ヒ ト リ ゴ ト

第66話 ゆで卵
第67話 草むしり
第68話 番外地
第69話 白紙撤回
第70話 青春18キップ

第66話 ゆで卵

まもなく山口宇部空港行きのバスが発車いたしま〜す
そのアナウンスを聴き
大粒の雨を避けながらそのバスに駆け乗った

始発の電車に乗り羽田空港に一時間ほどゆとりをもって着いたが
いっそう雨足は強まっている

バスで行くのか?って
いや違う
そのバスで飛行機まで移動しそれに乗り換えるようだ
国内でははじめての経験である

飛行場の端の端に
まるで恥ずかしがるかのようにジャンボ機にその機体は身を隠していた

マクダネル・ダグラスMD-90というらしい

比較的前のほうに席取った私のあとからも
数回にわたりバスで運ばれた乗客達が搭乗され、そして色々な表情が伺われた
”えぇ〜小さい” ”あら〜・・” ”・#*・?・・。”
様々の驚きがあったようだ

シートは通路をはさみ2脚と3脚
新幹線位の横幅だろうか
窓も一回り小さい

大きく感じたのは
となりに座ったオヤジの肩幅と後ろのおばちゃんのしゃべり声だけであった


快適な509マイルの空の旅も約1時間30分の定刻で
9時20分ごろ
山口宇部空港に無事着陸した


先ほどまでの雨は幻覚だったかと思えるかのように
青い空とすがすがしい空気が私を迎えてくれた

実はこれから先の具体的な計画はまだ仕上がってない

防府駅まで行けば競輪場に行ける
その為
2つの選択肢だけは用意してきた

ひとつは空港から宇部市営バスで新山口駅に向い、そして防府駅まで向う進路
もうひとつは
空港から歩ける場所にJR宇部線の草江駅がある
そこをスタートし電車を乗り継ぎ防府駅まで向う

後者のほうが料金も安く
時間もまだ十分にある

草江駅まで歩くことに決め
空港内案内所で駅までの道を尋ねた

『駐車場に沿って大通りの信号を突ききればすぐですよ』
しかし
『・・・・・あまり電車は無いけど・・・・・』

え〜え〜〜
たしかに見せてもらった時刻表に一時間に一本位の数字しか記載されてない


バス乗り場に走った



870円の切符を握り締め
9:35分発のバスに乗り30分位であろうか、感動に残る景色も発見できないまま
新山口駅に着いた

駅北口で山陽オートレース場の無料送迎バスの看板が偶然目に入った
もしかして
防府競輪場行きのバスもあるのか?と考え
バス案内所で聞いてみたところ
一台の発車寸前のバスを指差し
『それだよ!』


国道2号線を軸とし
途中、大道駅、防府駅と乗客を拾い
そうとうな距離を
しかも無料で運んでくれた
8人しか乗ってないというのに

羽田空港内、山口宇部空港から、そしてこのバスと今日は既に3回もバスに乗っている


競輪場は山の中のこじんまりした33バンク
忘れかけた故郷を思い出させてくれるような幻想的な世界である
ウグイスも歓迎してくれたのか
しきりに挨拶を繰り返してくれている

1レーススタートまでまだ時間もあり
すべての事が順調に進んだ
・・・ここまでは

売店で”ギョロッケ 100円”という文字が気になった
あとでたらふく食べてみよう

レース進むにつれ
”ホーホケキョ”の音より”ばかやろ〜”の罵声が気になりだした頃には
すっかり自信とお金が無くなって来た
夜食に”フグ”を食べようとコツコツ貯めた資金にまで手をつけてしまった

8レースまで見届け
私を歓迎してくれてないことにやっと気付き
その場を後にした

最終レース終了まで送迎バスは無い
出口バス駐車場の隅にぽつんと立っていた公衆電話ボックスの張り紙に書かれている
タクシー会社に助けを求め
防府駅まで780円の道のりを涙で曇った目で眺めていた

いけない!ギョロッケ食べ忘れた
一個60円のゆで卵2個しか入れてない私の腹も
悲鳴をあげていた

”ゆで卵”食べるためにここまで来たのでは無い
明日は取り返す





防府競輪場ご関連者様、お世話になり有難うございました

この旅、まだまだ続く



第67話 草むしり

JR山陽本線の埴生駅
目の前に山陽オートレース場への専用通路がある
歩いて2〜3分で行ける便利な場所が今日の仕事場である

昨夜泊まった徳山のホテルからこちらに向かい
7時54分に着いた
開門は9時50分
今日の気合が物語るかのごとく
早めの行動である

それが間違っていた

駅前といえど何も無い
約2時間の時間をつぶすためには”草むしり”しか無いような場所である


あ然と立っている私の前に
自転車を押しながら駅に向ってくるずいぶん前に少女だった方が現れたので
何気に聞いてみた
『近くにお茶でも飲めるところありますか?』
そしてその女性が取られた動きに我が目を疑った
なんと
駅前の自販機を指差してくれた


あらためて駅員に言葉を変えて質問した
『この辺りに軽く食事を取れる店ありますか?』

少し歩くけど国道沿いに”ジョイフル”というレストランがある
男の足で15分くらいかかる
親切に地図まで書いてくれた
神も見捨ててないようだ

汗ばむくらいの陽気の中
そのメモ頼りにただひたすら歩いた

その看板が見えたとき
砂漠の中でオアシスを発見したときのような感動が立ち込めてきた
もちろん映画で観た話である・・・

そして
その看板の文字がはっきり見える位置までたどり着いたとき
腰から徐々に力が抜けていく感触に襲われた

そこには『開店時間10:00〜』と
悲しい語句が記されていた

駅まで戻る道のりはもっとながく感じた

駅から2〜3分のレース場という立地条件の中
なぜ私はこんなにも歩き続けているのか
ワカラナイ・・・


駅舎に戻り
駅員と目を合わせないようにしながら
駅の売店で”発泡酒”と”焼きちくわ”を買って体を癒した
そして
もう一缶、駅舎内で飲んだ

時計の針が9時に近づき始めたので
もう二缶発泡酒を買いバックに詰めて専用通路に向った

今日は飲まないで勝負に徹しようと立てた計画自体
既に狂っている

中央にエスカレーターその左右に階段がある立派な入り口が待ち構えていた
しかしもっと私を驚かせたのは
そのたもとで
既に早朝販売を開始しているではないか!


ウォーキングなどせずに
早くからここに来ればよかった
神がいたずらのターゲットに今日の私を選んだようだ

こういう時は考えても勝てない
開門までの30分ほどで今日買うだろう予想をマークし
すべて前売りで車券に変えた
あとは場内で気になった券だけを買い足し
落ち着いてレースそのものを楽しむこととした


入場口に並び開門同時に入場し、まず走路を見に行った
特徴のあるコースである
他のオートレース場の楕円形と違い
いたるところがコーナーに見えるような円に近い丸い走路である
これなら違う狙い方もある

既にポケットに入れた車券の変更は出来ない

レース進むにつれ
狙ってた山陽食堂のチャーシューメン650円を修正し
450円のラーメンに狙いを変えたが
まだ車券が現金化されない
300円のかやくうどんでもいいやと思いながらも

まず5個入り200円のたこ焼を買った

”かんぼこ”各種250円も食べてみたかったが
諦めるのも勇気だと自分に言い聞かせた




帰りは埴生駅から山陽本線で宇部まで向かい
JR宇部線で草江駅
そして空港まで歩いてみた
乗車券480円であるが
かなり長い時間の電車の旅が楽しめた
宇部線の時刻表と都合が合えば空港までは便利なアクセスかと思われる


JAL1648便:山口宇部 19:00発
まだ2時間以上もあるが空港で時間をつぶすこととした
とにかく早くこの場を逃げ去りたい
そんな私にまた神がいたずらを仕掛けてきた

場内放送・・・♪
『JAL東京行きは定刻より30分遅れての到着の予定です・・・』
あの馬鹿飛行機・・・

持ち物検査では
ポケットの小銭が反応し靴まで脱がされるし・・・







山陽オートレース場ご関連者様、お世話になり有難うございました

この旅、まだまだ続く


第68話 番外地

太陽が目覚める前に、天空橋から大空に向った

いかん
才能が邪魔をして、また、判りづらい表現をしてしまった


朝一番の電車に乗り
東京モノレールの”天空橋”駅を通過し羽田空港から北海道網走郡”大空町”の女満別空港に着いたのは
定刻5分遅れの9時40分

数多くの乗客が出口へと向った

駅前駐車場にとめたマイカーを利用するひと
駐車場向こうに軒を連ねるレンタカーを利用するひと
また
各方面へと向うバスを利用するひと
ここから先、それぞれの夢を求めて散らばるのであろう

北見駅行きのバスに向う途中
旅行客の話し声が耳に入った

「ウトロ行く前にラウス寄ろう・・・」

ここは”欧米かよ!”


聞かれることも無かろうが
仮に「どちらに行かれるんですか?」と聞かれても
”ばんえい”とも”ばんば”とも答え辛い雰囲気であった

東京との気温差は十数度
心構えはしていたが、やはり寒い


空港出口前で待機していた北見駅行きのシャトルバスに乗った
出発まで20分ほど待っただろうか
バスは8人を乗せ発車した
”運転手を入れての人数である”

あれほどいた旅行客は、いったい何処に消えたんだろう


4,50分で着くだろう北見駅バスターミナル

途中、秋から冬物への着替えを楽しむかのような木々達のファッションショー”紅葉”を
空席だらけのそのバスの中から楽しむこととした

緑は少なく黄色が多い、赤も目立ち始めている
ということは
緑の6枠と赤の3枠は荒れそうだ
軸は黄色の5枠にしよう!

気分が”高揚”し始めたころ、駅バスターミナルに着いた


競馬場までは無料のバスが利用できる
念のため切符売り場の女性に乗り場を聞くと
「11時に6番乗り場から出ます」

あと20分ほどで迎えに来るようだ
なんと順調な滑り出しではないか

しかし
しかしだ


6番乗り場が無い
もう一度
3番乗り場に戻り
4番、5番と歩きなおしてみたが
6番は無い

聴きなおすのもしゃくだし
5番乗り場のその先に一人ポツンと立っていた怪しそうな人に近づいてみた

そして
その眺めている張り紙を目にし
胸をなでおろした

そこには運行時刻表が張られていた
「競馬場行き無料バス」
9:40
10:00
10:30
11:00
11:30
13:30
やはり6番乗り場の文字は、そこにも発見できなかった
競馬場行きのバス乗り場はターミナルの中の”番外地”かも知れない


11:00という時間通り、予想以上に大きなバスが迎えに来た
そして
4人を乗せて発車した
運転手の岡村さんを入れての人数である


20分ほどで目的地に着いた

2レースが終わり配当金等のアナウンスが流れていた
駐車場にまで聞こえる放送、3レースから買えそうだ
勝負の時間が刻一刻と近づいてきた

ここ北見競馬場では普通のレースは実施せず、ばんばだけのコース
外の円形コースに邪魔されず
左右直線のコースが目前で観戦できる
3レース購入後、場内の観察をしてみた
紅葉した木々に周りを囲まれ
右奥には削られた斜面が観える、リフトらしき物は見えないが個人のスキーゲレンデなのだろうか
スタート地点手前には子供達を遊ばせるジャングルジム
左奥には練習場であろうか円形コース
その中に晩馬が挽くソリが無数に置かれていた

広い休憩所もあり
その中、畳の場所も設けられている
ストーブ横で睡眠している老人の姿
なんと気持ち良い事であろう
しかし
私はそこで寝るわけにはいかない宿命を背負っている

食堂も数件、軒を並べ
券売り場の社屋内でも簡単なものは販売されている

そのなか
”ばんば揚げ200円”を食べながらレース観戦をはじめた


そして
最終1レースを残しその場を後にするまで
それしか食べてないことを忘れていた

この後、駅でレンタカーを借り
観光に向う計画をたてていた

その為、酒は飲めない
馬券も取れない
さぶい、しばれる

おまけに追い討ちをかけ
9レースからの豪雨
その中、最終レース終了後しか迎えに来ない送迎バスを震えながら待っていた



そして
ドラマは、まだ終わりを告げてなかった

予想だにしてなかったこの時期の平地での初雪観測
同じ動きしかみせないワイパーとフロントガラスに集まる”白い恋人達”
それとカーナビしか見れないドライブ
なにが観光じゃ!

その車中
ついつい高倉健の網走番外地の歌を涙目で口ずさんでいた
遥か 遥か彼方にゃ オホーツク♪
紅い真っ紅な ハマナスが♪
馬を見てから 泣いてます♪
その名も 網走番外地♪


翌日、立ち寄った博物館:網走監獄でもその涙は止らなかった





北見競馬場ご関連者様、お世話になり有難うございました

この旅、まだまだ続く


第69話 白紙撤回

現存する国内最南端のギャンブル場、熊本競輪場を目指すことにした

ちょうどこの時期、JR線には乗り放題の”青春18キップ”があることを知り
この年齢で使っても良いのか戸惑いながらも・・・
初めて利用する事とした

このキップは新幹線・特急以外のJR線にいくら乗っても定額料金で済む
旅打ちにとっては助けとなるキップである


航空予約はJALの先得割引にて直接に熊本空港に入るより羽田ー福岡空港の方が数段安い事も知り
各レース場の開催予定を眺めながら小倉競馬場、若松競艇場、熊本競輪場、姫路競馬場
そして”大阪?伊丹空港”まで戻り、羽田から帰宅という
壮大な帰りながら打つ”帰り打ち”作戦を計画した


どのくらいの時間をついやした事であろう
航空運賃も安く、その間のJR線も乗り放題という
堅実派のギャンブラーとしては、たまらなく魅力を感じるプランが仕上がった


そして、そのプランの序説がこのような始まりである


羽田8:00発のJAL311便にて福岡9:45分

10:08発:福岡空港(福岡県)5分[福岡市交通局] [普通]福岡市営空港線
博多(福岡県) 10:13着、10:22発 博多(福岡県)66分[JR九州] [快速]鹿児島本線快速(門司港-八代)
11:28着:小倉(福岡県)、JR小倉駅より北九州モノレール(競馬場前駅下車)で約10分

■小倉競馬場で12:50分までレースを楽しむ

北九州モノレールでJR小倉駅まで戻り
13:16発:小倉(福岡県) [JR九州] [普通]鹿児島本線(門司港-八代)
折尾(福岡県)13:42着 13:45発[JR九州] [普通]筑豊本線
13:55着:奥洞海(福岡県)駅

■若松競艇場にて奥洞海(福岡県)駅:16:38分発の[JR九州] [普通]筑豊本線に間に合うまでレース観戦

16:38分:[JR九州] [普通]筑豊本線発



20:12:熊本駅(熊本県)着


ごく序盤での紹介であるが満足できる完璧なスケジュールがこの様に三日分仕上った


よく見ると泊り先は決めて無い
しかし、これはいつもの事である

ほとんどの時間が電車の中であり
食事時間と愛煙家の私にとって重要なタバコタイムがまったく無い

神様が与えて下さった試練に耐えるしかなかろう
しかし
次々と与えられる試練に初日の計画は白紙に戻すしか選択肢は浮ばなかった



それは次のアナウンスから始まった

「羽田発8:00のJAL311便、福岡行きは整備の為機体変更致します・・・」
「続いて搭乗ゲートの変更のお知らせ・・・」

搭乗ゲートもバスゲートへと変更された
その為、福岡空港には30分以上遅れての到着予定のようだ


仕方なかろう
最初の小倉競馬場での観戦時間を短くするしかない
自分自身のはやる気持ちを納得させた

そして時間つぶしに買ったスポーツ新聞には
次の神からの試練が描かれていた

ふと目に止った競艇予想記事の中に
小倉競馬場の次に訪問する予定の”若松競艇”の記事が書かれていた
”若松ナイター予想”
げ、げげっ!!
若松競艇ってナイターやるのか・・・
ナイター開催という時間設定はまるで考えていなかった

13:55:奥洞海(福岡県)着
徒歩8分にて若松競艇場
の訪問予定も
ナイターは第一レース15:13分スタートという記事をみて、、、言葉を失った・・・

計画書の大筋を変更せざる得ない状況である


当初の計画は白紙撤回し本能に任せて行動するという選択肢を選んだ



小倉駅発、北九州モノレールの競馬場前駅を降り
競馬場入場口を出ると真正面に小倉競馬場の入場券売り場がある
電車を降りれば3分ほどで馬券が買えそうな環境である
”カップ麺競馬場”と覚える事にした


A4、A5のポールの間(ゴール前)に複数の中継カメラが陣取っていたので
定住の場ここに決めレースを観戦することにした

特に、この時期特有かも知れないが緑が目に焼きつく綺麗な馬場である
さほど中央競馬の大きさを感じないが
こじんまり作り上げている右回りコースに
やっと着いたという安堵感に
思わず涙が込み上げてきた


涙の真の原因は
これからのスケジュールがまったく白紙になった不安からかも知れないが・・・


気温35度らしい
勝っても熱か〜負けても熱か〜の状況である


しかし、この後の事が気になる
中央競馬での購入券は
そのレースが終了するまで待たずとも
当たり券は地元でも払戻しが出来る


スケジュールが白紙となった私は着いたばかりの小倉競馬場からの
場所変えを決意した


取り急ぎ、この場に来たという自分の証の為
数レース分の前売り購入をし
その場を後にした


あとで気付いたが
小倉競馬場では一度も馬を観ていなかった

しかし
急いで購入したその券のうち
半分近くのレースが当たっていた

賭け事ってそんなもの?





小倉競馬場ご関連者様、お世話になり有難うございました

この旅、まだまだ続く


第70話 青春18キップ

今回の旅打ちは、そもそも”青春18キップ”を利用してみよう
という発想からスタートした

終日JRの新幹線・特急以外を乗り放題という期間は春、夏、冬の3シーズンあり
今年の夏は7月20日から利用可能であった

しかし自宅から”青春18キップ”だけで
今回目的の九州地区に向おうとチャレンジする体力・気力は
青春18を3回ほど経過した私の選択肢には無かった


羽田空港→福岡空港、伊丹空港→羽田空港の行き帰りの空の確保と
青春18キップを購入し
レース場の開催日程をにらみながら
福岡県の小倉競馬場からスタートし
最後は兵庫県の姫路競馬場で終えるという、まず大筋の計画を立てた
いわゆる帰りながら打つ、帰り打ち作戦である


最近は便利なインターネットサイトもある
航空機・新幹線・特急を使わないで電車の最適ダイヤが検索できる
”青春18キップ”を利用する人には役立つこのサイトを使い
色々な角度から検索してみた

福岡空港から小倉競馬場で観戦し、県内であと一ヶ所のレース場を訪問しても
夜までには熊本に着き
翌日、熊本競輪を観戦して、山口、広島周辺まで戻ることが出来る
そうすれば最終日には
姫路競馬場で打ち、その足で伊丹空港から帰路につける

電車に10時間近く乗り続ける辛さなど想像すらしないまま
次々とプランが決まっていった


小倉競馬場近くでは若松競艇と芦屋競艇も開催予定である
渡りに舟とはまさにこの事を言うのであろう
小倉、若松、熊本という順に進路を決め
分単位の完璧な行動計画が仕上った


その計画に乗りスタートするまで
若松競艇場がナイター開催であることをまったく知らなかった


最初の小倉競馬場では
この場に来たという自分の証の為、数レース分の前売り購入をし
若松競艇場でのナイターの時間までに予定外の芦屋競艇場に向うことにした
近くであることは知っていたが、詳しい場所までは定かでは無い


小倉競馬場内で、それらしき人に緊急インタビューを開始した
「芦屋競艇場はどちらの駅が近いですか?」

「しらんと・・・」
「競艇やらんからわからんと・・・」


「たしか???遠賀川でよかろう。。」
5人目でやっと明かりが見えてきた

競馬場に集まる紳士・淑女達と競艇場に集まる紳士達とはDNAが違うのかも知れない・・・



朝から何も食べてない事に気付きながらも
コンビニひとつ見当らない遠賀川駅前のバス乗り場で
この時間帯には一本しかない15:04分発:中央病院前行きバスを数十分待った
もちろん駅前には数台の北九州ナンバーのタクシーも待機していたが
”ギャンブルの神様は贅沢を嫌う”という自分自身の座右の銘にこだわった



競艇場前にてバス料金220円を払い降車すると
広い駐車場の先にはユートピアの如き競艇場がそびえ建っていた
その、あまりにも綺麗な建物には驚いた


建物内では10レースの結果が放送されており
残すところあと2レースしかない
しかし
当たった場合、送迎バスの最終時間の関係で換金出来ない事もあるので
旅打ちは最終レースまで出来ない宿命である

この場は次の11レースだけしか勝負できない
絶対に外せない!



久々に真剣に出走表を見つめた
そして
6艇の中、1号艇の日高逸子という女性選手から流す事とした
展示タイム:6.76、6.93、6.82、6.83、6.85、6.80
進入:1,4,2,3,5,6号艇
体重:47Kg、チルト角:−0.5度


まず間違い無いであろう
伊達に全国の修羅場をくぐってない



連複で1から総流しの5点買い舟券を握り締め
その時を待った

轟音とともにスタートがきられ
ターンマークを狙いの1号艇が先頭で折り返した
予想通りの展開であり
ゴールまで続いた
しかし、あまり嬉しくない
5点買いで取った配当が一番人気の200円である
当たってマイナスの結果だ


急に空腹が襲ってきたが
この後、若松競艇場のナイターに急がなければならない為
早や足でその場を後にし、送迎バスに駆け込んだ






芦屋競艇場ご関連者様、お世話になり有難うございました

この旅、まだまだ続く