94な明日へ・・・(爆)
009が、いずこかへ吹っとばされた。敵の1人を道連れにして。ほったらかしにしても良いか、と思った
が流石に主役がいなきゃマズイだろう、ということになった。なんたって題名からして”サイボーグ009”
である。彼が居なければ”サイボーグ009(不在)”という格好悪い題名になりかねない。
しかし、助け方がわからない。困っている彼らに、敵も困っていたらしくコンタクトをしてきた。
「ガモ博士には黙ってきたの。」(ミー)
「ああ、葱しょってるやつ。」(002)
「それはカモだ。」(004)
「・・・・・・・・・・・・。」(ミー)
ミーは・・・本当に、目の前にいる奴らをラビリンスに送り込みたかったが、我慢した。なんせ、リナが攫わ
れたのである、四の五の言ってられない。別に009が好んで攫ったわけではない・・・そう、攫ったわけで
ないのだが、ミーの頭の中にはその事実はすっかり抜け落ちているらしい。これも記憶障害というものなのだ
ろうか。
なんのかんのと大騒ぎしたのだが、やっとの思いでリナ達がいるであろう時代へのシンクロワープに成功した。
009は落ち込んでいた。BG団が滅んでなかった、というのが大ショックだったのは当たり前なのだが、そ
れ以上にあれだけロボットをしばき倒したのに、物足りないからだった。お人よしのリナは、よっぽどBG団
を滅んでいなかったのを落ち込んでしまったと解釈して、黙っていた。
誰か来る。
その気配を感じて、リナは”大声”で009に隠れるようにと”怒鳴った”。隠れたって、あれだけの大声出
せば見付かるのは時間の問題なのだが・・・。
009が目を見開く。その顔に本当に嬉しそうな笑顔が戻る。009は、仲間達に向かって走り出した。
賢明な008は気が付いた。009がこちらに走って来た途端、004がさりげなく006の後ろに下がった
のを。大体の事情は飲み込めたのだが、感動にまみれた再会である。変なつっこみをせずに、自然に任す。
別名知らんぷり。
かくして、再会の瞬間009は大地を力強く蹴り上げ006を飛び越えて004に飛びついた。004は00
9を支えきれず、ドッターンという音と共に引っ繰り返る。
「アル〜v”僕の”為に来てくれたんだね〜♪」
(お前・・・俺達に対してもなにか言う言葉があるんじゃねーのか?)
というメンバーの心の声もなんのその、009はまるで飼い主に甘える犬のように、004に馬乗りになって
へばりついている。
「アル〜v会いたかったよ〜。」
「お、重い!良いからどけって!009!」
「ジョーって呼んでよ♪」
「あっ・・・貴様・・何してやがる・・って脱がすな!」
何やら、怪しい雲行きになってきた。
「待てって・・!ジョー!ちょ、ちょっと誰かコイツをどーにかしてくれ!」
004の必死の声に、思わず003が助け舟を出そうと歩みかけた時
「やめときな、003」
「002、だってこのままじゃ004が可哀想よ。」
「今の009に下手に手を出したら、怪我するじゃねーか・・・。」
002の言葉に003がちょっと悪戯っぽく笑う。
「なに?私のこと心配してくれてるの?」
002は顔を赤くして、ソッポを向く。
「・・・・・・・・当たり前だろ・・・。」
そんな002に、003は嬉しそうに笑うと頷いた。
「わかったわ、009の気が済むまでほっておきましょう。」
「俺はどーなる!」
大分ひん剥かれた004が、叫ぶ。仲間達は全員で004に向かって合掌してみせた。絶句する004といそいそ
とやる気になっている009を残して、仲間達はリナの元に去って行った。
「薄情者ー!七代先まで祟ってやるー!」
「じゃあ、頑張って子孫を残さないとねv」
004の絶叫と009の嬉しそうな声が、悪夢の未来世界に響いた。
「あら・・?009と・・・004は?」
リナが首を傾げて訊いて来る。
「ちょっと用があるんですって。」
「でも・・・何やらBGMが騒がしいような気がするのだけれど・・・。」
「ふふふ・・・気のせいよ。」
003はキッパリと答えた。
「さ、話してちょうだい。此処はどこなの?どうしてこんなに荒れ果てているの?」
リナはコクンと頷くと、話し出した。
メンバーのショックがなんとか抜けてきた頃、009と004がやって来た。
「あら009、良かったわ。さっきよりも随分顔色が良くなったわね。」
心底から”それだけ”を思ったのだろう、リナが安心したように笑った。反対に004の顔色は悪くなっていたが、
それには気付かないようだ。
「お、004と009。これからシンクロワープできる場所へ移動するんだってさ。」
ジト目で睨んでくる004に、002が爽やかに笑って言う。
「ちょっと待てよ、俺は事情が飲み込めてないんだぞ。此処はドコだ?」
「大丈夫、僕が”責任”を持って説明したげるよ。」
「・・・・・・・(怒)」
「これからスグに移動しなきゃいけないらしいの。009、説明は歩きながらね?」
「OK!]
003に促され、009はハイハイと004の背中を押して、歩き出した。
シンクロワープ出来る場所で、002が強制的に004を巻き込んでBG団を蹴散らしてから、シンクロワープを
開始する。だが、リナが困ったように言う。
「ダメ・・・。009が・・・。」
信じた未来にBG団がいたことがよほどショックだったのだろう、004はそう判断して話しかけた。
「集中しろ009。動揺しているのはお前だけじゃない。」
「でも・・・・・。」
009は憂い顔で004を見つめる。
「僕とアルの”愛”キラキラーン←効果音。の結末はどうだったのか・・・・気になって・・・。」
シーン
リナも含んだメンバー全員が青ざめつつ、009を虚ろな目で見つめた。
「だ、大丈夫だ、009。きっとタイタニックのような結末だったに違いない。」
005が引きつりながらも答えた。だが009はパッと顔を輝かす。
「!そっか!凄いドラマチックってことだね!」
「でもあれ、悲劇だったよね・・・。」
008が青ざめたまま、ぼそっと呟く。
「どっちが死んでんだ・・・。」
004も呟く。
「つーか・・・・・005・・・お前、タイタニック観てたのか・・・。」
002の台詞に、003が意外そうに頷いた。
「じゃあ、もう大丈夫!さー皆!張り切ってワープしようじゃないか!」
009の言葉にメンバー全員青ざめ、虚ろな笑いを浮かべたまま頷いた。
戻ってきたと思ったら、辺り1面氷だらけ。だが、ケインが現れたことによって元の時代へ戻ってきたと分かる。
ケインの猛襲に、最初に004が吹き飛ばされた。それを見た002が入れ替わりにケインに突撃する。009は
004が地面に激突する寸前、加速装置で追いついて受け止めたのだがケインによって打たれた衝撃波が、かなり
のダメージを与えたようだ。そっと004を横たえてから、ケインの方を向くと丁度002がやられたところだっ
た。他の仲間は最初の1撃でやられたらしく、誰も立っていない。009は爆走したが、やっぱりやられてしまった。
ケインとの会話の後、彼の言葉に激昂して009は情け容赦なくアーンパーンチを顔面に見舞った。
クリティカルヒット!
レンズを割られて、今度はケインが激昂した。だが009は初めて見たケインの目を凝視する。あまりにジロジロ見る
ので、ケインがキョトンとした。と、次の瞬間009はガバアッとケインに抱きついた。
「な、な・・・何をする!」
引き剥がそうとするが、009は離れない。
「ああ、その目とその髪型・・・。君は僕とアルの子孫だったんだねv」
「・・・・・・んなわけ・・・・あるか・・・。」
うっとりとした009の台詞に、004が苦しい息の下から律儀に突っ込む。それを聞いていたのは、002に走り寄っ
た003だけ。
「ギルモア博士に、人工子宮を装備でもしてもらったのかしら。そしたら、産めるかも。」
003のすっとぼけた言葉に、002が突っ込む。
「卵子がないだろ?」
「視界が乱れているやつね?」
「そりゃ乱視だ。」
「え、やーだ私ったらv」
002と003が、どこか気が遠くなる会話を交わしていた間、ケインは009を引き剥がそうとして、必死だった。し
かし、009はすっぽんの様に離れない。とうとう、業を煮やしてケインは009の足の小さなパーツを壊す。009は
カクンと膝を折った。そして、次々パーツを壊されて動けなくなる。
絶体絶命都市・・・じゃなくて主人公!
だが、リナがケインに掴み掛かりどこかへ消える。
「あー!僕とアルの子孫が・・・!」
009の言葉は、仲間にしか届かなかった。何もしないのに、敵は勝手に滅んでいく。巻き込まれ損な00ナンバー達である。
「嫌だ。」
「あのなあ。」
「絶対嫌だ。アルの手以外は、断固拒否する。」
パーツを壊されて、動けない009に手を貸そうとした002であったが、009の拒否にあう。009は冷凍マグロのように、
転がったまま動こうとしない。002が困っていると、よろよろと004が近づいてきた。
「どうした?早く009を運んでやれ。」
「いやそれが・・・」
弁明をしようとした002の言葉を、009は遮った。
「002ったら、僕に手も貸してくれないんだよ。僕、パーツを壊されて動けないのに。004、悪いんだけど手貸してくれない
かなあ。」
「な・なんだと!?」
あれだけ文句を言ってたくせに、いけしゃあしゃあと009は004におねだりをする。フーと004が溜息をついて、002を
睨んだ。
「なに、ガキみたいなことしてるんだ。しょうがない奴だな。」
「え?・・・い、いや・・・あの・・・。」
004は002の言葉を聞こうともせず、009を起こして支える。そして、絶句している002に背を向けて他の仲間のいるト
コロへ歩き出した。
その時である。
009が002を振り返り、ニヤリと笑った後思いっきりあっかんべーをしたのだ。002は我を忘れて、009に掴み掛かった
が004に叱られる。落ち込む002に、003が近寄ってきた。
「大丈夫よ、002。私だけはチャンと貴方のこと、分かっているから。」
その優しい言葉に、思わず涙ぐむ002であった。
「君も、僕とアルの子孫なんだね。」
いきなり話を振られて、驚くミー。
「え、ああ・・・そう・・・かもね・・・。」
「んなわけあるか。009、妄想は終ったんだ・・・。」
004の言葉を、009は確信的に聞かなかったことにした。
「じゃあ、先祖の僕達と一緒に来るかい?」
「い、いや・・・。ほら!透けてきた。私はこの時代にいてはいけない存在になったんだ!未来が変わりだしたのよ!それじゃ!」
ミーはえらく度胸良く消えて行った。
どうも、未来は変わったらしい。アレだけの騒ぎとサンクトペテルブルグの犠牲の果てに、手にしたものはそれだけだった。
「じゃあ・・・やっぱり頑張って、僕とアルの子孫が残るようにしなくっちゃ!。」
009の言葉に、004が疲れたように答える。
「それはもう、良いっちゅーに・・・。」
そんなヘッポコサイボーグ戦士達を、太陽は眩しく照らし出すのであった。
★見ての通り、42話の「明日へ・・・」のパロディです。ケインの目が004にそっくりで、髪の毛の形が009にそっくり
に、大興奮(笑)して一気に書き上げてしまいました。結構ケインが009と004の子孫、ていうのは言われてますか?
ミーはケインとは兄弟だったのでしょうか、わざわざケインの目を見せたのは009と004の子孫なんだよ〜とスタッフの方
が主張したかったのでしょうか。・・・・んなわけないですね・・・(笑)
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