我が家にやってきたセグロアシナガバチ







2001年春 5月頃、我が家の庭に3センチくらいの1匹のハチがやってきた。その頃の私はハチの事について全く無知で(今でも詳しいわけではないが)、毎日同じ時間帯にレモンバーム(ハーブ)に遊びにくるこのハチを、可愛く思いボーっと眺めていた。虫は増えすぎては困ってしまうが、自分の庭で虫たちのドラマを見るとき、「あぁ、無農薬で頑張っていてよかったなぁ」と思う。


2001年夏 春にやってきた1匹の蜂はどうやら女王蜂で、気が付いたときには玄関先に巣を作っていた。(不思議なことに、何故か2つ)庭を飛ぶ蜂をあまり気にすることもなく、蜂を横目に庭の作業に励んでいたのだが、日に日に増えていくのが怖くなり退治をしようとネットで調べることにした。そして調べているうちに、何故か大きさから判断して「スズメバチ」らしいと勘違いをしてしまった。


2001年7月 7月の半ばにはかなりの数にまで増えていた。門から玄関までの通路を通るときに、周りを飛び回るハチ。一刻も早くなんとかせねばと、朝から晩までネットでハチの事ばかりを調べていた。(実はハチに興味も出てきた)調べる毎に双眼鏡を片手に庭へでる。双眼鏡で見るハチはとても大きく(あたりまえか・・・)、何の種類だかわからないけれどスズメバチだと確信してしまった私は、まず消防署へ駆除依頼の電話をした。ところが消防署では駆除をしないとのことで、業者と市役所(スズメバチの退治を業者でした場合に市から補助金がでる)を紹介してくれた。


葉を1枚1枚、裏表と丁寧にイモムシを探す。



ハチ退治 業者に依頼する前にスズメバチかどうかを確認してくださるとのことで、暑い中市役所の人が来てくれた。見ただけで「あれはアシナガバチですねぇ」と一言。てっきりスズメバチだと思いこんでいた私は「え?!」。我が家のアシナガバチは、市役所の人が持ってきていたスズメバチ退治用のスプレーでシューとされ、あっけなくポトポトポトポト・・・。反撃を受けることもなく、いとも簡単に半数以上が死んでいったのであった。「あぁ・・・ハチさんごめんね・・・」


2001年秋 夏の最盛期を何とか乗り越え(この時期に刺傷されやすい)、結局ハチ退治はせずに様子を見ることに。なぜそんな怖い思いをしながら退治をしなかったか。それは、こちらから刺激をしなければ刺すことがあまりないということと、アシナガバチは益虫で、イモムシハンターだそうなのだ。そう考えてみると、今年はばらの葉やシュートまでも食べ尽くす、ホソオビアシブトクチバの幼虫がほとんどいないことに気が付いた。イモムシ退治を手伝ってくれるアシナガバチを、愛おしく思えるようになってきたのだった。(ちょっと怖いけど)


2002年冬 いつごろからだったか、巣の周りに姿を見せなくなった。もしかしたら巣の裏で固まって越冬していたのかもしれない。もしくは、廃墟となってしまったのかもしれない。何となく、気になりながらもそのまま放っておいた。


2002年春 今年の春の訪れは早かった。3月中に桜が満開になり、4月に入ってすぐ25℃という日もあった。そんな暖かい(暑い)ある日、アシナガバチは活動を始めた。ふと気が付くと、玄関周りの植物に何匹ものアシナガバチがイモムシ探しで飛び回っている。いきなり数が増えてのお出ましに、かなりびっくり。「今年は一度退治をせざるをえないなぁ」と思い退治の方法を練ることにした。




完全に退治 退治をすると言っても、前回のような薬は使いたくない。色々と悩んだ結果、夕方〜明け方の気温の低い活動時間ではない時間を狙って、巣の撤去を試みた。まずは、ホースのノズルにあるジェット機能を使った。実は車に潜り込み車の中へホースを引いての作戦であった。(何度か失敗をして車の中で噴射)時期が良かったのか、ハチはこちらへは向かってこなかった。それどころか巣は頑丈で全然びくともしないが、ハチが水浸しになり飛べなくなり落ちていくのだ。作戦的にはなかなかいけていたようだ。(水だから死にはしないよねと自分に言い聞かせている)でも肝心な巣が外れないので、再度夜中に物干し竿を持って挑むことに。念の為、ベージュのダッフルコートに身を包み(夜だけど黒を身につけるのはやっぱり危険かもしれないので)、白いスキーのズボンにスキーの手袋。頭にはタオルをかぶって、竿を持つ。端から見たらすごく怪しい・・・。今回も念の為、始めはジェットで狙うことにした。でも飛び立つ様子がないので竿でつつくことに。でも頑丈でなかなか外れない。やっとの事で取り外した2つの巣は、水の圧力で少し壊れ掛けていた。そして、まだ小さい蜂の子は中で動かなくなっていた。うぅぅ、ごめんね。


退治の翌日 まだ何匹かのアシナガバチは戻ってくる。そして無くなった巣の場所に集まりうろうろしている。見たところ女王蜂はいなくなってしまったようなので、働き蜂もいずれ散ってしまうのだろう。我が家の居心地がよければまた住み着いてしまうかな。




*後編へ*


*NEXT*    *TOP*