― 木の実 豆辞典 2 ―

TOPへ
≪ 前へ
《カバノキ科 BETULACEAE 》                                                   

ハンノキ :

日本全土に広く分布し、低地の湿った場所にみられる落葉高です。実は小枝に3〜5個ついていて、春先に落ちます。
サクラバハンノキ、カワラハンノキ、ミヤマハンノキ等の種類があり、生息する場所や実の大きさなどが異なります。

ヤシャブシ:

海岸から山地にかけて自生している他、山地や造成地に植林されている、落葉低木です。葉が出る前に、花を咲かせる雄花の黄色い穂は印象的です。実はハンの実に似ていますが一回り大きな楕円球形で、染料として使われています。

《ブナ科 FAGACEAE

ブ ナ :

温帯の山地に生える落葉高木。保水力が強く、豊かな自然環境の森林を構成する重要な木として知られています。実はそばの実に似ている三角形で、四つに裂たけ殻斗(かくと)呼ばれる部分で包まれています。クラフトに利用するのは殻斗の部分です。

コナラ :

日当たりのよい山野に見られる落葉高木です。雑木林を構成する重要な木です。葉は10〜15cm ほどの細長い形で、ヘリに鋸歯があります。実はどんぐりと一般に呼んでいる形をしています。

シラカシ :

山地に生え高さ20メートル位になる常緑高木です。葉の表面は暗緑色で、裏は緑白色でヘリに浅い鋸歯があります。実は丸みを帯びていて1〜2cmくらいで黒色、殻斗には横縞がはいています。

アカガシ(オオガシ、オオバガシ) :

山地に自生している常緑高木、神社や屋敷にも植えられています。 材が赤みを帯びていることからこの名がつきました。堅果は翌年に 成熟し、2cm位の楕円形で下部の殻斗(はかま)に包まれています。 殻斗は椀状で6〜7個の総苞片の輪があります。

クヌギ :

山地に生えている落葉高木です。大きな球形の実は椀型の殻斗に包まれています。 殻斗は成熟すると密生した総苞片が線状に立ち上がりイソギンチャクのようです。 実はムシ喰いの被害にあいやすく、放置しておくとゾウムシが這い出てきます。 薪や炭、シイタケの原木として使われています。

スダジイ :

暖地の山地に生え、大きなものは高さ30bになる常緑高木です。堅果は 翌年の秋に成熟し、1〜1.8aの円錐状卵型で食べられます。殻斗が堅果全体を包んでいて、成熟すると三裂し、ブナの殻斗に似ています。

マテバシイ :

沿海地に生え、高さ15bになる常緑高木。葉は互生して細長い楕円形の 全緑の厚い革のような材質です。実は2〜3aの長楕円形で翌年の秋に成熟 して食べられます。実は硬く虫食いの心配が無いどんぐりです。 防風・防火樹として広くみられる他、シイタケの原木にも使われています。

≪マンサク科 HAMAMELIDACEAE

スズカケノキ(プラタナス) :

 世界各地で植えられています。淡緑白色のまだらの樹皮とボンボンのような実が柄の先にぶら下がっている姿は美しい光景です。日本ではアメリカスズカケノキやモミジバスズカケノキなどがよく植えられています。前者の違いは実のつき方でも見分けられます。柄に球果が1個ついているのがアメリカ、2〜3個つくのがモミジバです。

モミジバフウ :

大正時代に渡来した落葉高木で、公園や街路樹にみられます。 最近ではフウより多く植えられています。葉は2〜18aで掌状に5〜7裂して、晩秋には紅紫色に色づきます。実は球形で直径2.5〜5a、栗のイガのようなとげに覆われていて1個が垂れ下がってつき、熟すとさび色になります。

≪トチノキ科 HIPPOCASTANACEAE

トチノキ :

山地に生え大きなものは3〜4bになる落葉高木。5月ごろ枝先に長さ15〜25aの大きな円錐花序を直立し、雄花と両性花をつける。花弁は4個あり白色、種子は光沢のある赤褐色ですりつぶしてトチモチなどをつくります。マロニエは西洋トチノキのことです。

≪ツバキ科 THEACEAE

ヤブツバキ :

沿岸地に多く見られる常緑高木で、日本の照葉樹林を代表する樹種。葉は互生し長卵形で厚くて固く、表面は濃緑色で光沢があります。萌果は直径4〜5aの球形で果肉が厚く熟すと3裂してはじけ暗褐色の種を出ます。種から取れ椿油は伊豆大島の特産品として有名です。

サザンカ(山茶花) :

ツバキ科の常緑小高木です。晩秋から冬のあまり花の少ない時期の代表種、枝先に4〜7aの白い花が咲き、花弁は5個で平開します。庭木や生け垣などに見られ、椿とは花形、花の散り方などで区別する場合もあります。子房は有毛、萌果は直径2aほどの球形で細毛があり熟すと3裂してはじけ暗褐色の種を出ます。

ナツツバキ(シャラノキ) :

ツバキの中では珍しく冬に葉を落とす落葉性で樹高は大きくなると20mにも達する高木です。初夏に径5〜7aの純白の花を咲かせます。萌果は木質で長さ1.5〜2aの先のとがった卵形で熟して5個の果片に裂開します。

《トウダイグサ科 EUPHORBIACEAE

ナンキンハゼ :

ナンキンハゼは中国原産の落葉高。紅葉が美しいことなどから公園や街路樹などによく植栽されている。 6〜7月頃に枝先に長い穂状の花序が形成される。雌花は根元付近に少数付き、残りは雄花である。秋に果皮が割れると中から白い粉に包まれた種子が出てくる。この白い粉はロウであり、冬でも枝先に付いていることが多い。

《ノウゼンカズラ科 HIPPOCASTANACEAE

キリ :  

キリは日本各地に栽培される落葉高木で樹高10mに達します。葉は大型で稚樹時には5浅裂、生長するにしたがって小さくなり全縁となります。葉の裏面には星状毛が多く、粘り着くような感覚があります。花は5月に咲き、秋から冬にかけて翼のある種子をとばします。材は国産材では最も軽く、箪笥の材料としてあるいは琴などに利用されます。成長も早く、女の子が生まれるとキリを数本植えておき、嫁入りのときには箪笥を作って持たせるなどの風習もありました。

≪アカネ科 RUBIACEAE

クシナシ:

東アジアに広く分布し、日本では本州南部〜四国・九州・沖縄の野山に自生しているが、園芸用としても多く栽培されています。高さ1〜3mほどで、葉はつやがあり、花期は6〜7月で、6弁の白い花を咲かせます。花には強い芳香があり、学名の種名jasminoides」は「ジャスミンのような」という意味があります。秋に緋赤黄の果実をつけ、この果実は熟しても割れないため、「口無し」という和名の由来になったと言われています。果実は古くから薬用や黄色の着色料として用いられています。

コーヒーノキ :

常緑の熱帯性低木です。世界で栽培されているコーヒーノキは、主として「アラビカ種」・「ロブスタ種」・「リベリカ種」の3種類で、コーヒーノキはその総称です。種子をコーヒー豆と呼び、これを得る目的で商品作物として栽培されています。コーヒーノキは、白い花を咲かせて鮮やかな赤(品種によっては黄色)の実をつけるため、観葉植物として鉢植えで栽培されている姿も多く見られます。

≪ミソハギ科 LYTHRACEAE

サルスベリ :  

中国南部原産の落葉小高木で日本には江戸時代に渡来しました。南方系の植物であるためか春の芽だしは遅く、新しくのびた枝の先端に円錐形の花序をつけます。花は7月のはじめから咲き始め、9月の終わりまで真夏の日射しを楽しむかのように咲いています。花の色は紅紫色〜淡紅紫色または白色。外国産の樹木で自然に繁殖する種は多くはないが、サルスベリは実生で(種から自然に芽生え)成長します。

≪フトモモ科 LYTHRACEAE  

ユーカリ :

オーストラリア南東部とタスマニア島に主に分布します。ユーカリは500種類もあり、変種も含めると800から1000もの種類になります。成長がとても早く、材木として注目されています。70メートルを超える高さになるものから、5メートル程で枝分かれする種類もあり、コアラの食物としてよく知られています。葉から取れる精油は殺菌作用や抗炎症作用、鎮痛・鎮静作用があるとされています。根を非常に深くまで伸ばし地下水を引き寄せる力が強いので、インド北部のパンジャーブ地方の砂漠化した地域の緑化に使われて成功しました。旱魃(カンバツ)に苦しんでいた地方が5年程で甦った例もあります。

   
ページTopへ
≪ 前へ