最近呑んだ吟醸酒について |
2008年10−12月分
これからの話は消費者(飲み手)という立場で書いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。また、音楽とか味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思います。
よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。
◆月に一度の例会とイレギラーで飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か皆様への判断基準を書きます。
A;味、B;香り、C;コストパフォーマンス、D;総合評価を、各5点評価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表します。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてしまうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。
私の独断と偏見なしで評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間違ってはいないと思います。
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2009年次回例会は 1月31日(土)です。
2008年12月27日(土)
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1.金光酒造(広島県東広島市)
純米 「賀茂金秀」
しぼりたて酒 原料米;八反錦、 精米歩合;60% 【アルコール分】 16.8度 1.8L \2,625 A;味5、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+ E寸評; 新酒。 ぐい飲みに色がほんのり着いて、細かい泡がス〜っとあがる。品良く濃度を感じる旨さが安心感を感じる。新酒の酸味無く旨味充分バランス良く飲みやすい。コストパフォーマンス最高で料理に合わせるのが勿体ないぐらい完璧な仕上がりを見せている。
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2.福禄寿酒造(秋田県五城目町)
純米吟醸 「一白水成」
無濾過生原酒 原料米;−、 精米歩合;50% 【アルコール分】 17度 1.8L \2,940 A;味5、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+ E寸評; 袋しぼりたて新酒。 吟醸香が静かに立ち上がり、品の良さを予感させる。予感的中し、旨味十分で、過不足なくバランスして旨い。
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3.三浦酒造(青森県弘前市)
純米吟醸 「豊盃17BY」
生酒 原料米;山田錦、 精米歩合;55% 【アルコール分】 15〜16度 1.8L \3,000 A;味5、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 E寸評; 18.3.瓶詰め在庫無し。 17BYから19BYまで3本を飲み比べる。三浦兄弟の杜氏が仕込み水を変え、新たに吟醸酒に力を入れて醸した豊盃原点の酒。さらりと旨味が伝わり年を重ねたが少しも老いを感じさせない。品良くバランスして何も足さず、何も削る事がない安定した旨さが飲み手を感動させる。
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4.三浦酒造(青森県弘前市)
純米吟醸 「豊盃18BY」
生酒 原料米;山田錦、 精米歩合;55% 【アルコール分】 15〜16度 1.8L \3,000 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 E寸評; 19.2.瓶詰め。 17BYより濃厚な味わい、色も適度について旨味も濃く、力強い。3本の中で重量感があり、飲み応えのあるビンテージものの佳酒。
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5.三浦酒造(青森県弘前市)
純米吟醸 「豊盃19BY」
生酒 原料米;山田錦、 精米歩合;55% 【アルコール分】 15〜16度 1.8L \3,000 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 E寸評; 20.2.瓶詰め。 豊盃はどちらかというと、新酒より熟成酒が旨いが、これも例外なく旨い。前年の濃厚タイプから淡麗タイプに戻る。甘く柔らかく素直に心にしみ入る。20BY(この冬醸される)は未だ発売されていないので、これが手に入る最新酒。
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6.来福酒造(茨城県筑西市)
純米大吟醸 「来福
1割1分磨」 生酒 原料米;ひたち錦、 精米歩合;11% 【アルコール分】 15〜16度 【日本酒度】+5 【酸度】1.3 1.8L \10,000 A;味5、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+ E寸評; なんて贅沢な造りなのでしょう。酒造好適米を1割1分磨 まで磨き上げ、逆に言えば8割9分ぬかとして捨てているのです。粟の様に小さくなった仕込み米がサンプルとして首に吊り下がっていますが、見事と言うよりありません。 熟成感が出て色が着き、ピークを越し始めた19年6月瓶詰めの美女。約2年経った絶世の美女が、年を経とるとこの様な熟成感とひね香が混ざった独特の味になってしまうのか。若い時はゾクゾクさせたのでしょうね。その時お相手したかったが、好みの分かれるところでしょう。これは蔵元の責任ではなく、飲み手が勝手に酒販店で冷蔵庫保存したものです。 |
2008年11月29日(土)
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1.新谷酒造(山口県山口市)
本醸造 「駿 当歳」 生酒しぼりたて 原料米;−、 精米歩合;60% 【アルコール分】 15〜16度 1.8L \2,095 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4 E寸評; 今回ただ一つの新酒。酸味と雑味が感じられるが出来は上々。新酒の若さと荒々しさが同居した今だけの酒。
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2.富士高砂酒造(静岡県富士宮市)
純米吟醸 「高砂 槽掛中取」 無濾過生原酒 原料米;山田錦、 精米歩合;55% 【アルコール分】 17〜18度 【日本酒度】+6 【酸度】1.25 【酵母】静岡酵母NEW-5 1.8L \3,150 A;味4−、B;香り3、C;コストパフォーマンス3、D;総合評価4− E寸評; 毎年飲む高砂と雰囲気がガラッと違います。あの毎年飲む高砂はどこに行ってしまったのでしょう。酸味と雑味と渋みが残り、2杯目はなかなか手が出ない。1年寝たのにどうしたことでしょう。片口に移して飲むと少し落ち着く。
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3.緑川酒造(新潟県小出町)
吟醸 「雪洞貯蔵酒 緑」 冬季限定 原料米;美山錦、 精米歩合;55% 【アルコール分】 15〜16度 【日本酒度】+3.5 【酸度】1.5 1.8L \3,360 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4 E寸評; 1年経ったのにまだ新酒のごとく酸味がキツい。熟成感無いが、片口に移して飲むと酸味が柔らかくなってバランスした旨さになった。瓶ごと貯蔵ではなく、一度タンクに戻し、瓶詰めすれば酸味も和らぎ旨さが表面に浮き上がってくるのではないでしょうか。
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4.八百新酒造(山口県岩国市)
純米吟醸 「雁木 おりがらみ秋熟」 無濾過生原酒 原料米;山田錦、 精米歩合;50% 【アルコール分】 16〜17度 【日本酒度】+4.5 【酸度】1.5 【酵母】山口酵母9H・9E 1.8L \3,412 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4 E寸評; 細かいオリがわずかに酒の中に舞っている中、旨味が湧き出す。アルコール臭が強く旨味と分離している。
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5.旭酒造(山口県岩国市)
純米大吟醸 「獺祭」 原料米;山田錦、 精米歩合;45% 【アルコール分】 16〜17度 【日本酒度】+5 【酸度】1.5 1.8L \3,780 A;味4+、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+ E寸評; これも新酒のごとく酸味キツく熟成感ない。旨味が十分詰まっているのにバランス崩れている。片口に移して飲んでも味わい変わらず。
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6.三和酒造(静岡県静岡市) 大吟醸 「臥龍梅 45」 袋吊斗びん囲い 生貯原酒 原料米;滋賀県産山田錦、 精米歩合;45% 【アルコール分】 17〜18度 【日本酒度】+2.0 【酸度】1.4 1.8L \8,400 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価5 E寸評; 旨味充分、バランスし芳醇な旨さが伝わってくる。杜氏に感謝。でもこの価格なら当然なのかな。
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2008年10月25日(土)
1.瀧自慢酒造(三重県名張市)
純米吟醸 「瀧自慢 雄町」 原料米;備前雄町、 精米歩合;50% 【アルコール分】 16〜17度 【日本酒度】+4.0 【酸度】1.5 【酵母】蔵内自家酵母 1.8L \3,150 A;味4、B;香り3+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4 E寸評;柔らかくサラサラと喉を通りすぎる。香り弱し。雑味無く飲みやすい。
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2.酒田酒造(山形県酒田市)
純米吟醸 「上亀元」 原料米;亀の尾、 精米歩合;55% 【アルコール分】 17度 1.8L \3,150 A;味4+、B;香り3+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4 E寸評;丸く柔らかく甘いが香り弱く、腰弱い。雑味無く飲みやすい。
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3.土井酒造場(静岡県掛川市)
純米吟醸 「開運」 原料米;山田錦、 精米歩合;50% 【アルコール分】 16〜17度 【日本酒度】+7 1.8L \3,570 A;味4+、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+ E寸評;しっかりした味わいで、旨味が伝わってくる。
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4.亀の井酒造(山形県羽黒町)
純米大吟醸 「くどき上手」 原料米;短稈渡舟、 精米歩合;44% 【アルコール分】 17〜18度 【日本酒度】+0 【酸度】1.2 【酵母】M 310・小川 1.8L \3,675 A;味4+、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+ E寸評;酒造好適米・短稈渡舟は山田錦の一代前の米。素敵なラベルなんですから、最低限社名と住所は表示してください。 香り芳醇で、旨味充分。五味バランスして上品で旨い。
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5.松瀬酒造(滋賀県竜王町)
純米大吟醸 「まつのつかさ 2008」 原料米;渡舟6号、 精米歩合;50% 【アルコール分】 16.4度 【日本酒度】+5.0 【酸度】1.4 【酵母】金沢酵母 1.8L \3,780 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 E寸評;味わいまだまだ若さ十分。香りもまだまだ健在で旨さが伝わる。飲み手に媚びず、我が道をいきながら酒の原点をおさえている。
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6.いそのさわ(福岡県うきは市)
大吟醸 「駿 勢明(せめ)」 原料米;山田錦、 精米歩合;35% 【アルコール分】 15〜16度 1.8L \4,155 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 E寸評;香り高く旨味おしよせる。せめでありながら雑味無く、重さを感じさせない美酒、佳酒です。 |
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