近況1

川合研M1 伊戸川 暁

1. 前回までのあらすじ

「電子文書の長期的保管のための基礎をつくる」という目的のため、 1月までに、文書モデル及び階層的アーキテクチャから成るモデル (Pertistent On-line Text)を作り、提示した。


文書モデル: 全てのリソースを文書という単位で表し、 管理情報には元となる文書からリンクが張られる。 管理文書には仕様書・制御文書・認証文書を設ける。

特徴と利点:

アーキテクチャ: システムの機能を5階層に分割し、階層間のinterfaceを定義。

階層化することのメリット:

また、この階層的なアーキテクチャの実現可能性について考察。


現在、このモデルの見本となるべき実装を計画しているが、 今回は、実装のためにもう少し詰めるべき仕様の詳細や 実装のために行ったサーベイなどについて、 全然まとまりがないが、発表しようと思う。

2. 仕様の詳細の詰め

2.1 分散層の実装について

POTには分散DBとしての側面もあるので、 文書の更新があった場合、 いかにして分散DBの整合性を保証するかという問題は無視できないが、 という対象の性質上、厳密に全ての写しを同じにするという方策は取らず、 「文書の写しごとに更新時刻を明示して、 必要ならば複数箇所に当たって最新の情報を入手してもらう」 という方式で充分と考える 2

2.2 文書の命名方法

要求: 方針: 例:

普通文書: urn:pot:jp:ac:u-tokyo:ktyy:firewall1999:………
制御文書: urn:pot:jp:ac:u-tokyo:ktyy:……
仕様書:   urn:pot:format:org:w3c:html-4.0
認証文書: urn:pot:user:jp:ac:u-tokyo:ktyy:……

2.3 文書の安全性

文書自体に署名などの認証情報を付与しないと、 認証層が破られると直ちに文書が無防備になってしまうので、 安全のためにも、文書及びファイルの適当な箇所に 署名を付することを検討しなければならない。

2.4 管理者がしなければならないことの確認

以下のことについては、POTシステムが勝手に手配してくれる訳ではないので、 管理者が責任を持って行わなければならない。
新しい媒体の供給
後継者の手配
管理計画の制定

3. 要素技術に関するサーベイ

3.1 要素技術

XML[5]
SGMLを簡略化した構造化文書記述言語。 Plain textの形をしている、リンク機能が充実している (リンク元/先の文書とは別にリンクを作ることもできる)、 自在にタグを定義できるなどの利点がある。
DOM[4]
XMLをobjectとして表現するための作法を定めたもの。 object言語からは独立している。

3.2 Javaで用意されている要素技術

現在、様々なAPIがJava上で構築されているので、これを利用しない手はない。

Java2[1] 自体に備わっているもの:

直列化
オブジェクトをファイルに保存したり読み出したりする機能 (JDK1.1より存在)。
暗号化・署名・認証
Java2にて追加。 暗号に関しては、RSAのAPIが存在。 認証については、X.509[3]に関するAPIが加わった。

サードパーティーが開発したもの:

XML Parser for Java[2]
IBM基礎研究所開発。 その名の通りJavaによるXMLパーサ。まだちゃんといじっていないが。

参考文献

1
: JDKTM 1.2 Beta4ドキュメント, http://ai-www.aist-nara.ac.jp/doc/people/ryuuta-t/docs/jdk12-ja-doc/docs/ja/index.htmlなど.

2
: XML Parser for Java, http://www.alphaworks.ibm.com/formula/xml/.

3
: InformationTechnology - Open System Interconnection - The Directory: Authentication Framework (1997).
ITU-T Recommendation X.509 (1997) | ISO/IEC 9594-8:1997.

4
Group, W. D. O. M. W.: Document Object Model (DOM), http://www.w3.org/DOM/ (1998).

5
Group, W. X. W.: Extensible Markup Language (XML), http://www.w3.org/XML/.

6
Moats, R.: URN Syntax (1997).
RFC2141.

7
Wool, A.: Quorum Systems in Replicated Databases: Science or Fiction?, IEEE Bulletin of the Technical Committee on Data Engineering, Vol. 22, No. 4, pp. 3-11 (1998).

図: POTアーキテクチャの層関係
[layers]



...近況1
KTYYゼミ発表資料
... という方式で充分と考える2
こういう方式をquorum方式[7]というらしい。


ITOGAWA Akira 1999年11月10日