笛を聞いたのだった。父に会いたいと
いう大介の気持ちがアリサには分かっていた。やがて、アリサも穴掘り
を手伝うのだった。
ついに別荘の庭にたどり着いた大介は、このまま別荘へと忍び込むこと
にする。そんな大介に呆れるアリサだったが、彼の後を追った。庭に上
がったアリサはパチンコで何かを狙っている大介を見るのだった‥‥。 |