手揉み茶に挑戦


大子はお茶所、奥久慈茶の産地です。
昭和35年ごろまでは各農家で手揉み茶を作っているのを見かけました。
その後、製茶工場に頼むようになって、急速に手揉み茶は姿を消しました。
今では手揉み茶は幻になってしまいました。
しかし、大子には手揉み茶では小室さんという農林水産大臣賞を受賞されている名人が居ります。
せっかく奥久慈茶というブランド品があるのですから、名人ようなわけにはいきませんが手揉みに
挑戦してみましょう。
なんとか、飲めるお茶が出来ましたら、万歳です。

1、お茶摘み

先ずはお茶摘み、今回は贅沢に一芯二葉に摘みます。
普通はそんなに丁寧には摘んでいられないのですが、今回は少しですので。
2、蒸す

蒸し器で蒸します。
今回は初めてなので、どれくらい蒸していいのか分からなくて、蒸しすぎてしまいました。
名人のHPを見たら40秒くらいだそうです。
3、冷ます

蒸しあがった茶葉は手でふるってすぐに冷まします。
4、ホットプレート

炭では温度調節が難しいので、温度調節が容易なホットプレートを使います。
ホットプレートに米の袋を貼り付けました。
5、葉打ち

手をフォーク状にして水分を飛ばす。
水分が抜けてふわふわになってきたら、次の転がしに入ります。
6、転がし

回転させながら軽く揉む。
乾燥するにつれて力を入れて揉む。
7、揉み切り

転がしで玉になった茶葉を解いて、細くするために手の平で揉む。
中指と中指でこすり合わせて揉み切るように揉む。
8、でんぐり

葉を揃えながら転がし、葉を伸ばしていく。
葉が真っ直ぐになるように揃えるように揉む。
9、こくり

でんぐりで伸びた葉をさらに擦り合わせ丸みと艶を出します。
あまりやり過ぎると細かくなるし、艶もなくなってしまいます。
名人のはここまでで、針のようになっています。
10、練り切り

最後にぱっと広げて乾燥させます。
これ以後は触るとポキポキ折れてしまいます。
11、火入れ

一度冷まして、さらに熱して火入れを行います。
これにより完全に乾燥し、出来上がりです。
この火入れが各人のコツで、温度と時間が微妙で難しいところだそうです。
12、出来上がり

何とか完成しました。
初めてでどうなるか心配でしたが、何とかお茶らしく出来ました。
13、試飲

早速飲んでみましょう。
色はまあまあ良かったのですが、香りとコクがいまいちでした。
後で聞いたのですが、出来たばかりは香りも味も薄いそうです。
暫く置いてからまた飲んでみましょう。
14、お茶がら

急須を覗いてみたら手揉みの証拠に、しっかり元の形に戻っていました。
(撚りが甘いこともありますが・・・)

何とかお茶らしく出来ました。
無心にお茶を揉んでいると、そば打ちと同じ心境に・・・。
うーん、手揉み茶もおもしろいぞ。
一年中出来ないのが非常に残念!


[オフのひまつぶしに戻る]