第11話
追いつめられて！！

ベスターの執拗な追撃により、歩道橋上で挟み撃ちにあったアリサ。モ
ーゼルに残された弾丸は３発。階段を昇りきった１人の追っ手をアリサ
は射殺する。だが、ベスターの的確な射撃によって、右肩を撃たれてし
まう。「銃を捨てろ！」とアリサに迫るベスター。絶望感が募るアリサ
の目に１台のダンプが見えた。そして、ある考えが浮かんだ。アリサは
モーゼルでベスターたちをけん制すると、歩道橋の下を通過するダンプ
の荷台へと飛び降りた。倒れながらも着地に成功するアリサ。ベスター
はダンプに狙おうとするが、捉えることはできず、部下に車を回すよう
指示をする。

ダンプの荷台に飛び移ったアリサは激しく息を切らした後、モーゼルの
マガジンを入れ替えた。ダンプから降りるタイミングを模索するアリサ。
しかし、右足から激痛が走った。右足をいたわるアリサだったが、次第
に意識が遠のいていった‥‥‥。

一方、車に乗ったベスターは別の場所で待機にしている部下にアリサの
乗ったダンプを見つけるよう連絡していた。追跡されていることを知る
由もなく、眠り続けるアリサを荷台に乗せて走るダンプ。そのダンプを
待機していたＣ号が見つけ、追跡を始める。

ダンプは市街地を抜け、ひと気の少ない郊外を走っていた。タイミング
を見計らっていたＣ号はスピードを上げ、ダンプを抜くと、そのまま前
に塞がり、強制的にダンプを停車させた。急ブレーキによって、目を覚
ますアリサ。様子を伺ったアリサは追っ手の姿を確認するとトラックの
荷台から降りた。アリサを見つけた追っ手はダンプの運転手を気絶させ
る。だが、アリサは追っ手の１人を射殺。さらにけん制で数発撃つと、
草むらの中へと逃げ込んだ。追っ手も草むらへと飛び込み、静寂を破っ
ての銃撃戦が繰り広げられた。１人の追っ手を射殺したアリサの耳に川
の流れる音が聞こえた。木の棒を投げて追っ手を引きつけると、アリサ
は川岸へと移動した。小さな舟がロープでつながっているのを見つける
アリサ。だが、その時物音が！追っ手がすぐそばまで近づいていた。再
び展開される激しい銃撃戦。アリサはモーゼルを数発撃ちこみ、３人目
の追っ手を仕留める。しかし、最後の１人はアリサを背後から狙ってい
た。アリサは急いで身体の向きを変えたが‥‥。

「ドゥッ　ドゥッ　ドゥッ」

銃声が鳴り響いた後、川原に静けさが戻った。地面に置いたモーゼルを
握り締めている右手、わき腹から流れ出る血を抑えている左手‥‥。心
地よい風に揺れ動く草々の中にアリサは倒れていた。

「星が‥‥‥‥‥‥」

柔らかい草の上で、花のように眠るアリサ。ゆっくりと開いた少女の目
に映ったのは、満天の空に広がる無数の星の輝きだった‥‥。

ベスターを乗せた車はダンプに追いついた。しかし、ダンプの運転手が
倒れているだけで、部下が全員アリサに殺られた後だった。