第5号 平成14年10月(2002年)秋の特大号 |
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今月のご意見板 〜本当?税理士報酬が下落!〜 |
先日、日経新聞に税理士報酬が下落―という記事が掲載された。最近の景気低迷の影響を受けて顧問料月額の報酬も下げざるを得ない状況なのだという。 |
税理士を使う企業や事業主にとって年間何十万円もの報酬を支払うのは並大抵のことではない。料金に対してシビア―になるのは当たり前だし、報酬料金が経営を圧迫しているとなれば本末転倒である。売り物には当然世間相場というものがある。世間相場とかけ離れた料金設定は論外だが、お客様は価格に見合ったサービスを受けているのか、税理士事務所はお客様に満足していただけるサービスを提供できているのかが何より重要だ。お客様が十分にやってくれたと満足して始めて料金を頂戴するのがサービス業本来の姿である。きめ細かいサービスができているのか、マンネリ化してはいないか、サービスの提供に見合った料金なのか、税理士事務所は常に自問自答しお客様の声に耳を集中すべきだ。 |
税理士の顧問料は事務所によってバラツキがあり、不透明感があるのは否定できない。昨年から税理士会が中心となって税理士法の改正を契機にこのような問題を改善する活動も積極的に進められている。現在では価格表を常備しているところや料金体系をホームページ上でオープンにしている事務所も少なくない。 |
今回の新聞報道がどれほどの真実を伝えているかは定かではないが、明瞭な料金体系、良質なサービスの提供に今後いっそう努めていかなければならないと今改めて思う。 |
【注】上記の日経新聞の税理士報酬に関する記事については、平成14年9月30日に訂正記事が掲載されました。全文は、以下のとおりです。 |
『16日付の「税理士報酬が下落」の記事中、「五年間でおおむね3〜4割程度下落」 「現在の月額顧問料は3万円程度」 「記帳代行の場合、1万円以下」とあるのは全国平均や、すべてが一律に下落したことではありません。税理士報酬は依頼される業務内容により顧客との個別契約で決められています。』 |
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商業登記規則等の一部改正 |
先日、商号の登記にローマ字等を用いるための商業登記規則等の一部改正についての概要が発表された。従来,商業・法人登記については、会社の商業登記にローマ字を用いることが認められていなかったが、今回の改正で商号登記についてもローマ字等一定の符号が使えるようになった。社会経済の国際化や日本語表記の多様化に伴い、商売上は商号にローマ字を用い、登記上はカタカナで表記する会社がこれまでも多くあった。そのような会社の実情に即して商号の表記上の取り扱いの一元化をはかったものだ。施行期日は平成14年11月1日から。今後はよりいっそうネーミングの幅が広がるだろう。 |
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ネーミングあれこれ |
会社名といえば、世の中にはなるほどと感心してしまうネーミングがたくさんある。今回はそのいくつかをご紹介しよう。 |
【ソニー】ラテン語で音を表す「SONUS(ソヌス)」と「SONNY(小さい坊や)」との造語 |
【キャノン】発売第一号カメラの名前がカンノンカメラ(観音カメラ)であったことから語感も似ている「CANON」(判定基準)と命名 |
【ブリヂストン】ご存知創業者石橋正二郎氏の名前からブリッジ(橋)ストーン(石) |
【サントリー】創業者鳥井信治郎氏の名にちなんでサントリー(鳥井さん) 昭和38年に寿屋から社名変更 |
【ロート製薬】目薬処方の提供者ミュンヘン大学ロートムンド博士にちなんで名づけられた |
【資生堂】中国の古典「至哉坤元 万物資生(ああ素晴らしき大地の徳 すべてはここから生まれる)」から命名 |
【カルピス】カルシウムとサンスクリット語のサルピス(最上の味)を合わせた造語 カルピスの発売は大正8年7月7日 カルピスの水玉模様は七夕の天の川をイメージしたもの |
【アスクル】オフィス用品デリバリーの大手 今日頼めば「明日来る」から名づけた |
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東海道中旅日記 第5話 片浜〜蒲原 日付:1996年12月25日 |
あなたは歩くのが好きですかと聞かれたら、私は迷わず好きですと答えるだろう。歩くようになったきっかけは山手線一周だった。どこだかの大学の旅行倶楽部が毎年新人歓迎の行事として山手線を一周するという話を聞いた。山手線を一周すると約40キロ。とんでもない距離にはじめはびっくりしたが、話を聞くと12時間くらいで歩けるという。学生にできて私にできないはずはない。やるぞと決めて早速出かけた。朝6時に新宿を出発。池袋、日暮里、鶯谷と右回りに進み新橋、五反田、恵比寿―新宿に戻って来たのは夕方6時であった。きっかり12時間。体はくたくただし、足はガタガタになったが、やったぞという達成感がそこにはあった。それ以来歩くのがおもしろくなった。目的地を決めたらそこまでひたすら歩く。やり遂げたという達成感を求めてひたすら歩く。その一つの大きな目標が東海道五十三次の完全歩破だった。 |
東海道の旅をはじめてから約5ヶ月が経過していた。スタート初日は真夏であったが、今は12月。休みを利用して歩いているのと出不精な性格が災いして、第5日目のスタートが5ヵ月後になってしまった。 さて、5日目の今回は沼津の先片浜から富士市を経て安藤広重の絵図でお馴染みの蒲原まで。気温も低く歩くには程よいコンディション。やっぱり歩くのは夏より冬の方が良い。防風のために植えられた千本松原を海岸沿いに真っ直ぐ歩くと富士市の煙突群が目の前に迫ってきた。煙突からは水蒸気がもうもうと上がっている。昼には富士市を通過。天気は快晴でどこからでも大きな富士山が一望できる。江戸時代の人たちも見た絶景の富士を今私も見ているかと思うとなんか妙な連帯感が生まれてくる。富士市を抜けると東海道線沿いに町並みが続く。夕方5時に蒲原に到着。こぢんまりとした小さな駅だった。今夜は電車で富士市まで戻ってビジホテに泊まる。小さな町だと宿が見つからないので、電車で行ったり来たりしながら泊まる場所を確保する。明日は清水経由で静岡まで行く。 |
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