ACOUSTAT MODEL3 一寸お手入れ
 このスピーカーは、2019年7月、ヤフオクで落札して、福島県郡山までレンタカーで引き取りに行ったものです。 引き取ってきたものの、大きくて重いので、納戸に仕舞いっぱなしになっていました。 MODEL3 SLIMLINE を聴く度に、その兄貴分であるこのスピーカーのことが思い出され、ずっと気にはなっていました。 2023年の春だったと思うのですが、人手のあるときに二階の作業室兼リスニングルームに上げました。 そのとき聴いた印象は、何だかSLIMLINE より寝ぼけた音で、当然のことながら、劣化が進み、能率も下がっているな、というという感じでした。 その後もたまに聴いてはいたのですが、ACOUSTAT の潜在能力は感じさせるものの、本来の音ではない感じで、いずれレストアしなければ、と思っていました。 2024年になって、特にきっかけはなかったのですが、とりあえず高圧回路だけでも直してみよう、という気になりました。 インターフェイスを開けてみると、構成はSLIMLINE と一緒ですが、部品の配置は全く違っています。 高圧回路のキャパシタとダイオードは勿論、過去に導通のなくなった前歴のある、出力に直列に入れられている500MΩの抵抗も念のため交換しました。 無事に交換を終えて、ふと気付いたのですが、何やら基板が濡れています。
 何と、ネットワークの終端、ユニットに繋がる箇所に直列に入っているキャパシタからオイルが漏れているではないですか。 両ch 調べてみましたら、四個あるうちの一つだけでした。 まあ、経年を考えれは仕方のないことですが、SLIMLINEの方も、これから手掛けるスピーカーの場合も交換しなければいけないのだろうな、ということです。

 早速調べたのですが、何と、同じものは、私が調べた限りでは売られていません。 最近は、兎に角、高圧系の部品は入手困難です。 少し焦りました。 丹念に調べると、アキシャルはありませんが、ラジアルならありました。 この際、どちらが高音質かなんて言っていられません。 将来の不安もあり、20個発注してしまいました。
右が外したもので、左が購入したものです。  何となく右の方が音が良さそう・・・
 交換後の様子です。  取付穴は、一つは既存の穴を流用できましたが、もう片側は基板に新たに開け、裏側で配線しました。

 早速聴いてみました。 やはり前とは違います。 全体にクリアーになり、分解能も上がっています。 普通のスピーカーのネットワークの古くなったコンデンサーを交換したときと同じような印象です。 でも、左右の音圧が違いますし、耳を付けると、個々のユニットの音圧に差があるようで、当然のことながら劣化は進んでいるようです。

 こうなると、SLIMLINE の方も交換すべきでしょう。 こちらはレストア中ですので、レストアと併せてコンデンサーを替えようかとも思ったのですが、やはり、手を付けていない側だけ替えてみて、その効果を聴いてみようと思っています。 その結果は、SLIMLINE のレストアのページのどこかに書きます。
 話は変わりまして・・・MODEL3 のユニット数の話です。 ACOUSTAT のモデル名の数字はユニット数だと理解はしていたのですが、MODEL3 とMODEL3 SLIMLINE とは違っていると思い込んでいました。 その原因は前面投影面積でして、SLIMLINE が三枚なら、MODEL3 は短いユニットが六枚ではないかと、確認もせずに何故か思っていました。 そんなことは MODEL3 のグリルネットを下して見ればすぐ判るのですが、これが結構面倒なのです。 今回、前面をグリルネットの上から触ってみましたら、ユニット構成は両者同じですね。 MODEL3 の方が上の方にユニットが付いているだけ背が高い、それだけでした。 音の出る中心位置の調整とバッフル効果のためでしょうが、これだけの高さの差だけで、随分威圧感が違うものです。 ( 幅はMODEL3 が72cm、何故かSLIMLINE 方が70cmと2cm短い。 高さの差は30cm の違いがあります。)
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