思い付くまま ・・・・・ 原因不明
まずは写真をご覧ください。
この写真は、ESL−63の信号遅延回路(ネットワーク)のプリント基板裏側で、コンデンサーが付けられている部分の一部です。
中央やや右に、炭化しように黒くなっている部分があります。 電流が流れて炭化したものと思われ、その熱で蝋も溶けたようで、下(写真では左側)に流れ出ています。

それでは、何故炭化が起きたのでしょうか。 ここからは想像です。
フィルムが枠から剥がれて信号電極であるプリント基板と接触し、フィルムにかかっている高圧が信号電極を通って遅延回路に流れ込んだのではないでしょうか。 しかし、この信号電極プリント基板のフィルム側は樹脂側ですし、その樹脂に面しているフィルムの面は導電剤が塗布されていない面ですので、フィルムが剥がれても、通常はフィルムの高圧側と信号電極プリント基板の金属側が接触することはありません。 しかし、フィルムの破れ方によってはそのようなことが起きることも考えられなくはありません。 フィルムが破れた時点でノイズが出ますので、通常はその時点であまり使用しなくなるはずです。 この個体の場合は、不運な破れ方に重ねて、その後もこれほど炭化するまで通電されていたということなのでしょうか。
原因として、落雷などによるサージ電流などの可能性も考えましたが、信号系の回路はAC系とは繋がっていませんし、仮に落雷等による被害があるとしたら、AC電源に繋がっている高圧系や保護回路などが飛ぶはずです。

この個体では、正常なユニットを装着しても歪んだ高音しか出なかったため、遅延回路に問題がるあことは予想できました。 しかし、こんな炭化が起きているとは全く考えもしませんでした。 この部分は外からは見にくいところにあり、分解して初めてこの炭化を発見し、コンデンサーの異常も見付けることができました。

珍しい故障だと思います。 いい勉強になりました。

教訓 ・・・ ノイズが出たらあまり通電しない方がいいかもしれません。 余計な故障を招くかも。
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