(上のGPS軌跡が途中、陸上で直線になっているのは電池切れに気付かなかったため)
4:30 島の南端、青苗、奥尻津波館の公園で起床
7:00 朝食を終え出発しようとしているところに、そこそこのクロスバイクに乗った初老の男がやって来て
話を始める。私は基本的にはこういう出会いは大事にしたいと思っている者だが、この時ばかりは
閉口した。色々と話すのだが、要するに「自分は本来こんな所でくすぶっている人間ではない。この島
にはろくな働き口もないし、付き合うに値する人間もいない」という自慢とも不満ともつかない繰言なの
だ。しかもこちらが、さあ出発するぞ、という気配を見せても一向にそれを察しない困ったヒトだ。
8:25 奥尻港着 20.15q(これには昨晩の食堂への往復若干も含む)
先ほどの男からほうほうの体で逃げ出し奥尻港に向かう。
9:45出航なので別に急ぐ必要はなく、途中「なべつる岩」などで写真を撮り少し早めに到着。
乗船手続きをとってから、港で濡れたタオルなどを干しながら乗り込みを待つ。
料金は前日より多少高くなり 人:¥2200 自転車:¥1210 計¥3410
9:45 出航
穏やかな航海。
後部デッキに座り去り行く島を眺めながら昨日走ったコースを目でなぞり、登りのきつさを思出し
ながらも、しみじみ「急に予定変更までして奥尻に来て良かった」と思う。
12:00 江差港着
想像以上に寂しい港だ。
お目当ての復元された「開陽丸」(戊辰戦争で沈没した旧幕府軍軍艦)を見に行くが、期待に反して
お粗末で、入館料¥700ときてはパスをする。
港近くのコンビニでおにぎり、パン、お菓子を補給し半分露店のような食堂に行く。
出してくれた氷入りの麦茶がうまかった。この時間でもう暑くなっているのだ。
さくら鱒の焼いたのがお勧めとかで、初めて聞く名前ではあるがそれに従い、大正解。美味でした。
13:00 目標を北海道唯一のお城がある「松前」に定めて出発。あと約63qだ。それにしても暑い。
15:52 「小砂子トンネル」(1080m) 53.59q(奥尻部分も合算、以下同様)
今日も向かい風が強く、加えて数十メートルのアップダウンが連続する。こういうのは本当に辛い。
頑張っても10q/hがやっとの事が多い。
大して長くはないトンネルだが、久し振りの本格派なので気合を入れて走り抜けるが、結局、車2台と
すれ違い、1台に追い越された。(自転車の時速を25qとすると1000mのトンネルを通過するには
約2分半かかる)
16:45 64.65q地点
海岸沿いの高台を走る道(R228をこの辺では福山街道とか松前国道と呼ぶ)登ったり下りたりし
ながら、それもかなり歩きながらなので相当バテテきた。あと20q
17:30 74.27q地点 あと10q、心積りの時間より大分かかっており、やや焦り始めてくる
18:15 松前城着
松前の町に入ってから城に着くまで道標だけを頼りにかなり走り回ってしまった。最後の頑張りで
城に辿り着いたのだが、1960年に再建されたという天守閣ははっきり言って貧弱だ。さくらの季節
には美しいと言うがどんなものだろうか。
散歩の老人に写真を撮ってもらってから、例によってどこかテントを張れそうなところがないかを
尋ねると、ここよりさらに上のほうに駐車場があり、その公園なら良いのではないかという事で、
細かく道順を教えてくれる。
そこからまたかなり彷徨うのだが省略。その駐車場には水場、トイレ、東屋がある。時間も遅いので
宿営を即決。しかも人影がないのを幸いに、東屋の中にテントを張らせてもらった。これで万が一雨
でも安心。
19:10 テントにもぐる
わかめスープ、おにぎり、パンとわけのわからない夕食後、定期便の電話で家人に現在地と今日の
報告をしてテントへ。(主にそのためだけに携帯電話を持っている。普段は電源はOFF)
今日の予定では、十分余裕をもって松前に着いて「観光」をして、豪華夕食を食べて…、ということ
だったが、風と丘の連続が誤算だった。 |