たしか、洋楽ロック専門誌「ロッキングオン」に出ていたフジロックフェスティバル開催の広告を見たのが参加のきっかけだったと思う。

1997年は僕が結婚した年でもあり、フジロック10周年を祝う洋楽ロック専門誌の特集記事を目にする機会があったときなどは個人的にも感慨深いものがあった。

日本における野外ロックフェスティバルの先駆けである同フェスティバル。その10年間に我が子が2人も誕生し、自身も30代に突入するという私生活での変化を受けとめながら、これからも家族の協力をへて僕は仲間と共に、年に一度の大イベント・毎年恒例のフジロックフェスティバルに参加する。

記録として残すほどの内容はないのだけれども、参加した証を文章として残すことはそれなりに意味のあることだと思って始めた。写真が無いのは少々残念だと思うのだけれども、楽しくて写真撮ってる時間なんかなかったので、文章主体の記録となっているのは仕方のないことだったりする。

なお、記憶力頼みなので事実と反する事があるかもしれない。(更新08年3月23日)

『1997年』富士山:二日目参加予定だった(23歳)

第1回目となる『フジロックフェスティバル』が富士山で開催された。奇しくも2日目は嵐により中止となってしまった。

初日のチケットが取れず、2日目に仲間3人で富士山へ向かった。天候は快晴でとても会場が嵐だなどとは想像もつかないほどに下界は天候に恵まれていた。山を登っていくにつれ天候は悪くなり、開場入り口まで来たところで『これは無理だ・・・』という状況を認識した。 こんなにも下界は晴れ晴れしているのに残念でならない。しかたなく山中湖の近くのうどん屋で『ほうとう』を食べて帰宅の途についた。

(参加:男3名、交通手段:自家用車)

『1998年』東京ベイサイドスクエア:初日参加(24歳)

東京の埋め立て地『晴海』で第2回が開催された。初日に参加しここで初めて、生『ビョーク』を体験することとなった。会場には、太陽の日射しを遮る木陰は見当たらず曇りのち晴れの天候の変化にはやられた。木陰すらなく、また『モッシュ』をするものだから足下はぬかるんでくる始末。おまけにヘドロ臭い。『ブランキージェットシティ』のときには客がぎゅうぎゅう詰め状態で、『モッシュ』や『ダイブ』の嵐、『俺は死ぬかもしれない』と本気で思った。

臭くて暑いフジロックを体験したのは思い出として残るけれども、もうここでは開催しないだろうなあという確信みたいなものが自分の気持ちの中にはあった。そんな予想はみごと的中し1999年から現在の新潟県は苗場に会場を移したのだった。

(参加:男2名、交通手段:電車)

『1999年』新潟県苗場スキー場:初日・二日目参加(25歳)

嵐の天神山、臭くて暑かった晴海を得て、現在の礎を築いたと言ってもいい苗場での開催はこの年から始まった。この頃はまだ昆虫がたくさんいて『トンボ』やら『バッタ』などが自然の中にいることを強く認識させたように思う。そんな環境の中で好きな音楽が聴ける幸せと言ったらもう・・・。

フジロックもまだ3回目で手探り状態の中での苗場での開催、いつまでも続いて欲しいと願わずにはいられなかった。

(参加:男5名・女2名、交通手段:自家用車)

『2000年』新潟県苗場スキー場:三日間参加(26歳)

苗場を会場にして2回目の開催となったこの年は、野外ロックフェスティバルも地に足をつけた形で運営がなされたように思う。その年ごとに問題を上げれば際限なく出てくるような気もするが、一参加者として関わった感想としては比較的満足度の高いロックフェスだったように思う。

天候に恵まれると、ドリンク類の消費が増えてトイレには長蛇の列ができるのもいたしかたない状況にあった。ゴミの分別などでは『A SEED JAPAN』との協力で世界一クリーンなロックフェスが実現できたことは世界に誇る素晴らしい出来事だった。これも主催者と参加者の協同の営みの成果だと思う。世界に誇れることはどんどんやった方がいい。

アーティストの出演状況としてグリーンステージでは今は亡き『エリオット・スミス』、嵐の天神山から2回目となる『フーファイターズ』、いまでは恒例の『ケミカルブラザーズ』、フジロックで最後を迎えた『ブランキージェットシティ』、キム・ゴードンのブルーのドレスが印象的だった『ソニックユース』、元ストーンローゼスの『イアン・ブラウン』、3日間の最後を飾った『プライマルスクリーム』、そしてフジロックグリーンステージの本当の最後を飾った日本のオルタナバンド『ソウルフラワーユニオン』。ここに上げた彼らを3日間で堪能できたのは本当に貴重な体験だったと思う。特に『ソウルフラワーユニオン』は2日目にフィールドオブヘブンでも観たけれども、グリーンステージの彼らは本当に素晴らしかった。20世紀最後のフジロックフェスティバルはこんな出演者たちで盛り上がったのだった。

(参加:男3名・女1名、交通手段:自家用車)

『2001年』新潟県苗場スキー場:三日間参加(27歳)

これまで参加したフジロックフェスティバルの中でも最高の3日間が21世紀初頭に訪れてしまった。その後のフジロックを心配してしまうほどの出演者。

グリーンステージでは、初日UK組『エイジアン・ダブ・ファウンデーション』と『オアシス』。2日目はアメリカ・カナダ勢の『パティ・スミス』『ステレオフォニックス』『アラニス・モリセット』『ニールヤング・クレイジーホース』。最終日『トゥール』、そして日本において最高のタイミングで出演した『エミネム・D12』。2日目レッドマーキーでの出演だった『ロン・セクスミス』。すっかり魅了させられてしまい、CDラックにはずらりとアルバムがならんでいる。

なんと言っても2日目が最高の流れでまさに贅沢の極みだった。もちろん初日のトリだった『オアシス』も良かったし、最終日の『エミネム・D12』もフジロックの歴史に深く刻み込まれたと思う。それでも2日目は自分にとって特別な1日になった。あの時間の流れが忘れられない。ロックフェスティバルの醍醐味がこの年に集約された感があった。

参加経験も豊富になってきて、難なくタープも張れるようになった。初日はとにかく陣地が確立されたらかけつけ一杯のハイネケンで乾杯。これをして初めて自分たちのフジロックが始まるといってもいいくらい。食事はタイラーメンやカレー、肉類が多い。繊維質のものが摂取しずらい環境にあるため便秘になりやすい。

(参加:男3人・女1名、交通手段:自家用車)

『2002年』新潟県苗場スキー場:三日間参加(28歳)

21世紀最初のフジロックがあまりにも印象的だった為、必要以上に期待しないで参加したのがこの年だった。欲張ってステージの前の方まで行ったのはごくわずかだったように思う。初日はどちらかというと『まったり』ムードで一日を過ごした。グリーンステージは『ミューズ』がかっこ良かった。『プロディジー』がその日最後を飾ったが、旬を過ぎた感が否めなかった。

この年、一番の収穫はなんと言っても2日目のグリーンステージだった。ちょっと拍子抜けしてしまった『ラブサイケデリコ』を除けば、陣地から眺めながら聴いていた『忌野清志郎&矢野顕子』はラブ&ピースな雰囲気がとても良かったし、フジロック02で最も期待していた『井上陽水』は夕方から始まりヒットメドレーのオンパレード。周りを山々に囲まれたステージに夕日と陽水サウンドが見事にマッチして極上の音楽空間を作り出していた。『少年時代』をはじめ数々の名曲を生で聴けてほんとうに良かった。ステージ近くまで聴きにいっただけあって感動の連続だったし鳥肌ものだった。贅沢な時間を過ごしてしまった。その日の締めは『ケミカルブラザース』だった。

最終日のグリーンステージは『フーファイターズ』のデイブ・グロールがドラムを叩いた『クイーンズ・オブ・ザ・ストーンエイジ』や『ジェーンズ・アディクション』などを聴きにステージ前まで行った。

フジロック02の最後を飾った『レッドホットチリペッパーズ』。ステージとその周辺に集まった参加者の中には、彼らのアルバム『カリフォルニケイション』や『バイザウェイ』でファンになった人たちも大勢いたに違いない。※出るはずのない『ジョージ・クリントン』がステージに乱入していたのもフェスティバルならではだった
(参加:男2名・女1名、交通手段:自家用車)

『2003年』新潟県苗場スキー場:三日間参加(29歳)

初日から雨で大変なリスニング環境だった。かけつけ一杯のビールは飲んだけれども寒くて寒くてなかなか減らなかった。陣地に張ったテントからあまり出たくなかったし、夕方になるにつれて冷え込んできて『早く帰りたい』の気持ちでいっぱいだった。こんな気持ちになるなんて初めてだった。

フジロック第1回目の嵐の天神山に比べたらマシなのかもしれないけれども、それを体験していない身としては、この環境下では体力の消耗がはげしくて気持ちよく音楽を聴くなんてとても出来なかった。それでも、 初日グリーンステージまで『ザ・リバティーンズ』や『ザ・ミュージック』は聴きにいった。その日最後の『アンダーワールド』は未体験のまま、寒さに勝てずに宿泊先に向かってしまった。本当につらかった。

2日目は初日よりマシな天候だった。曇りと小雨が交互にやってくる感じではあったけれども、陣地から眺め観た『山崎まさよし』は爽やかそのもので好印象だった。『エイジアン・ダブ・ファウンデーション』も2MCがそれなりに様になってきた感じだった。2日目のトリは『ビョーク』だけれどもその前の出演が『プライマル・スクリーム』で、これがまたかっこ良かった。音楽的にはここまででそれなりに満腹感があるのだが、やはり『ビョーク』は別格。いや、別腹といったほうがかもしれない。本当に素晴らしいステージで、美しさと力強さを兼ね備えた歌声もさることながら、その演出にも驚かされるばかりだった。

最終日の天候でやっとフェスティバルらしさを感じた。しかし地面はぬかるんでいて長靴なしでは移動もままならない。そんな状況下で『エヴァネッセンス』のヒットソングを遠くで聴き、『マッシブアタック』のメッセージ性に圧倒されながら陣地をあとにしたのだった。

正直、『マッシブアタック』を最後まで体験できなかったのは後悔している。最後まで聴きたかったと今でも思っている。
 きっといつ振り返っても『散々なロックフェスティバル』だったという印象は拭いきれないだろうと思う。楽しむに楽しめなかった。唯一の収穫は『ビョーク』。ホント彼女に救われた気がした。※Link
(参加:男2名・女1名、交通手段:自家用車)

『2004年』新潟県苗場スキー場:三日間参加(30歳)

この年の目当てはグリーンステージでの『HAVEN』と『PJ Harvey』、オレンジコートの日本勢/沖縄勢『BEGIN』と『UA』だった。

『PJ Harvey』は想像以上に良くて、なんで今まで聴いてこなかったのかと思うほどかっこ良かったのを憶えている。深紅の衣装がとても印象的でアルバムジャケットに映る彼女の印象とは随分違うとも思った。

前後するが『HAVEN』はそれなりに良かった。好きな曲ばかり聴く事ができたし、かっこ良かったと思う。これからもっと経験を積んで深みのあるサウンドを聴かせて欲しいなあと思う。

『BEGIN』は本当に良かった。フジロックフェスティバルで聴く事ができて幸せだと思った。オレンジコートというロケーションが良かったのかもしれない。曲的には「涙そうそう」はもちろん良かったし、この場で初めて耳にした「かりゆしの夜」なんて最高だった。忘れられないライブがまた一つ増えた。
 『UA』もグリーンステージなんかでやるよりも、全然こっちのほうが良かった。アルバム「SUN」からも数曲唄ってくれた。アルバム製作と同じ様なメンツがバックを固めていたのがよかったのだと思う。

レッドマーキーでみた『YEAH YEAH YEAHS』は今、思い出しても凄かったと言えるパフォーマンスだったと思う。さすがにアルバムは未購入だけれども、パワー炸裂で会場は盛り上がっていたし、ボーカルの彼女のエロティックな感じもライブに反映されてて印象に残る内容だった。

『COURTNEY LOVE』は遠目から眺める感じで聴いていたが、かなりのダミ声で俺には関係ないかもと思ってしまった。

最終日のトリ一歩手前での出演だった 『The White Stripes』はカッコイイの一言だ。メグのドラムも良かったし、ジャックのギターもキレがあってよかった。なんかビールの『のどごし感』を表現しているみたいだが、ほんとうにそんな印象で『スキっと爽快、切れ味最高』だった。

他、軽く観たり聴いたりしたのは『Official Jimi Hendrix Tribute Band』や『忌野清志郎&NICE MIDDLE with NEW BLUE DAY HORNS』などなど。
(参加:男2名・女1名、交通手段:自家用車)

『2005年』新潟県苗場スキー場:三日間参加(31歳)

今年の俺的注目ラインナップは以下の通り。この通りにすべてを体験することはないと思うが、『白井貴子』と『Foo Fighters』は必ず体験する。
『Soul Flower Union』はフジロックでしか楽しんだことがないので今年もと思っている。『Strange Love Psychedelico』は数年前の『Love Psychedelico』があまりインパクトがなかったので再チャレンジするつもり。あとは、一緒に行った仲間とのスケジュール調整で観たり観なかったりすることはあるので欲張らないようにしようと思う。
(記:05.07.11)

今年の3日間も雨につきまとわれた感のある『in苗場』だった。雨具の用意はバッチリだったし、タープ等の禁止令を受けて『杖にもなる携帯が簡便で軽量なイス』を常に持ち歩いていたので、どこでも休憩できる状態が作り出せたのは非常に良いアイディアだった。ライブ前の待ち時間に使用したり、食事の列で待つ状態がさけられないことが多々あったりしたが、余計な体力を使う必要がなかったことが3日間を有意義に過ごせた勝因だったと思う。このイスを見つけてきた仲間に感謝するばかりだ。
さて『29日』が初日だった訳だが、ゲートで並ぶ時間もなくスムーズに会場に入る事ができた。うっかりしていたのは、首からさげる『タイムテーブル』をもらい忘れていたこと。すぐに気づき今年もしっかり自分へのお土産として持ち帰ることができた。

<<グリーンステージ>>

1.『The HIGH-LOWS』:純粋に良かった。普段、聴く事もしないのだけれど、ボーカルのヒロトの人柄がにじみ出ていてフジロックならではのライブだったのではと思う。過去に数回の出演経験があり素通りする形でアリーナの方まで聴きにいく事はなかったのだけれども、今回はステージ前方まで行って参加者との距離の短さをとても感じた好印象なライブだった。またあのシンプルな衣装がブルーハーツ時代を思わせていい感じだった。※そう感じたのは僕だけ?

2.『The Music』:2ndアルバムからの曲が多かったように思った。フルアルバムを所有していないのでなんとも言えないが、彼ららしいリズムとビートを刻んだ曲は、特に最初期のヒットチューンで完成しているように思う。盛り上がりもやはりその辺で最高潮になったし、全体的には似たような印象をうける曲が多いので、なじみの深い最初期の曲ほど参加者のノリは良いように感じた。

3.『Foo Fighters』:期待していただけのことはあったが、デイブ・グロールのサービス精神にはやられた。アリーナにおりてファンを喜ばせるばかりか、ステージと相向かいの各種コンソールがあるところまでいって間近で唄ってみせたり、足場に登って高い所からアピールしたりと至れり尽くせりのステージ。日本語を使って笑わせたり、皆が望んでいたであろうドラムを演奏する勇姿までみせてくれた。参加者サービスを随所に見てとることが出来たし、楽曲も1stアルバムからNEWアルバムまでまんべんなく聴く事ができたように思う。満足度の高いライブで初日のトリを務めるに値するだけの展開をみせてくれたと思う。
前回のフジロックライブの時も間近で聴いたが、今回はバンドとしての一体感や演奏、パフォーマンスが格段に向上していて余裕と貫禄のライブだったと思う。加入脱退を幾度か経験してバンドの歴史も10年になったということが、デイブに相当の自信を付けさせたのではないか。
来年、またフジロックに出演するようなことがあれば今度は『アコースティック』主体のライブを展開して欲しいと思う。

<<ホワイトステージ>>

1.『The Pogues』:2〜3曲くらい聴いて、フーファイターズに行ってしまった。アイリッシュトラッドということなのだが、まさかこんな形で「ソウルフラワーユニオン」の源流をかいま見ることが出来る、というか感じるとは思いもしなかった。まさか、共演するようなことはないだろうと思っていたが、噂もとくに聞かないので共演などはなかったのだなと思った。陽気な演奏がとても印象的だった。

<<ジプシー・アヴァロン>>

1.『ポカスカジャン・バンバンバザール』:まあ、だいたいにおいて僕がここアヴァロンに行くときは食事が目的である。今回もそうだったので店で食べ物を購入してステージ後方の山側に陣取って腹ごしらえをした。
 そんな訳で、腹ごしらえの時間に観たのが彼ら2組だったのである。自分の感覚からすると、お昼時になると「笑っていいとも」にテレビのチャンネルを合わせて食事をするようなものだったのだが、これがなかなか笑えて楽しめてよかった。青森弁で唄ったボサノバも大変良かった。

2.『白井貴子』:僕は彼女目当てでアヴァロンまでいった。「ポカスカジャン・バンバンバザール」と食事を済ませて待ちに待ったステージだった。彼女との距離は2〜3mくだいだったと思う。アフリカンビートにのせて唄う姿が印象的だった。アフリカンビートとの出会いはテレビ番組の『世界うるるん滞在記』だったと彼女は話していた。
 ほんとうに楽しそうに唄う「白井貴子」が間近で観られてよかった。短い時間の中でのパフォーマンスだったが選曲も良かったと思う。雨がどしゃぶりにならなければサイン入りCDを購入しようかと思ったが、もうそういう状況になくてそれがなんとも残念でならなかった。来年もフジロックという環境の中でパフォーマンスを観られたらいいなあと思う。
(記:05.08.14)

二日目も音楽三昧。当たり前のことだが仕事のことなど頭の片隅にもなく、ゲートをくぐればとりあえずハイネケンで乾杯。ただ天候には注意を払って『パラッ』と雨が降りだしたらすかさず雨合羽を取り出せるように準備だけは万全にしておいた。
この日はチケットも完売ということで、初日の人数もさることながら二日目はさらに多いということがわかっていたので、なんとなくうんざりした気分もない訳でもなかった。

<<グリーンステージ>>

1.『BECK』:彼が結婚して父親になってから初めて聴いたライブ。少し顔つきがシャープになったというか眼光鋭いまなざしで隙のない印象を受けた。
アルバム『グエロ』からの選曲ではじまり、新旧の曲目を織り交ぜてのベスト的なライブになったと思う。「ルーザー」や「デビルズ・ヘアカット」も聴けたし、グエロ収録の曲もとても良かった。「ノウバディーズフェルトバットマイオウン」は特に印象に残った。また、バックバンドが食器を使って表現するところなんて大絶賛&めちゃくちゃ盛り上がった。当初、グエロの曲目がライブでどう聴けるのか心配していたのだがそんな事おかまいなしにやってくれたので、彼は十分に健在ぶりをアピール出来たのではないか。初日の『FOO FIGHTERS』同様にベストアクトだった。

<<レッドマーキー>>

1.『The Dresden Dolls』:「ナイン・インチ・ネイルズ」のバックバンドを務めていた方達らしい。全く知識のない状態で聴いたのだが、歌も演奏もパフォーマンスも良くて印象に残る男女2人組だった。ロックな印象はあまりなかったけれども、そういうバンドも混ざって音楽を表現できる場がフジロックにあることが素晴らしいと思う。

2.『PEALOUT』:フジロックフェスティバルでの最後を選んだ彼らの解散ライブ。特にアルバムを持っている訳でもないのだが、行って聴けば盛り上がるなかなか良いバンドだった。そんな訳で当然盛り上がったし、いいかたちでのアンコールもあって素敵な最後を迎えることができたのではないかと思う。※解散の理由は知らないがちょっと惜しい気もする。

<<オレンジコート>>

1.『100s-Hyaku-shiki-』:中村一義のバンド。こんなことを言って大変恐縮なのだが、彼があんなに背が低いとは思わなかったので正直驚いた。パフォーマンス的には全く問題ないし迫力のあるライブで楽しめる事ができた。出演者の当人達が楽しく演奏しているのがファンにとっては一番だし、それがベストアクトにつながっていくのだと思う。
フジロックは客層もいいのかもしれない。
(記:05.08.21)

最終日はまったり過ごした。翌日は仕事だったから・・・

<ホワイトステージ>

1.『Soul Flower Union』:昼間から彼らを堪能した。この時はじめてNEWアルバムが発売されていたことを知った。アルバム『ロロサエモナムール』の3曲目「松葉杖の男」が結構よかった。と、いうか全体的にいい感じで聴くたびにいいライブなのではずれがないという感じ。ただ聴きたい曲が演奏されない時はちょっと寂しくなったりすることもある。彼らのライブを堪能したあとは必ずといっていいほど彼らのアルバムを購入している。今年はアイリッシュトラッドの『ポーグス』を聴いたこともあって、ソウルフラワーユニオンの源流を知った気がした。来年も出演してほしい。

<オレンジコート>

1.『Strange Love Psychedelico』:やっぱりだめだった。ボーカルのクミが致命的。凄く残念。前回、グリーンステージで聴いた時に『まだ、ビッグステージで聴くには早いバンド』だなと思ったし、キンキンボイスで思いっきり唄っているだけで歌唱力に乏しいという印象を受けてしまった記憶がある。曲調は好きなんだけれども、問題のボーカルがどうにかならないと『ストレンジ』になっても結局は何も変わらないということを、今回あらためて感じた。思いっきり唄っているだけだから『ゆらぎ感』がない。だから全然、心に残らない。耳をつんざく歌声に『もうこれくらいでいいかな』って思ってしまった。
ボイストレーニングする必要あり。歌唱力があれば絶対にのびるはず。もったいない。
(記:05.09.16)

(参加:男2名・女1名、交通手段:自家用車)

『2006年』新潟県苗場スキー場:三日間参加(32歳)

(参加:男2名、交通手段:自家用車)

『2007年』新潟県苗場スキー場:三日間参加(33歳)

フジロック07

本年7月27日・28日・29日の3日間、新潟県は苗場スキー場を会場にして開催されたフジロックフェスティバル07(主催:スマッシュ)に今年も参加してきた。

今年は3日間のほとんどをグリーンステージ周辺で過ごすという、これまでにない参加の仕方であった。絶対に「このバンドは観る!」という強い気持ちは無かったので、逆に普段聴かない人たちのパフォーマンスを体験できたのは良かった。
20代前半の頃の参加の仕方は貪欲にフェスを楽しみ尽くす(支払った参加費分の元を取るぜっ!的な楽しみ方)という欲深な参加者だったように思う。

27日(金)初日は、近年まれに見る良い天気に恵まれ正にフェスティバル日和であった。気持ちよく晴れ渡った会場で飲む1年ぶりのハイネケンビールも格別であった。

<27日に観たステージ>

・サンボマスター<グリーン/11:00 ̄>
・MUSE<グリーン/19:20 ̄>
・THE CURE<グリーン/21:30 ̄> ※一日目ヘッドライナー

グリーンステージ一発目が「サンボマスター」だった。この時間帯ではかなりの人だかりで人気の高さを伺うことができた。ステージ向かって左後方のハイネケンの販売テントの近くに陣取ったところからは、歌もトークも良く聞こえて初日一発目としては上出来だった思う。

サンボマスターのステージ終了後、天気の良いうちに会場を一周してきた。グリーンステージから森の中を通ってホワイトステージ手前(脇)にあるボードウォークを利用して一気にオレンジコートへ。が、しかしかなりの混み具合だったので会場入りは見合わせて、ヘブンの方へと向かうところで目がとまった。

今年も会えることを楽しみの一つにしていた、その人と早々に会うことが出来たのだった。はっきり言って感動した。それでもってまずは堅い握手を交わし、その場で談笑。女性は息子と毎年参加していて97年の第1回目からの皆勤賞。昨年も偶然に最終日に会うことができたのだけれども、結局初日のみの偶然の再会で二日目、最終日とも会うことは無かった。ちなみにその女性の息子は小学生のことからのフジロッカーで「つじあやの」が好きな高校1年生になったのだとか。

<28日に観たステージ>

・JULIETTE & THE LICKS<グリーン/11:00 ̄>
・!!!(チック・チック・チック)<グリーン/14:20 ̄>
・KULA SHAKER<グリーン/15:50 ̄>
・KAISER CHIEFS<グリーン/17:30 ̄>
・iggy & the stooges<グリーン19:20 ̄>
・BEASTIE BOYS<グリーン/21:30 ̄> ※二日目ヘッドライナー

!!!(チック・チック・チック)がかなり良かった。今まで一度も聴いたことが無かったけれども、ステージは最高だった。音楽CD買おうかと思ったくらいに気持ちよく体験できた。

KULA SHAKERはたしかに僕ら90年代の青春の1頁に相当するバンドだったかもしれないけれど、懐かしさ半分で特に期待するようなステージでは無かったと個人的には思った。はじめの数曲を聴いていつの間にか寝入ってしまった。

KAISER CHIEFSは、なかなか良かった。ボーカルの方が本番中にステージ向かって右手にあるポカリスエットのテントまで、 ドリンクを買いに柵を乗り越えたときには爆笑した。フジロックならではのアットホームなハプニングも手伝ってライブも好意的に見ることが出来た。

iggy & the stoogesのステージはフジロック史上の伝説になるであろうハプニングに大爆笑だった。イギー・ポップが参加者をあおるのが悪いんだと思うけれど、それに応えてしまったファンもファンだと思う。多くのファンがステージエリア前方の柵を乗り越えて、グリーンステージにいるイギー・ポップのところまで行ってしまった。しかも数人でなく30人とか40人というようなファンの数に、イギー本人も驚いたことだと思う。イギーにマイクを向けられ一緒に歌ったファン達にとっては最高の瞬間だったと思うけれども、収拾のつかないステージで、イギーは関係者に手を引っ張られ一端、舞台そでに連れて行かれた光景は、いうことを聞かない子どもを無理矢理連れて行く感じで滑稽にも思えた。

ステージは停止状態、アナウンスは「お客さん!ステージから降りてください!」「お客さん!イギー・ポップのステージまだ観たいでしょ!」などなど、主催者もこんなハプニングは初めてだったのではないだろうか。

で、しっかりファンをステージから降ろしてライブは再開されたのだった。

BEASTIE BOYSもはじめての体験だった。想像していたよりもかなりエンターテインメントしていたので、期待していなかった割には好感の持てるステージで楽しく拝見した。職場の新入職員(30歳)の彼は、BEASTIE BOYSのファンだったので見せてやりたかったなあと思った。でも、いつのまにか寝入ってしまっていた。

<29日・最終日のステージ>

・SOIL & "PIMP" SESSIONS<グリーン/11:00 ̄>
・FERMIN MUGURUZA<グリーン/12:25 ̄>
・MIKA<グリーン/14:20 ̄>
・JOSS STONE<グリーン/15:50 ̄>
・HAPPY MONDAYS<グリーン17:30 ̄>
・SOUL FLOWER UNION<ヘブン19:30 ̄>

SOIL & "PIMP" SESSIONSで最終日がスタートした。どうも、日本人アーティストではじまる朝一番のライブはとても盛り上がるらしい。二日目はどうしたって参加者数が3日間で一番多いから、金曜日の初日と最終日の日曜日に日本人アーティストをトップバッターに持ってくるのは、なかなか良いアイディアかもしれない。

FERMIN MUGURUZAも良いライブだった。イメージからするとギャングのボスがボーカルで歌っているような、ファミリーな感じのバンドだったけれども大変気持ちよく盛り上がることができ、飽きることがなかった。

MIKAが凄かった。日本でのライブは今回のフジロックフェスティバルが初めてのステージングだと言うことを本人がいっていた。曲の印象は非常にポップでこの人(男性)がレバノン出身だなんてとても思えないほど陽気で明るい歌とステージだった。演出も風船あり、紙吹雪ありで楽しめたし、なんと言っても彼のそのはつらつとしたパフォーマンスが好印象だった。まるで80年代の洋楽ポピュラーアーティストが20年の時を超えて、洗練されて蘇ったような印象を僕はもった。

JOSS STONEは、グリーンステージ唯一の紅一点だった。出演アーティストのほとんどがバンドスタイルだったのに対し、彼女はソロアーティストとして、バックバンドを従え、コーラス2人と共に熱唱していた。歌のうまい方はもっとたくさんいるでしょうが、若さとかわいらしさと将来性を加味するとステージでのパフォーマンスもそれなりによかったのではないかと思う。けっして細身の体型ではないけれども、どちらかというとスパイダーマンに出演していた「キルスティン・ダンスト」系の体型で、これからもっと声量をつけるにはこれくらいがいいのかもしれないと思った。まあ、でもかわいらしかったので良かったのではないでしょうか。
彼女のライブのときに一時的に大雨が降り、どうなることかと思ったが、彼女も参加者の気持ちを察したのだろう。自分から雨に打たれていた。

HAPPY MONDAYSも全く聴いたことのないバンドでした。フジには何回か出演しているようですが、今回のような参加スタイルだったから観たというかなり消極的な評価です。特に興味をそそるようなバンドではありませんでした。

SOUL FLOWER UNIONこそは、フジロック唯一の参加目的バンドだった。はじまる1時間前にグリーンステージでパフォーマンスをしているHAPPY MONDAYSを後にして、そそくさとフィールド・オブ・ヘブンへ向かった。グリーンステージからヘブンまで、ボードウォークを利用して15分くらいで到着。会場内に人だかりはまだなく、ステージ前方に陣取っている男連中が10人ばかりいる程度で、これからあんなに人が集まるなんて想像も出来なかった。

僕が楽しんだ位置は、音響テントとステージの丁度中間くらいで少し左より。

はじまるやいなや、大盛り上がり。しかもゲストは伊丹英子さん。ドーナル・ラニーと結婚して一児をもうけ、現在はソウルフラワーユニオンの別動隊でのみ参加しているというのをウィキペディアで知ったのはフジロックから帰ってきてからのことだった。

で、ステージの方はというとソウルフラワー的ヒットパレードで、フジロックに参加して良かったと思えるステージだった。あまり曲の名前を覚えている方ではないのだけれども、思いつく限り列挙したいと思う。

<ソウルフラワーユニオンの演奏目録>
・満月の夕
・松葉杖の男
・極東戦線異状なし
・うたは自由をめざす!
・そら
・バンクロバー
・ブルーマンデーパレード
※他、思い出せず・・・・・。

そんな訳で、今年のフジロック07はソウルフラワーユニオンで無事終了することができた。いい思い出ができて良かった。来年もまた参加したいと思う。その時は、是非ソウルフラワーユニオンを2000年の時のようにグリーンステージでその勇姿を見せてもらいたいと思う。

ちなみに「極東戦線異状なし」は安倍首相の名前が入った替え歌でした。

(参加:男2名、交通手段:自家用車)

『2008年』新潟県苗場スキー場:三日間参加(34歳)

『2009年』新潟県苗場スキー場:三日間参加(35歳)

『2010年』新潟県苗場スキー場:三日間参加(36歳)

『2011年』新潟県苗場スキー場:三日間参加(37歳)