no.10
土壁の構成

とは・・・
家の四方を囲い、または室と室の隔てとするもの。ことに塗り壁、すなわち下地をわたし、
木舞(こまい)をかき、土を塗って作ったものをいう。(広辞苑)

近世の民家や町家の壁は「土」で作られていました。この壁を作る仕事は左官職人の仕事になります。
土壁は壁下地を作りそこに壁土を密着、乾燥させて作ります。
このため伝統的な工法では、柱の間に「貫」と言う板を通し、さらに細い竹や竹を割った材料をメッシュ状に組み上げ、壁土がよくつくように木舞下地を作り鏝で壁土を塗っていきます。
壁塗りの作業は「荒塗り」「中塗り」「上塗り」と何段階かの工程がありますが建物によってどの工程を仕上げとするかは異なります。

壁土つくり

左官職人の最初の作業が壁土つくりです。
壁土は下地をしっかりと噛んで落ちないような適度な粘り気と、乾燥した際にひびが入って崩れないようにする必要があります。
このため壁土には粘土質の土が使われます。
近くの山や田んぼの土に、乾燥後の割れるのを防ぐ「スサ」を混ぜ込みます。
「スサ」とは藁や紙、麻などを細かく切ったもので。松澤家の壁には藁を「押し切り」という道具で6〜7センチに切ったものを混ぜ込みます。
土に水を加えてスサを加え鍬と足でよくこねます。
この作業を「水あわせ」といい、こうして作った土はひと夏から一年寝かせてて、つなぎの役目をする藁の繊維を腐らせます。


松澤家で使う土

愛知県小牧市で採取した土と鴻巣市で採取したアラキダ土の2種類を2対1でブレンドして作ります。
もともとの松澤家の壁土の色のちかいものにするためです。
松澤家の土を再現したもの
さあ、いよいよ壁土作りに挑戦しますよ〜