QUAD レストア方法
そ の 他
防塵フィルム

写真のとおり、オリジナルではフロント、リアともに防塵フィルムが張られています。
このフィルムは枠に張られていて、枠ごと取り外せます。

このフィルムを付けた理由を推測すると、開発されたのが1960年代であり、当時の喫煙状況、ディーゼル排気ガスの状況、更には暖房用などの石炭の使用状況などを考慮すると、これらの微粒子が振動膜に付着するという問題があったのだろうと思います。
しかし、振動膜が空気を動かし、その空気が防塵フィルムを動かし、そして、その防塵フィルムが動かした空気を音として聴いている訳で、どうも隔靴掻痒の感が拭えず、精神衛生上好ましいとは言えません。 この防塵フィルムを外すと明らかに音の鮮度が上がります。 この防塵フィルムの汚れを見ると、(もちろん 使用環境に依存しますが ) 20年以上使用されたと思われるものでもわずかにグレーに見える程度に汚れているだけです。 現在の環境を考慮すると、振動膜に微粒子が付着して性能が劣化すると考えるのはいささか考え過ぎの感があるような気がします。 なお、STAX 、 MARTIN LOGAN 、 ACOUSTAT には、元々このような防塵フィルムはありません。

また、防塵フィルムどころか、パンチングメタルやグリルネットまで外して使用している人もいるそうです。 確かに、そこまでやればユニットの音をダイレクトに聴けてベストであるのは判りますが、美観・剛性・安全性に問題が出そうで、一般家庭では如何なものかと思います。

背面は音質には殆ど関係ないようですし、僅かでも遮蔽したいので、2020年3月まではフィルムはそのまま残していました。 現在は、下に追記したとおり、前後ともにフィルムは無くしています。 なお、枠は残して嵌め込んでありますので、お勧めはしませんが、再度フィルムを張ることは可能です。

2020/04/09 追記
不思議な事案に二件立て続けに遭遇しました。 

一件目は防塵フィルムからのノイズです。
レストアが完成し、お送りしたことろ ジーーーッ という微かなノイズが出るとのことでした。 ノイズの音量が背面の方が大きいという何とも不思議なもので、トランスの鳴きまで疑いましたが、兎に角送っていただいて調べることに・・・
後ろから息を吹きかけるとノイズが変化します ? ? ? ?
電源を入れたままフィルムを外していくとノイズが変化し、外し終わるとノイズは無し。
防塵フィルムが帯電してノイズが出ていると思い、帯電防止剤を塗布してみても、清掃してみても変化ありません。
帯電防止剤を塗布してもノイズが出るのは、帯電した静電気の逃げ場がないためではないのか、と推測しています。
手持ちの別のフィルムを嵌めてみるとノイズは出ませんので、これはこれで完了としました。

二件目は防塵フィルムのビビリです。
それほどの大音量でなくとも低音の( 特定の帯域 ? ) でビビリが出ていました。
最初は躯体のビビリなども含めて色々と調べましたが、結論としてフィルムから出ていました。
フィルムを見ても、厚み・材質ともにオリジナルのようで、何とも不思議な現象です。
前記のノイズのケースもあり、こちらの場合は、手持ちのものに交換することはせず、フィルムを外してしまいました。

原因究明は兎も角、かねてからの考えのとおり、今後は、リアの防塵フィルムもなしにすることにしました。
元々、防塵フィルムは不要と考え、フロントは外していました。 リアは音への影響も少ないだろうと思い残してきましたが、外すと低域の抜けが良くなるというご意見もあり、前後ともに外すことにしました。

   


入力端子

下の写真のとおり、モデルや製造時期によって色々なものが使われているようです
PRO−63でも、比較的普通の形状のものもあれば、バナナプラグ専用のものもあります。 また、コネクターの形状も二種類あります。

左のものは、普通の形状ですが、上からはバナナプラグが入りません。
 

と書きましたが、2019年4月末に気付きました。 この端子は、上部の中央がプラグ(栓)になっていて、外すと三枚目の写真のようになり、バナナブラグが上から入ります。 つまり、このプラグは三枚目の写真のものと同じで、三枚目の写真の端子は、栓が無くなっているものでした。 
こちらはバナナプラグ専用の端子です。これは作りが悪く、破損しているものが多く見受けられます。
ESL−63ではコネクターは設けられていません。
このタイプの端子ですと、上からバナナプラグが挿せますので、破損がなければ交換はしていません。

最初の写真の説明で追記したとおり、栓が無くなっていますが、支障はありません。
交換後の端子です。

バナナプラグにも対応した一般的なものを使用しています


電源スイッチ

シーソー型のものが使われていますが、動きがかなり渋くなっているものが多く、接触不良や破損のリスクがありますので、分解掃除をしています。



オリジナルのものは、樹脂の筒を輪切りにしたようなものを本体に留め、それに蓋をしたような脚が使われています。 蓋がなくなっていたり、脚そのものが無くなっといるものが多く見受けられます。
 同じような構造のものは手に入らないので、樹脂製のモールドタイプの同じような寸法のものを付けています。
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