常識になって欲しくはない、が…

「毒瓦斯の救急処置法」パンフで73万8千おまけ


 都立家政のブックマートの片隅に、300円で売られていた『終戦三論』(高田保馬、有恒社、昭和21年刊)を買って読む。
 著者は、敗戦の原因を振り返る中で、マルクス主義流入への対策が「極めて消極的非学問的の性質をもって居た」と指摘する。
 「思想に対するに思想を以て、理論に対するに理論を以て」対処せず、「権力と秘密警察を以てこれを禁圧した」、「其の研究を忌避するのみならず、其の批判其吟味分析をすらも(略)禁止した」と云うのだ。

 結局思想対策として与えられたものは、理論を止めて信ぜよ、という一言に尽きる。(略)国体明徴という方針が固有の範囲に於てのみ護られたのではない。ある政治的な立場を持つもの 階級的利害を持つものをして、これを旗印として自分の反対者を圧迫する手段として利用せしむるに至ったのである。(略)或る一派の人々が国体を旗印として一定の主張をすれば、これに反対し乃至批判せんとするものは悉く、自己の立場を失ってしまう。(略)力をもって立つものが国体の名を借りて何事かを断行しようとすれば、何事も自らなさんとしてなし得ざることなき状況が作り出されたのである。

 「国体」を別な言葉(『テロとの戦い』、『憲法九条』、『経済成長』、『健康』など)に置き換えてみると、世間にあふれる鬱陶しいモノ云いの根底にあるものが、「理論をやめて信ぜよ」から来ていることがわかる。声と力の大きさで今と未来を呑みこませようとする世界だ。云う方も反対する方も「聞く耳を持たない」から議論にならず、時間切れの採決となり、モヤモヤだけが残ってしまうのだ。

 そこから考えてみると、治安維持法第一条に「私有財産制度ヲ否認スルコトヲ目的トシテ」と明記された事が、戦前日本の不幸の原因ではなかったかと思うに至る。
 当時の「グローバルスタンダード」たる資本主義を終局には否定する、共産主義・社会主義運動(当時にあっては『新たなるグローバルスタンダード』でもあったはずだ)を封じ込める法律である以上、ここを削るわけにいかぬのは百も承知だが、ただ邪教視して遠ざけるのではなく、冷静にその得失を捉え、取るべきものは堂々と取るとしていれば、「思想弾圧」とされた事件の多くは発生せず、それに関わった人たち(取り締まる側も含む)の頭脳・労力を、より有益な仕事に振り向けられたはずだ。
 その結果、国家総力戦遂行力の獲得と維持を第一義とせぬ、日本式国家社会主義が成立して、言論の自由がそれなりにある(皇室のあり方だけは制限される)、国際協調指向な「北朝鮮」が出来ていたように思う。

 戦前日本の写し絵のような北朝鮮のミサイルに対して、「サリンを弾頭につけて着弾させる能力をすでに保有している可能性がある」と日本の首相が発言し、それを受け「国民保護ポータルサイト」上に「弾道ミサイル落下時の行動について」が掲載されたニュースは、政局の混乱を「国民の危機」で糊塗するような唐突さに驚き呆れるしかなかった。
 政府は新聞にも広告を出し、TVCMまで流される事態となったようだが、総督府にテレビは無く、新聞も取ってないばかりに、20年先の大ネタを拾い損なって大変悔しい思いをしている。

 日本にもミサイル迎撃の仕組みはあり、さらに強力なモノを構築しようと云う報道もある。しかし撃墜された弾頭は消えてなくなるわけではない。大小軽重何かは落ちて来る。落ちて来れば何処かの何かに当たるのが道理なのだが、政府が示す「落下時の行動」は曖昧模糊に過ぎる。

 爆弾が落ちてくると、これくらいキケンですよ、と云う話は「兵器生活」上で書いているが、戦前の防空啓蒙読み物には、爆弾・焼夷弾だけでなく、毒ガス攻撃に言及される事が普通で、主筆をそれをネタにこんな記事も書いていたりする
 今回は、時節柄と云うわけで、戦前発行されたパンフレットを紹介する次第である。



毒瓦斯の救急処置法

 「毒瓦斯の救急処置法」と題されたパンフは、防毒面(ガスマスク)を作っていた藤倉工業が出したもの。「心得うべき瓦斯被毒者の取扱」、「糜爛瓦斯の物料防護法」、「毒瓦斯の種類及び応急処置法」が記されている。

 「心得うべき瓦斯被毒者の取扱」の文面は以下の通り。
 1 瓦斯中毒者はどんな軽病者でも決して歩行させない様御注意下さい、例え呼吸が弱っても人口(ママ)呼吸は絶対禁物であります 静かに酸素吸入器に依ること、直に毛布類で包み又は湯タンポや懐炉で暖めて強心剤や熱い飲物を与えて下さい。(絵図御参照)

 2 糜爛性イペリット液に依る症状は二−五時間又は相当時間の経過後に水泡となりタダレを生じて化膿致します、気状瓦斯の症状は声がかれ咳・頭痛を伴い肺炎を起す場合もあります 何れも眼は結膜炎を起してやがて失明致します、ルイサイトは一層早く之等の症状と共に痛みを伴います。

 3 窒息性ホスゲンヂホスゲン共)の被毒者は中毒後の二日間が危険でこの期間を過ぎたものは漸次軽快の域に達します。動くと死を早めますから絶体(ママ)安静を願います。

 ちゃんとしたガスマスクを着けていないと、助かる気がしない。
 パンフを拡げると「絵図」が展開されるのだが、そこに描かれる被害者の顔色の悪さで、ますます助かる気が失せる。


毒瓦斯の種類及び応急処置法

 1 被害数分内の処置は糜爛防止
 2 少なくとも十五分内の迅速処置絶体必要
 3 発病は被害二乃至数時間後
 4 死の霧(ルイサイト)は数分内に除毒せざれば死亡

 助ける側―ガスマスクを必ず購入する者―の視点で作られたパンフであるから、迅速な処置の必要が叫ばれているわけだ。
 本当に毒ガス攻撃があった時、内閣総理大臣やその夫人はいざ知らず、単なる「私人」に過ぎぬ主筆を含め、読者諸氏が15分以内に医師か自衛官の手当を受けられるか否か、一度考えておいた方が良い。


 「窒息ガス」の説明には、「肺水腫」、肺胞に「液の滲出で窒息(陸上溺死)」と、想像したくもない怖ろしい語句が並ぶ。


 「糜爛ガス」は、おとなしめの画であるが、「やがて失明」だの「痛みを伴います」と、これもイヤなことばかり書いてある。


酸素吸入の図
「人工呼吸禁忌 動かすと悪くなるから」とある


 爆弾ならば、「何米以内は死亡」と書かれることが多いので腹の括りようもある。しかし、毒ガスがどれくらいの範囲に広がるのか記載されてないので―爆弾ならドカンのあと怪我してなければセーフだが、ガスが来るのはその後だ―恐怖心を煽るばかりなのだ。
 このパンフが「助ける側」に向けて書かれたものだ、と記したのは、以下の表がある事による。


糜爛瓦斯の物料防護法/其他注意事項

 毒ガスが付着した物品を、どうやって再び使えるようにするか、を記したものだ。
 ここでは、イペリットに代表される糜爛ガスの除毒方法が、その得失・所要時間あわせて記載されている。処置にあたりガスマスクと防護衣服(少なくとも手袋くらい)が必要な事は云うまでもない。
 「ウニにドロを塗る」(赤瀬川原平)も同然の事態に、気前よく捨てでしまえるほど、戦前の日本は豊かではない。

 拭浄に依る除毒法
 金属部分及び、塗料を施した個所に適用して最も簡便な方法であります、綿布等で数十回清拭すれば大体除毒し得るもので、殊に石油・晒粉類を用いれば非常に効果的であります。

 日光消毒
 簡単に行い得て、しかも物料の機能を害する事が少ない点では結構ですが、天候不良の際に目的を達し得ない欠点があります、消毒時間の標準は左表(本稿では下表)の通り

平均気温  (冬季)
5−6度以下 
(初春、晩秋
14度以下 
(春秋共)
16−7度以上 
(夏季)
25度以上 
温度は摂氏  
 消毒所用時間  約5日間  約3昼夜  約1昼夜 約8時間 

 加熱消毒
 比較的迅速に消毒し得る点は至極有利でありますが、加熱温度が高いと物料の寿命を害し易いから御注意下さい。特に皮革・毛皮類は摂氏50度以下でないと今後の使用に堪えないのであります。たき火や炭火は、容易に行い得る加熱法でありますから出来る丈け手早く御処理下さい。加熱温度と消毒時間は大体左記(本稿では下記)の通りであります。

 1、摂氏70度にて加熱すれば、汚毒被服は約3時間。
 2,摂氏50度で加熱すれば、皮革類は約4時間、綿布類は約6時間を要します。
 3,炭火、たき火を利用し平均気温摂氏15−6度とする時は、火熱の近くに汚毒した被服を吊り下げて約3−4時間を要します。
 4,局部的に汚毒された時は、其の部分を焦がさぬ程度にあぶり約30分を要します。

 蒸気消毒
 割合に簡単な装置を以て、沢山の汚毒物料を迅速に消毒し得られますが、皮革や毛皮類には不適当でありまして、絨布の如きは収縮する欠点があります、消毒時間は一気圧の圧力で約20分を要します。

 煮沸消毒
 簡単で且つ正確に、而かも短時間内に消毒の目的を達し得る方法で消毒時間は約15分を要します、しかし之れが欠点としては消毒後乾燥を必要とすることや、皮革類に不向な事、殊に防水は其の効力を失い、絨布は収縮いたします。

 熱湯消毒
 比較的被服に及ぼす影響が少なく、且つ短時間に消毒し得る方法で、小規模に各個的に適して居ります、温度は摂氏80度内外なれば約30分で消毒し得ますが皮革類には不適当であります

 石油に依る除毒法
 金属類に対しては適して居りますが、木材・皮革類は之を浸漬する関係上沢山の溶剤と消毒時間を要し、織布類では質に於て消毒時間は違いますが、普通には多量の溶剤を必要とし且つ其の多くが揮発可燃性の液体である為めに、取扱上や廃液の処置に困却せらるる等の場合が欠点であります。純良なる石油は、本来糜爛瓦斯を溶解除去するに好適であり金属類にも悪い影響はありませんが、悪い油質特に石油酸を含んで居るものは、錆を生ずる原因となりますから消毒後は石油を完全に拭除することが肝心であります。

 晒粉消毒
 晒粉は強い酸化剤であり、糜爛瓦斯と作用する時は多量の熱を発生致しますから金属性には錆を出し、織布や皮革類は品質を大変損じ且つ褪色を伴いますから、一時的に迅速に消毒する以外使用されない様願います。
 金属部に御使用の後は充分之を清拭して発錆を防止し、被服類に対しては粉末の晒粉より乳剤の濃厚なものを御使用下さい、此の場合の浸漬時間は約30分とし消毒後は水洗いが大切であります。

 拭く、干す、加熱する、晒すなど、やることは掃除洗濯同然だが、手を抜くと死にかねないのが怖ろしい。
 「日光消毒」(事実上の放置)が冬期で5日、夏場で日中まるまる使って終わるのであれば、放射線物質の除染に比べれば、はるかにマシと云える。
 戦前の防空演習写真で、ガスマスクを着けた人が白い粉を撒いているものがあるが、これは「迅速に消毒」する晒粉を撒く練習をしているのであった。

 ガス攻撃にあった際の処置はこのようなものだったわけだが、雨が降ると知っていれば傘を用意するのが文明人と云うもの。大事な物品をむざむざ汚毒させることもあるまい。

 其他注意事項
 物料防護とは一般器物の謂いでありまして恐るべき毒物の糜爛瓦斯防護上最も重要なる事柄であります

 1、糜爛瓦斯の被毒に対しては空襲を予期する前に必ず防護を要する物料は悉く屋内に取入れ収納室内は防水布或は油布を以て出来る限り密閉して下さい。
 2、糜爛瓦斯を被った物料は十分消毒した後でなければ絶体に御使用は出来ないのであります、殊にひどく汚毒せられて消毒も不可能の場合は風通しの良い処で焼棄てる事が安全であります。
 3、汚毒せられた物料を運搬し又は焼却する仕事にあたられた者は其の汚毒の大小に依って汚毒物を処理した布片又は清拭した物料は地中深く埋めるか必ず焼棄てるよう御心懸け下さい。
 4、是等物料防護の専任者は主として防護班或はガス係員でありますが一般市民各位も簡単なものは自身で直に行い得る様御研究下さい。

 器物に糜爛瓦斯がつかないようにすることが、一番重要なことだったのだ。
 最後に一般市民にも、「自身で直に行い得る様御研究下さい」と書く親切さが怖ろしい。
 昭和16年3月発行『少年防空読本』(内務省計画課編、大日本防空協会刊行)は、東京在住の一家(父母、おそらく女学校の娘、幼児の息子)に、「父」の弟である「陸軍の叔父さん」が、防空知識をやさしく教える、会話体で書かれた読み物だ。

 内容は、防空兵器の説明から灯火管制、家庭防空群の任務など基本的なことがらが、今の中学生レベルに向けて紹介されているものだ。
 毒ガスに関するところを紹介しよう。

 父「(略)ところで、今度の欧州戦争では、各国民が毒瓦斯空襲を心配して防毒面などの準備に大わらわになっているようだが、ほんとに都市に毒瓦斯空襲をやるだろうかね。」

 叔父「前の欧州大戦の時は、戦場では毒瓦斯がおおやけにずいぶん大仕掛けに使われましたが、まだ都市空襲には使われたことはありません。けれども、その後各国では秘密にいろいろ研究を重ねているようですし、実験もたびたびやったような噂もありますから、ほんとに戦争が真剣になって、危急存亡の時になったら、きっと毒瓦斯空襲ということは現れるに違いないでしょうね。」

 と、最後の最後になればやるだろうとの認識を示す。
 続けて陸軍の叔父さんは、英国では「ロンドン市民が毒瓦斯の洗礼を受けるかも知れない」と政府が市民にガスマスクを配給した事に触れる。

 叔父「(略)総理大臣が議会に出席する時にも持って行くし、市民にはちょっとの散歩や映画を見るにも『防毒面を持って行け。』と命令されています。そんなところに英国の覚悟の程がうかがわれるわけですね。」

 叔父さんが毒ガスの種類(窒息・催涙・くしゃみ・中毒・糜爛)をざっとしゃべり終わると、おかあさんが「わたしたちはどうしたらいいのでしょうね、家にかくれていてもだめでしょうね」と不安を口にする。

 叔父「かくれたってすきまからはいって来ますからね。ふせぐのに一番いいのは、何といっても防毒面を持っていて毒瓦斯が来たらすぐにこれをかぶることですね、そうすれば毒瓦斯を吸わないですむし、目も痛めずにかみますからね。出来るなら皆が防毒面を持っていたいものですね。」

 叔父さんは、イギリス政府がロンドン市民にガスマスクを配る「覚悟の程」を見ているはずなのだが、「皆が(略)持っていたいものですね」と、案外生ぬるい事をおっしゃる。日本には都市住民全員に配るだけのモノが無い、と暗に認めているのだ。
 それでも、この一家ではお父さんが、百貨店で家族全員(夫婦と女学生の長女、幼児の長男)分のガスマスクを買って、戸棚に置いてあるのだが、近所でもまだ買ってない人は多い。

 母「お隣のように、まだ防毒面の準備のないかたは、毒瓦斯が来たらどうすればよいのでしょうね。」

 叔父「気密な防護室があったら、そこにはいればよいが、ふつうは、仕方がないから手頃な部屋を防護室ときめて、戸・障子や天井のすきまに目張りをしてはいるとか、セロハン紙で作った防毒蚊帳にはいって、一時、瓦斯を防ぐことにするのですね、でも、運が悪いと爆弾などで防毒蚊帳や目張りが破れる心配がありますから、そういう場合でも応急の防護法は心得ておくことが必要ですね。」

 アルミサッシの無い時代、気密を保つ「防護室」を用意することは手間である。それでも近所に爆弾の一つも落ちれば気密は破られてしまう。そこで「応急の防護法」の出番となる。それが何かと云えば、「底をあけた空瓶や空缶に炭を砕いてつめ、それを口にくわえ、鼻を、針金などでつくった鼻挟みでおさえて、口から呼吸をし、気密なめがねをかけて風上に避ける」、すなわち手製ガスマスクだ。結局のところガスマスクがなければ身の安全は保障出来ないと云うのである!
 毒ガスが来てから炭を砕いているようでは間に合わない。


「応急の防護」

 叔父「(略)これもなかったら、十分ではありませんが、洗濯曹達や重曹などのしみこんだ手拭いで、鼻と口を覆うやりかたなどは、ちっとは役に立つことがありますから心得ておいた方がよいでしょう。」

 啓蒙読み物レベルで、「十分ではありませんが」、「ちっとは役に立つ」とあるのは、あまりアテにしない方が良いと云うようなものか。

 爆弾・焼夷弾はさんざ落ちたものの、東京に毒ガスの雨は降らず、この一家の防毒面は古道具屋に二束三文で売り飛ばされることになる(そして歴史資料館や軍装収集家が大枚はたいて買い求めるのだ)。しかしガス攻撃を受けていたなら、この一家は助かるが、隣の家族が窒息・糜爛して死んでいく姿を目の当たりにしていたはずだ。
 お隣さんを準備不足の自業自得だと切り捨てる事は出来ないし、正しい毒ガス防護手段を取って生き延びた側も、その先、隣人を見殺しにした思いに囚われるかもしれないと考えると、何ともやりきれない。
(おまけのおまけ)
 国民一人一人に不安を背負わせるよりも、政府がその原因を取り除けば良い、とミサイル迎撃システムの強化や、先制攻撃の実施を主張する人もあろう。
 しかし、これらのソリューションがうまく行くとは考えない方が良い。100%の撃墜率が実現出来たとしても、迎撃用のミサイルが尽きてしまえば無意味だ。国会議事堂への狙いをそらしたおかげで、麻布のタワーマンション上層階が砕ける事もあり得る。
 迎撃能力の向上はその道のプロにお任せするとして、落ちたあとの始末、応急処置が出来るよう準備をすすめる方が現実的だ。

 先制攻撃がうまく行き当面の脅威が排除されたとしても、別な脅威が生まれてこないとも限らぬ。実情を知らぬ相手国民にしてみれば、こちらが一方的に攻撃・殺戮を敢えて行ったのだと恨み、機会があれば仕返ししてやろうと思うだけだろう(先制攻撃に成功して戦争には大負けした国もある)。

 せっかく70年以上、直接戦争をしなくて済んでいるのだから、武力の行使に至らぬよう政治家には最善を尽くしてもらう。庶民一般もつまらぬ所で恨みを買うような軽挙妄動を慎むのが、安全・安心の近道なのだ。

 戦争込みで「グローバルスタンダード」なら、平和な「ガラパゴス」で充分だ。その方が富裕外国人観光客もきっと喜ぶ。
(おまけのおまけの期待)
 このパンフが印刷された頃、「サリン」の存在は日本では知られていない。
 除毒の方法は(一般市民の手に負えるかどうかはさておき)研究されているはずだ。地域の掲示板に除毒法が貼られない事を祈っている。