思い付くまま ・・・・・ 遅延回路コイル騒動顛末 結末編
さて、結末編ですが、大変遅くなり申し訳ありませんでした。 実は、前回直後に、こんな結末になる予感はあったのですが、もう少し何とかならないものかという思いもあり、、時間が過ぎてしまいました。 結局、これまで何もできませんでしたので、ここで一区切りとして、結末編とすることにしました。

順を追って説明します。
前回の最後に書きましたとおり、「どこが断線しているのか、はたして断線の原因は判るのか」ということが今回の眼目です。

まず、蝋で封入されているコイルを取り出しました。 
直径は42mm、厚さは5mmでした。
写真でもお判りと思いますが、中央と外周上部から巻き線の終端が出ています。
線の細さは私の想像以上の細さで、導通をみるためにエナメルを剥がすべく半田メッキしようとしたのですが、「銅食われ」が起きてしまうほど細い線でした。
最低域の信号は、この細い線のコイルを六個通ってくるわけで、妙に感心してしまいました。 静電型スピーカーの信号は、電流ではなく電圧で電力を稼いでいると判ってはいても、この線の細さには驚きました。

静電型スピーカーの入力トランスは、雑駁に言えば、真空管アンプの出力トランスの入出力を逆に使っているようなものですので、前記の電圧・電流・電力の関係で、発音ユニット側の出力巻線は細いもので済みます。 と判ってはいても、このコイルの線の細さには驚きました。 考えててみれば、インピーダンスが高い回路ですので、流れる電流から必要とされる最も細い線径を設定し、必要インダクタンスを確保すると、こんなコイルになるのだと思います。

本題に戻って・・・
問題は導通です。 このコイルのどこかで断線していました。
ケース端子と、このコイルとの接続部分での導通不良というのを期待したのですが、結果は、残念ながら、このコイル内部の断線でした。

蝋をきれいに落としたケースの写真です。 あまり意味はありませんが参考までに・・・

やっと今回の眼目です。
このコイル内部のどこかで断線していることは判明しました。 どこで、どんな風に断線しているのか、そして、断線の原因は何なのか・・・ということです。
これを調べるには、コイルをほどくしかなさそうです。 ここでやる気が失せてしまいました。 この、ものすごく長そうな線をほぐすの ?   どこで切れているか判ったところでどうなるの ?  切れているところが見つかれば断線の原因が判るの ?  原因が判ったとしても今後の対処方法はあるの ?  などなど・・・・  止める理由が次々と浮かんできます。
そして、イソップ寓話「酸っぱい葡萄」の狐になってしまいましたとさ。 どうせエナメル線の不均質が原因で、大入力時に運悪く切れたんでしょ。 これまで100台以上扱ってきて、こんなことは初めてなんだから、対処法を確立する必要もないでしょ。 万一同じことが起きたらコイルを交換すればいいだけなんだし。 コイルが切れたときのノイズを記録できだけでも大収穫でしょ。

もう一人の自分がしつこく囁きます。 ほんとにそれでいいの ?   切れた場所も原因もほんとは知りたいんでしよ。 何となくモヤモヤしたまま放っておいていいの ? 

でも、結局、イソップの狐のように、この場を立ち去ることにしました。

という訳で、何か特別な事態が生じない限り、この案件は進展しそうもないので、今回、結末とした次第です。
何やら尻切れトンボ風で申し訳ありません。

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