中国的模型世界!

10年後が楽しみだ


 プラモ界においても、グローバル化(なんて慣れない言葉は使わない方がいいね)の波が押し寄せて久しく、台湾モデラーの作品が、国内模型雑誌に紹介される事も珍しくなくなっている。
 また、一部模型業者の手により、中国製プラモデルの存在を知っている人も多いはずである。では、大陸のモデラーは、どのような模型情報に接しているのだろうか?


 北京の本屋で、かような雑誌を入手した。

 「模型世界」北京市体育局主管、<模型世界>編集部の手になる模型雑誌である。模型雑誌を体育局が後押しすると云うのは、中国ならではと云いたくなる。内容はプラモデルに限らず、模型飛行機、ペーパークラフト等も含まれているのだが、記事の分量で云えば、やはりプラモデルが半分弱を占めている。

 情景作品である。何故か、と云うよりもやっぱりドイツモノが人気「らしい」。記事を読むと、戦車モデルに関しては、タミヤカラーが主体となっているようで、このタミヤ製4号戦車は全面を「噴深珈琲色(XF1+XF64)、再噴白色(XF2+XF55)各辺縁保留珈琲色」と云う説明になっている。

 飛行機モデルの作例。韓国アカデミーのP−38である。

 今回の目玉! 自転車用空気入れを利用して作るエアブラシ(!!)の製作記事。
 注射針が塗料ノズルとなり、古くなったボールペンの芯の先を落としたものをエアノズルとすると云う、凄まじいシロモノである。日本模型史上においても、ここまで創意工夫をこらした工具を作った事例は多分無いのではなかろうか? 自分のエアブラシが愛おしく思えてくることうけあいである。

 広告欄では、威龍模型(上海ドラゴンか?)、韓国愛徳美(アカデミー)、タミヤが幅をきかせているようである。

 例えばアカデミーの1/35タイガー1型が185元だったり、国産メーカーの1/350戦艦大和が90元といった塩梅である。当然、最近模型屋で良く見かける中国最新98式主戦坦克なんかの価格も出ているわけだ(輸入されている模型屋さんに申し訳ないので、価格は書かない)。
 90式戦車や隼なんかがあっても良いはずなのだが、西欧におけるハーケンクロイツもののように、「日の丸」は御法度である可能性は高い。

 と云うわけで、タミヤには、ぜひとも人民解放軍仕様の九七式中戦車を発売してもらいたい(笑)。

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