☆うし

ミュートスとの大決戦、004はミノタウロスと名乗る敵と対峙していた。ミノタウロスは、004に
とっては強敵だった。マシンガンも殆ど効かない。近づけないでいるので、レーザーナイフも有効とは
いえない。そして、004の1番の頼りになる武器・・・・マイクロミサイルすら無効と化してしまう。
それに対して、ミノタウロスの角から発射される電撃はかなりの威力をもっている。圧倒的に004に
不利な戦いだった。

ところが・・・・・・・・

009が2人の間に割って入ってきた。009はアポロン担当だったはずなのに。ずかずかと無遠慮に
ミノタウロスに近づいていく。
「お、おい009!危ないぞ!」
004の言葉を、綺麗さっぱりと流して009はミノタウロスをじろじろと見た。
「貴様だな?僕のアルにチョッカイをかけているのは・・・・。アルにナンパするなんて、この恥知ら
 ず!!牛は牛らしく、オージービーフとして輸出されて喰われてしまえ!!!」
この言葉に1番仰天したのは、004である。
「なに、かっとんだこと言ってんだ!お前は!」
怒鳴りながら、こちらもずかずかと近づいてきた。
「大体!!!」
びっ!!とミノタウロスを指差した。ミノタウロスがびくっと怯えたように、震える。
「俺が、こんな黒毛和牛にナンパされて落ちると思ってんのか!!!」
馬鹿にすんな、と004は怒った。009も負けてない。
「アル、牛肉好きじゃないかっっ!!」
「なんだ、そりゃ!?屁理屈捏ねるな〜!!!」
009と004は、此処が戦場ということも戦いの真っ最中なことも忘れて顔をつき合わせて怒鳴り合
う。困ったのはミノタウロスである。周りを見渡すと00ナンバーが真っ赤な顔をして俯いていた。
「お、おい・・・・。ちょっと落ち着けって・・・・。」
ミノタウロスは、そう声を掛けた。その言葉に009と004が同時に振り返る。
−−−−−−−−−−怒りに我を忘れた顔をして・・・・・。
それは本当に真剣に怖かった。ぎっとミノタウロスを睨みつける。
「オージービーフは・・・・。」
「黒毛和牛は・・・・・・・。」
そこまで言ってから、2人は同時に叫んだ。
「引っ込んでろーーーーーー!!!!!!」
次の瞬間、ミノタウロスは宙を舞っていた。

★またまた続いてしまいました、ミュートス編です。ミノタウロスに恨みはありません・・・・多分。
 この方、いつ戦闘になっても004を付け狙っていたので何か感じる(笑)ところがあるのかな〜と思
 いまして・・・。そうなってしまうと、私の世界ではまず009が黙ってません。009にとって、
 004にちょっかいかけて良いのは自分だけなのです。


☆一撃必殺 ミュートスVS00ナンバーの戦いが始まった。00ナンバーにとって、ポセイドンとアトラスというど でかい連中がやっかいだ。同じサイズがメンバーにいないからだ。と、009がポセイドンに向かって 行く。他の00ナンバーはぎょっとしたのだが、他の連中の相手に忙しくフォローに行けない。ポセイ ドンはにやりと笑って009を睨んだ。 「ほほう、小僧。お前がわしと戦うというのか?勇敢だが、愚かだな。」 そう言ってはははは、と笑い飛ばした。ポセイドンをじっと睨みつけていた009だが、やおら口を開 いた。ぼそっと呟く。 「うるせー、魚フンじじい。」 ぴきん ポセイドンが凍った。そしてそのまま、わーっと泣きながら海の彼方へと消えていった。慌てたのはア ポロン達である。わあわあと海辺に走ってくるが、ポセイドンの後姿はもう遠近法もきかないほど豆粒 程になっていた。 「どーだ、見たか!!僕の一撃必殺ワザを!!!」 009がガッツポーズをとった後、どこか虚ろな目をしている004に飛びついた。 ★今度はポセイドンが犠牲に・・・(泣)元ネタは柴田亜美先生の「勇者への道」4コマです。ポセイド  ンの爺様は、ナーバスですなあ。口で勝てるのは、009と003ぐらいなもんでしょう。003も  この頃かなり毒口家になってしまってますので・・。
☆姉上の血 しつこいようだが、00ナンバーVSミュートスの決戦は続いていた。始めは同等の勝負をしていたのだ が、次第に性能で劣る00ナンバーが押され始める。特にアポロンの強さは半端ではない。素敵な太陽 バックルから怪光線を降り注がれてしまったり、と苦戦防戦一辺倒になってきた。その中で奮戦して良 い勝負をしているのが、009だった。002の加速装置は古すぎて、009とアポロンに追いつけな い。だが、009は決め手に欠ける。スーパーガンが効かないのなら、他に有効な武器は009にはな い。案の定、アポロンの発火能力の餌食になった。どうっと倒れた009に、アポロンが止めを刺しに 急降下してきた。 万事休す。 だが、アルテミスがアポロンを止めた。そのまま、崩れ落ちる。 「姉上!?」 アポロンが驚いて、アルテミスを抱かかえる。アルテミスは、切れ切れの息で言った。 「良い、お前の気にすることではない・・・・・。」 アポロンがはっとして見ると、アルテミスの脇腹辺りから血が流れ出ていたのだ。 「姉上・・・っ!俺達、サイボーグなのに一体どっから血が・・・!?」 その発言の瞬間、アルテミスの手がアポロンの顔に伸びて・・・思いっきり抓った。 「あひたたた・・・・・。」 「弟よ、注目すべきはそこではない。死にそうになっている私の全体を見るのだ。」 「ふいまひぇん、はねうふぇ・・・。」 アルテミスはようやく手を離した。 「分かったなら、やり直しだ。良いな?弟よ。」 「はい・・・。」 アポロンは抓られて痛む頬を擦りながら答えた。 「・・・・・・・・・・・こいつらも、変なやつら・・・・。」 004の呟きが、00ナンバー全員の意見の代表だった。 ★わお!悲しいシーンにこんなツッコミをしていたのは、私だけでしょうか(実話)だってねえ?サイボ  グなら血はないと思うんですよ。いやそれとも・・・体液!?(がびーん)他の連中は良いとして、ア  ルテミスだけは嫌ですわ〜。彼女と003の会話がもっと見たかったですよ。
☆「アフロディーテ」より 世界の三大ビーナスの内、二体までがニセモノと分かった。それまで気が付かなかった美術館とゆーの もどーかと思うが、取り合えずルーブルのビーナスを守る為に004は007を呼び出した。 「済まなかったな、グレート。」 「いんや、芸術の為なら我輩はいくらでも助力は惜しまんぞ。」 「有難う・・・・・で、なんでジョーが此処にいるんだ?呼んでないぞ?」 007の後ろには、上機嫌の009が立っていた。チチチと人差し指を振る。 「なんたって、美しいものが狙われているらしいからね。」 「確かにビーナスは美しいが、別に美しいものが狙われているわけじゃないぞ。」 007は巻き込まれたくないとばかりに、さささっと端っこに避けた。流石人生経験豊富な方だ。 「だってさ、そーなったら危ないじゃないか。」 「なにが。」 「アルが。」 「・・・・・・・・・なにゆえ?」 「だってアルは美人だもん。狙われたっておかしくないよ?」 「おかしいわ、お前の思考そのものが。俺は美人じゃない。」 「美人だもん!」 「ちーがーうー!!」 行き交う人々が不思議そうに、009と004を見ていく。それはそうだろう、青年と少年が美人だと か馬鹿たれとか言い合っているのだから。007は頭を抱えた。009には内緒でこっそり来るつもり だったのに(トラブルに巻き込まれるから)空港で、待ち伏せしていたらしい009に鉢合わせ。006 から教えて貰ったと本人は言うが、しばらく張々湖飯店が休店状態になったのは想像に優しい。004 がうっかりと美術評論家とバカンスへ行っていると絵葉書が来てから、009は不機嫌だった。 「アルは僕のことなんて忘れて、浮気してたろー!」 「してねーわ!つーかなんでお前に浮気と言われにゃならんのだ!?」 「そんなの、アルは僕の恋人なんだから当たり前だろ?」 「いつそーなったよー!!!」 何やら、009にとっては本題に話が移っているようだ。大変恥ずかしい内容を大声で怒鳴りあってい ることにも気が付かず、痴話喧嘩(だろう)はヒートアップしていった。 007が彼らを見捨てて、ルーブルに行ったのは当然の行為であった。 ★結構、009と004の絡みが多いおいしい話ですよね。しかも知り合った美術評論家と一緒にバカ  ンスに行ってる、凄い004・・・。バカ正直にそれを絵葉書で書いてくるので、009が浮気と判  断してもおかしくないでしょう。本当は美しいものが盗まれるというくだりはもっと後になってでて  くるんですけど、私の009の頭の中は「004=美しい」になっている模様です・・・。
☆はりー・ぽったー 009にせがまれて、004は一緒に映画を観に行った。009がどーしてもコレが観たいと言って譲 らなかったので、004は「K-19]を諦めて「ハリー・ポッターと秘密の部屋」を観た。 たかがお子様映画と思っていたのだが、コトの他面白かった。009も大喜びして観ていた。 「面白かったね〜ハリポタ。」 「思いの他な。」 「あのキャスティング、僕らでやるとしたらどーなるかな?」 「俺達!?」 戸惑う004の言葉にいつものように耳を貸さず、009はうっとりと天井を見る。 「やっぱり主人公のハリーは僕だよね。僕も両親の顔を知らないし。」 「ふんふん。」 「ロンはアルで、ハーマイオニーはフランだな。」 「・・・・ちょっと待て。なんで俺がお前と同級生になるんだよ。」 「良いじゃん、僕と1番仲良しさんってことでさ。」 「18歳のお前と30歳の俺じゃ、幾らなんでも無理があるぞ。」 唯の戯言なので聞き流せば良いものの、変に律儀な004は難癖をつけた。 「そーだ!ジェットがいるじゃないか!同い年だし、赤毛だし。」 「やーだよーだ。髪の色から行けばアルはドラコでも良いんだけど。」 「いや、だからどーして同級生にしたがるんだよ。この年で言われても嬉しくないぞ?」 「やっぱりドラコはジェットだね、決まり!」 「何故決める?」 「えーと、ハグリットはジェロニモでドビーは張々湖でロックハート先生はグレート。」 「おい、俺の話をきーてるのかお前は・・・。」 「校長先生は博士でーハリーのルームメイトに1人黒人の子がいたはずだから、それがピュンマ。」 「ジョー!?」 「う〜ん、困った。イワンが無いや、適任。」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 004はもはや突っ込みを入れることすら諦めて、009を見つめていた。 ★唯の戯言でございます故、どーかハリー・ポッターファンの方お怒りをお沈め下さいませ(平身低頭)  でも主役3人はハリー=009、ロン=002、ハーマイオニー=003は合ってるんじゃないかし  らんと思っているんですけど・・・。黒人の子の名前が分からないんですが、たしかハリーのルーム  メイトだと思います。結構ハリーとロンの近くにいつもいるし。004は個人的にスネイプ先生かし  らとも思ってみたり。もちろん「あのお方」とやらはスカール様ですよね!あの巻き舌で「ハアァァ  レィィィィィ」とか言って欲しいものでございます。ほほほほほ・・・・。 戻る