思い付くまま ・・・・・ 書かずにはいられない その壱

色々と悩んだんです。
営業妨害と言われるかもしれないとか、嫌がらせに遭うかもしれないとか・・・・
カッコつける訳ではありませんが、自分の役割としては、やはり言うべきだとの結論に達しました。
反論があるなら公開の場で議論しましょう。 私に誤りがあれば謝罪いたします。

さて、テーマは 「手を出してはいけないレストア済 QUAD 63系」 です。

63系とくくりましたが、 63 PRO-63 988 989 2805 2905 2812 2912 のことです。

これらのシリーズ最大の問題点はノイズの発生で、その主な機序は次のとおりです。
まず、信号電極とフレームとが剥離します。 すると、必然的に信号電極とフィルムの距離が近付き、
放電が起き、ノイズが発生するとともにフィルムに穴が開きます。 この剥離は接着剤の劣化によって起きていますので、同時期にフィルムがフレームから剝れたりもします。 すると、フィルムに穴が開くばかりでなく、大きく破れたりもします。 その結果、高圧のリークによって、高圧回路の素子も傷める可能性もあります。

 言いたいこと・・・電極剥離防止措置をしていないものに手を出してはいけない !

状態の良いユニットを集めて組んだ、というものが売りに出されています。 しかし、電極の剥離は時間の問題です。 2812 2912 は、製造後それほど時間が経っていませんので、私か手掛けたもので電極の剥離が起きていたものは流石にありませんでした。 「程度の良いユニットを集めて」というからには、本体を分解して取り出したはずで、程度の良いユニットと悪いユニットが混在しているものから、状態の良いものを取り出したのでしょう。 わざわざ 2812 2912 から取り出すとは考えにくいですし、出回っている数から考えても、63 や PRO-63 から取り出すケースが多いものと思います。 ということは、程度の良いものであっても、製造されてから、程度の悪いものと同じだけ時間が経っているということです。 つまり、状態の良いものであっても、接着剤の劣化による剥離が起きるのは時間の問題ですよ、ということです。

 次に、この剥離を防止するため、接着剤を後付けして補強する、という手があります。 このHPにも書いてあるとおり、フィルムを張り替えずにこの手法を採りますと、「キノコ」が生える可能性がありますし、そもそも、接着剤の後付けによる補強では、所詮、接着剤の劣化からは逃れられず、単なる時間稼ぎにしか過ぎません。。

 それではどうしたらよいか、ということですが、フレームと信号電極とを、接着剤以外の方法でつける、ということになります。 オリジナルのものでも、ラグの付いているところでは剥離は起きていません。 ですので、私が採用している手法は、このHPにも上げてあるとおり、ラグの増設です。 この方法がベストとは申しませんが、兎に角、フレームと信号電極とを、経年劣化に強い方法でつける、ということに尽きます。

 そして、フレームと信号電極とを経年劣化に強い方法でつける、ということになりますと、次の理由により、同時に、フィルムを張り替える方がよい、と私は考えています。
 まず、前記のとおり、接着剤の劣化は、フイルムの貼り付けの箇所にも起きている、ということです。 そして、これも前記のとおり、ノイズが発生していたということは、確実にフィルムに穴が開いているか、破れているといことです。 更に、フイルムをそのままにしてラグを増設したりする作業は非常にデリケートですので、、穴が開いたリ接着剤が劣化したりしているフィルムをそのままにしてこの作業をする意味はない、ということです。

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