思い付くまま ・・・・・ 書かずにはいられない その参

今回は、 壱 弐 に書いていない事項をまとめました。

ユニットに対して、「延命治療(フィルムが剥がれにくくする処置)」を施した、というものが売りに出されています。 この処置がどういうものか、私には全く想像できません。 どういうことかと言いますと・・・
下の写真をご覧ください。 上辺はまだ剥がれていませんが、下辺はフィルムとフレームとが剥がれてしまっています。 フィルムにはテンションがかかっていますので、フレームから剥がれますと、内側に引っ張られ、皺がよっているのがお判りいただけると思います。



ここで、ちょっと判りにくい話にになるかもしれませんが、本題に繋がることですので我慢してお読みください。 ご存知のとおり、フレームは、フィルムが貼られたものと、高圧を給電するためのアルミ箔が上下辺に貼られたものとの二枚か合わされています。 この二枚はクリップで留められていますので、クリップの力と経年による固着とで、上手くすると、フィルムを貼っている接着剤が劣化しても、上の写真のようにはならない場合があります。 逆に言いますと、二枚のフレームを離したとたんに、上の写真のような状態になる場合もあるということです。

ここで問題です。

フィルムか剥がれにくくする処置 ・・・・・ とはどうやるのか、考えてみてください。
フレームを離してもフィルムが剥離していない場合、つまり写真上辺のような状態であった場合、どのように処置するのでしょうか。 フィルムが貼り付いている状態で剥がれにくくする処置とは ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 
そして、写真下辺のような状態の場合、フィルムにテンションをかけて再接着、ということになりますが、どうやるのでしょうか ・ ・ ・ ・


次に参ります。
ヤフオクに出品されていた STAX ESS-4A の説明で、「
QUAD ESL57同様、音量が安定するまでに時間がかかります(不具合ではなく設計上の理由です)」という説明を見ました。
この「設計上の理由」とやらを是非ご教示願いたいと思っています。

ちなみに、私が高圧回路もレストアしたものは、電源ONの直後から、規定の音圧が出て、それは変化しません。 これは、私のレストアが、オリジナルの「設計上の理由」とやらを無視しているということなのでしょうか。

殆どの音響機器は、本来の音(この場合は「音質」)が出るまで、ある程度の暖機が必要であることは認めます。 これは、静電型スピーカーの場合、主に信号入力トランスの暖機の問題です。 高圧の給電では、長時間使用していなかった機器でも、正常なものであれば、電源投入後、数秒で電荷は貯まります。 QUAD では、その様子をネオン管で見ることができます。 SW ON にすると、数秒間は、ほぼ間断なくネオン管が点滅して初期の給電が完了します。 そして、その後は、空中などへのリーク分を補充するための、通常の数秒間隔の点滅になります。 ところが、高圧回路の素子や導電剤が劣化していると、規定の電圧 ・ 電荷に達するまでかなりの時間がかかることになります。 この状態で電源をいれっぱなしにするということは、劣化している電源素子の劣化を更に促進させているだけのことですので、正しい処置は、早急な修理です。
QUAD のマニュアルには、「消費電力が少ないので、電源は入れっぱなしでもよい」と書かれていることも誤解を生む一因かとも思いますが、「入れっぱなしの方がよい」とは書かれていません。 電源入れっぱなしは、高圧回路素子の劣化を促進させているだけのことです。 静電型スピーカーの動作原理や高圧給電の仕組みについては色々なサイトに書かれていますのでご覧になってください。

なお、信号入力トランスの暖機のために、電源は入れずとも、信号を入れ続ければよいのでは ・ ・ ・ と思われるかもしれませんが、これは止めてください。 高圧が給電されていない状態で信号が入るということは、トランスが無負荷で働くということで、ただトランスを傷めるだけ、場合によっては断線ということになります。

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