研究報告(1999年11月10日
M1 伊戸川 暁
電子情報の増大(質・量ともに)。しかし保管体勢は未整備。
殊に現代は 電子情報の黎明期にして紙情報から電子情報への移行期でもあるので、
現代の電子的記録が消えてしまうとしたら、それは文化的大損失といえるであろう。
故に、適切な保管のための枠組が待たれている。
電子文書の保管について、以下のような要件を持つシステムを開発したい。
- 媒体の寿命を半自動的に延長できること
- 恒久的かつ遍在的なな命名体系を提供すること
- 文書の記述形式を保証すること
- 文書の出所や正当性が保証されること
- 文書ごとの管理責任を明確にできること、また、
管理者の交替を円滑ならしめること
上の要件に基づいて、Persistent On-line Text (POT)
2文書モデル及びアーキテクチャを提案。
3。
概略: 全てのリソースを文書という単位で表し、
管理情報には元となる文書からリンクが張られる。
管理文書には仕様書・制御文書・認証文書を設ける。
特徴と利点:
- 或る文書に付随する情報を文書本体から独立した別文書とする
→あらゆるリソースが同一の方法で管理できるようになる
- リンクに種別が存在する
→管理情報の種別ごとに管理情報を置き換えることを容易にする
概略: システムの機能を5階層に分割し、階層間のinterfaceを定義。
階層化することのメリット:
- システムの構造を分かり易くする
- 要素技術の進歩に対応しやすくする
また、この階層的なアーキテクチャの実現可能性について考察。
- 「1999年情報学シンポジウム」での発表(1999年1月14日)
- 「情報処理学会論文誌: データベース」第1号に採録される(近日発行予定)
基本的には1節の線に沿って発表を組み立てればいいのだが、
希望としては、プロトタイプの実装まで進めておきたい。
具体的には、各層の動きを示す簡単な実装を3月頃までには作っておきたい。
→ネット上で配布してfeedbackを期待
なお、言語はJavaを予定。その理由は、
- マルチプラットフォームである
- 要素技術に対応した部品の供給が盛ん
などである。
最終的には、プロトタイプの試運転の成果
(仕様の修正、定量的分析など)
を中間発表に織り込められたら嬉しいと思っている。
- ... 現在)1
- 川合研ゼミ資料
- ... (POT)2
- もっとステキな命名があったら乗り換えます。アイデア下さい。:)
- ...文書モデル及びアーキテクチャを提案。
3
- 詳細については、論文の写し(別刷)を参照のこと。
ITOGAWA Akira
1999年11月10日