ヒ ト リ ゴ ト
第16話 | 中京競馬場にて参拝 |
第17話 | うなぎ |
第18話 | 自転車操業 |
第19話 | ダンジリ祭り |
第20話 | 博多明太子 |
第16話 中京競馬場にて参拝
今日は1月3日、世間一般、三が日
なぜがアジトから5時間もかけて、名古屋駅の新幹線のホームに立っていた
いつも通りの思いつくがままの行動である
名古屋電鉄(名鉄)に乗り換え20分位であろうか
中京競馬場前駅で降りた
以前、車で来た事はあるが電車では始めての場所である
しかし不思議なもので
周りの人たちの素振りで私の行く方向がわかる
改札を出て、その集団の後に着いていくと、真っ赤な大きな看板が出迎えてくれた
『中京競馬場 駅前商店街』
送迎バスもすぐ乗れた、ただ、まばたきする間に目的の場所に着いた、非常に駅から近い場所である
次に見た垂れ幕がいけない
本来なら近所で初詣でも済ませ、オトソ気分でホームグランドでゲン担ぎ
そんな一時の安らぎを求められる正月休み
それをこの垂れ幕が、、、
=中京競馬場の年末・年始競馬=
=12/30,31,1/1,2,3,4=
=名古屋競馬 株式会社・公営中京開催=
つまり、年に一回しか開催されない中京競馬(地方開催)である
旅打ちを語るためにはまさに登竜門である
年末、年始、容赦なくこの時期にしか迎えてくれないのである
まだ、初詣も済まさない状況で、今回の旅打ちに望んだ
コース、場内ともJRA色一色に写った
本来なら新天地、場内探索から始まるところであろうが
早速、勝負に挑んだ
5レース頃から小雨が
そして
7レースには、なんと小雪が
天候と同じような戦績であった
8レースは特別サラ系B級セレクト、別名『お年玉特別』
このあたりで何とかせねば
夢を求めて旅するトラベラーがいつの間にかギャンブラーに化していた
今日の大勝負である
いつものように心の中での神頼みを
「ああ、神様仏様」
しかし
やはり、この忙しい時期、場内には神も仏も見つからず、予想屋の声しか聞こえてこなかった
帰り道は来る時使ったコースはやめ
豊橋に向かった
豊川稲荷方面の電車に乗り、途中、豊橋方面に乗り換えの為、国府(コウ)駅のホームで降りた
そこで、私を見て微笑んでいる老人とすれ違った
もしかして、豊川稲荷に参拝した人たちの願いを叶え
「今日は、おぬしの面倒までは見れなかった」とつぶやいているようにもみえた
本業、忙しい時期、しかたない
タイトル「中京競馬にて参拝」は「中京競馬場にて惨敗」に変えようか
今も
悩んでいる
中京競馬ご関連者の皆様お世話になりありがとうございました
「足軽のように働き、大名のように打つ」
自分に言い聞かせながら、無事、アジトでレポートを書く
第17話 うなぎ
久々の長期の休みが取れた
そして、いつもどうり思いつきの計画が頭をよぎった
今回はひさびさ、車での旅打ちを試みる事にした
今日は2月7日(水)
私のアジト関東では昼頃から小雪がちらついていた
近畿、中部地区に的を絞り、何ヶ所かのレース場のスケジュールを確認すると
津競艇、奈良競輪、大垣競輪、豊橋競輪あたりがスケジュールと合致する
とりあえず津競艇場を狙い、押さえで豊橋競輪場を頭のメモリー(容量1.44MB以下)にインプットした
いつもながらの一人旅、本来ならスタート時間も気ままなものである、しかし
今回の旅ではそれは許されなかった
私は車の旅では極力、有料道路を使わない事にこだわりをもっている
が
結果から話すと、今回は行きに首都高速を1回(700円)だけ利用し、約 1、200kmの距離を走ってきた
何故、行きの高速を利用したかという謎のベールが今、解き明かされる
(いつもながら実にオーバーな表現である、、、)
関東から国道一号線の箱根越えを決意し、20時にアジトを出発した
途中、都内、横浜、平塚と小雪がちらついていた
大粒のボタン雪で路面に積もる程のものではない、そして
23時頃の小田原では雨交じりに変わっていた
ただ
自然の猛威、恐ろしさは何度も体験している
何とか路面凍結前に箱根山を通過したかった
雪道のドライブ経験は多いほうであり、また、チェーンを履かせることも得意である
が
スキー場に行くならいざ知らず
競艇場に行く為にチェーンを履かせる作業そのものを
考えたくも無かった
その為、戸越インターまで首都高速を利用した
時計の針が01:00をまわった頃(本当はデジタルで針は無いのだが)
沼津市で一軒のラーメン屋に飛び込んだ
もちろん空腹と
手袋などの用意もなく、素手でチェーンを巻いた自分を褒めてやりたかった為でもある
隣の客の美味そうなビールを眺めながらラーメンをすすった
グルメ旅なら浜松のうなぎあたりを食べるシーンが出てくるだろうが
旅打ちにはラーメンの方がよく似合う
しかし
この行動が後に悲劇をもたらすとは予想すらしていなかった
関東のセブンイレ○ンの看板が少なくなり、サ○クルKの看板が目立ち始める頃
いつものように睡魔が襲ってくるが
それに耐え
いったい一睡もせずに何時間走った事か
(逆算すればわかるでは、などと言わないで読み流してほしい)
朝、07時前には目の前に津競艇場があった
新しい建物(第一期工事完了後)が向って左、次が工事中(第二期工事中で平成14年7月着工予定)
そして
一番右が従来の建物である
まさに変貌途中である
左の新しい建物
奥に大きなカマボコ、手前にタマゴがくっついているような
言葉では言い表せないような異様な形をしていた
中に入るまでは、設計者の考えに理解できない自分がいた
送りのバスは津駅前行きと津新町駅前行きが
13:30分から30分間隔で最終払い戻しまで出ているようだ
交通機関は車のほうが便利であるかを物語るように
伊勢・松原方面駐車場と
津・鈴鹿・四日市方面駐車場とに分割され、かなり広大なスペースが用意されていた
場内に足を踏み入れ、カマボコとタマゴの全貌が明らかになった
カマボコは4階?建て
一階から3階までが一般観覧席、4階が一般指定席、エスカレーター完備である
タマゴの中は一階にステージがあり、その上部に大きな映像装置
椅子が段々畑のように
そう、タマゴの中は劇場のようなスタイルになっていて
カマボコの全ての階からレース映像が眺められる、まさにシネマ館である
ここで、関係者の方からお叱りを受けるかもしれないので一言注釈
正式にはタマゴではなく”ツッキ−ドーム”という名前である
タマゴの先には伊勢湾が覗ける
スタンド側を見ると
プールの第2ターンマーク(ピット側)からバックストレッチのオーロラビジョンまでカマボコ
その右側は工事中、私の好きな観戦場所である一番右側の第1ターンマークあたりは
従来の建物の中で観戦させている
プールは以前、養鰻場(うなぎの養殖場)を買い取ったもので
バックストレッチ後方に当時の養鰻場の面影が残っている
なぜ詳しいかって
資料としてバスの時刻表を書き記していた、その姿を見て異様に思ったのか
場内警備員が色々話し掛けてきた
私は雑誌記者のような仕事で、全国各地の競艇場を紹介して周っている
と
つい言ってしまった
なぜか旅打ちとは言えなかった
その時いろいろ教わった
戦績はどうだったかって?勝負を挑んだレースがことごとくフライング
もちろん払い戻しであるが
選手のスタートのタイミングに
私の勝負のタイミングを外されてしまった
もしかして
プール内に残るうなぎの霊に、旅打ちはラーメンが似合うという考えかたを
否定されたのかも知れない
うなぎを食わなかったばかりに
うなぎに食われてしまった
津競艇場ご関連者の皆様お世話になりありがとうございました
帰り道、箱根は避けて
沼津市から国道R246号で帰路に着いたことは言うまでもない
第18話 自転車操業
「6時から9時まで閉鎖します:奈良県営競輪場」
そんな立て看板の前で目がさめた
長距離運転の疲れからか、車の中で熟睡していたようだ
競輪場は10時30分開門、それまで充分な時間がある
周辺を探索することにした
そんな中、バスの発着場を見つけ思わず苦笑した
私の数少ない?体験の中
バスの発着所には行き先とか時間などが明記されているケースがほとんどであったが
そこにはなんと
バスおりば
バスのりば
の
実に簡潔な二つの看板しかないのだ
開門前10時頃から雨が降り始めた
今日の戦績を予想するかのように
入り口で予想紙売りのおばさんが熱心に声をかけてきた
普段、私はあまり予想紙を買わないが、その熱心さに
競輪研究(定価410円)を買った
そして、「入場券あげるよ」と、カバンの中から入場券の束を取り出し一枚くれた
地方では時々体験する事ではあるが
一瞬で幸せな気分になる
場内は33バンク(333m)とは知っていたが
直線かなり短く、タマゴのように丸く感じた
とりあえず一周してみることとした
もちろん選手ではないのでコースを一周ではない
スタンド一周である
季節料理 まるよし
奈良店 江戸っ子寿司 びわこ店
韓国料理 よしの 串焼
中華料理 貴好 ラーメンぎょうざ
ラーメン専門店 愛ちゃん
味思考 サン末広
ニコニコ食堂
栄好
和食一式 喜楽食堂 いらっしゃいませ
味の やまとや
お食事処 よしの
味一番
河内屋
なんと目に付いた食堂の看板である
これ程の数の店がしのぎをけずっていれば味、価格共に満足出来るであろう
かなり食事の面では充実していると予想され
とりあえず、本命◎ニコニコ食堂、対抗○よしの、押さえに▲喜楽食堂をメモ帳にマークした
特にこれといった理由は無いが、、、
今日は2月9日(金)
開設50周年記念「春日賞争覇戦」
前節 最終日
平日(金)であり、また、最近では電話投票も便利になり場内に行かなくとも車券の購入はできる
だからかも知れない
バックスタンドは人がまばら状態で
吉岡稔真、小橋正義、、、、、などの選手応援の垂れ幕が空しく風邪に舞ってた
本来、観客動員を計るなら
土、日に山場を持って来るべきであろうが
兼ね合い色々あるのだろう
競輪場の運営も大変であろう
今日の結果ですか?
あたたかい服装と、あたたかい懐で挑んだ今日の観戦
熱くなった体温とは逆に
風邪ひきそうな懐
競輪場の運営を心配している場合では無い、私の人生そのものが自転車操業である
奈良競輪場ご関連者の皆様お世話になりありがとうございました
私にとっては始めての奈良県
鹿も大仏も見ないで家路につく
第19話 ダンジリ祭り
【祝!第18回全日本選抜競輪開催決定 平成14年11月 主催;岸和田市】
大きな看板を目にしたのは、まだ朝早い時間であった
開門まで、4〜5時間はゆうにある
いつものごとく、周辺の探索から始める事とした
近場の駅は南海線の春木駅、競輪場までは、歩いて2〜3分の距離である
本来の改札口は線路はさんで左右1ヶ所
しかし
競輪場側には大型開催日にだけ開かれるのであろう
「岸和田競輪 専用改札口」なるものがある
ここ春木と言えば
昭和3年11月開設から同49年の世論反対による正式廃止まで
地方競馬では数少ない障害競馬も行われた栄華の歴史がある春木競馬場があった町
しかし
駅から10分位であろうか、競輪場と逆方向に歩いた場所に現存する
岸和田市公園緑地課が管理している”中央公園”(旧春木競馬場)では
貴重な歴史の面影、記念碑すら発見できなかった
中央にはグランド、周りにはプール等の施設
近所の方々の散歩やマラソンをしている姿がうかがえた
しばらくグランドに向って目を閉じていると、かすかに当時の馬の匂いが漂ってくるような
が、もしかして
単に、目の前の立看板に記載されている匂いであったかも知れない
・
【ハトにエサを与えないで下さい】
【犬のフンは飼主が・・・・・】
・
・
大阪府には、ここ岸和田競輪場と
住之江競艇場の2ヶ所の公営レース場しか無い
ギャンブルよりお祭りでストレスを発散してほしいと願う
自治体の熱き思いからであろうか
祭りは
京都の「祇園祭」から始まり
岸和田の「ダンジリ祭り」は約300年の歴史だといわれている
そもそも「ダンジリ」とは、総ケヤキ造りで、およそ4トンの山車(だし)や屋台の事で
住吉型の上(かみ)ダンジリに対して
岸和田型の下(しも)ダンジリと大きく二つに分かれているそうだ
さて、そろそろ競輪場内に入る時間となった
入場料は50円
特観席は1500円である
入場回数券 6枚綴りを200円にて販売されているが
旅打ちに回数券は似合わない
まずはいつものごとく、場内探索からである
コースは400バンク、2コーナーからホームストレッチに向けての風を強く感じた
バックストレッチ側にはレディースルームなる
女性専用の建物が設けられていた
入場無料、女性に対しての気配りであろう、本日20〜30人ほど入ってたろうか
非常に空席が目立った
これでは運営も大変だと思う気持ちを
次の張り紙が解決した
「レディースルームは来月6月より名称変更し有料になります・・・」
「単・複勝式売り場」を発見できず、尋ねたところ
つい先日、単・複は発売中止になったらしい
どうも運営の変わり目に訪問したようだ
マークシートは2種類、独自の紙コップあり、マッチは私販物を使用
食事場所は指定売店1号から6号までの看板発見
食べるところを選ぶのが楽しみだ
私の少ない体験では珍しい「にぎり寿司」のカウンターが特に印象に残った
一皿400円〜450円の値段である
また
どのお店にもついに値札は発見できなかったが
ビール、日本酒が公然の如く販売されるのが嬉しいではないか
・
・
「ビール一個な〜 」
独特のアクセントである
その響きに酔いしれているあいだに、あっという間に最終レースを迎えた
おいおい、レース内容はどうだった?ですか、、
いつものごとく
主催者発表のものをご確認下さい
本日の戦績ですか?
ダンジリ祭りの地域とはうらはらに
私の狙った選手がことごとく
ドン尻
あとの祭りで終わってしまった
岸和田競輪場ご関連者の皆様お世話になりありがとうございました
あすは、いずこへ
第20話 博多明太子
朝一番の電車に乗った
今日から九州一人旅のスタートである
福岡競艇、門司競輪、荒尾競馬、佐賀競馬と周る予定である
本来であれば「行ってらっしゃい、気をつけて」の言葉ひとつあろうが
「博多明太子たのむね!!」と、家族に送られた
なんと、愛情のこもった送り言葉であろうか
私と夢を乗せて、JAL355便は定刻 8:20分を10分遅れで
無事、羽田空港を離陸、一路、福岡競艇場に向った
福岡空港の間違いではないかって?
そんな細かい事はどうでもいい
福岡空港からは福岡市営空港線に乗り、博多に向った
電車の中には、なんと”たけお競輪”開催案内のポスターが貼ってあるではないか
はじめて九州に来たという実感が込み上げてきた
そんな事でしか実感がわかないのも情けないが、、
ふた駅、250円である
県内はバス網が便利であるとの事前情報を頼りに
博多駅前の福岡交通センタービル内バスターミナル3番よりバスに乗車
天神でバスを降り
そこから競艇場までタクシーをつかった
バスの料金は100円である
ご当地に詳しい方には、無駄な動きであり、無駄な出費に見えるであろう
後で考えると自分でも不自然な乗り継ぎのような気もする
ま、
無事、目的の福岡競艇場に着いたので良しとしよう
コースは海水、バックストレッチ奥に高速道路(福岡都市高速)
その奥に海が覗ける
非常に綺麗な風景である
ホッピー350円、焼そば220円、回転焼80円なる札に目がとまった
私の価格基準は、どこにでも根強く生存する焼そばである
この220円は実に良心的な価格ではないか
私の評価で、場内食堂群に栄光の三ツ星マークをつけた
あとで思うに、この焼きそば、量が非常に少なかった
建物、改装工事中との事
古さと、新しさが同居していた
エンジンはかわったばかり
それだけの理由でもないが、最後まで展開が読みづらかった
終始苦戦
家族への土産は”博多明太子”ではなく、九州地区限定の”プリッツ博多明太子味”に変更した
福岡競艇場ご関連者の皆様お世話になりありがとうございました
な、なんと
この後、とんでもないドラマが、、、、、
注)最近、内容の乏しいものはこういう〆方をしているようだ