4:30 小樽港到着
下船間際に船内通路で500円を拾う。これは幸先良いかも知れない。
1年前、苫小牧に上陸した時のあの不安感を思い出す。初めてのロングツアーで事前情報過多でも
あり、恐怖感すらあった。船内で知合ったベテランに同行をお願いしようとまで思った事がウソみたい
だ。これを成長というのか慣れというのか…。
小樽へは以前にも来たことがあり何となく位置関係はわかっていたので迷わず市内を目指す。近くには
裕次郎記念館などもあるのだが、時間が早すぎる。
ものの2q程走って「小樽運河」に到着。日曜日なのに観光客はひとりも居ない。静かなものだ。
少し雰囲気を楽しんで、お決まりの写真をとって積丹半島に向けて出発。
実は事前の情報収集(ネット上にはありがたい情報がたくさんある)から、余市へ向かうR5には
長くて狭く自転車にとって危険なトンネルがある事がわかっており、それを避けるルートをとることに
していた。それを「フルーツ街道」という。
資料のとおり、長橋トンネルを越えると豪勢な下りとなり、やがて塩谷トンネルの入り口が見えてくる。
その手前を左折して山道に差し掛かりフロントのギアをローに落そうとしたとたんチェーンが外れた。
この程度のトラブルは1分で解決するのだが、しばしば起きるようだと困りものだ。

(塩谷から国道5号線を避けたルート図)
7:50頃 余市中心部 30.77q
多少登りでは苦しみ遠回りをしたが、危険な目には遇わずに余市に到着。
街の自転車屋でようやく予備のタイヤチューブを買った。1000円と少し高いのだが保険料だ。
横浜を出発以来、道端のガソリンスタンドでガソリン価格をいろいろと見てきたが本州では概ね
170円〜175円になっていたが、ここ余市では165円だった。ここの自転車屋に聞いた話しでは
余市はガソリン激戦区で、小樽辺りからも買いに来るとのことで、多分道内でも一番安いのでは
ないかという事だった。後に行く「奥尻島」では、島というハンデもあるだろうが185円だった。
朝飯を食べたいのだが時間が早くどこもやっていないので、やむを得ず公園にてインスタントラー
メンを作って食べる。こういう事があるから常に予備の食糧が必要となってくる。
9:00 街外れのセブンイレブンでかなり大量の食糧(1346円)を買い込んで出発
ここからはR229(セタカムイライン)となる。
10:15 豊浜トンネル 44.29q
1996年の崩落事故の後に新しく生まれ変わったもので2228.5mと非常に長いものだが、立派な
側道があり安全に通れる。涼しいだけに反って長いトンネルがありがたい。
出て直ぐに名所の「セタカムイ岩」がある。ここで記念写真をとるが、これが大好評!10:45発
10:55 沖歌トンネル 47.14q
これも2050mと長いが整備されており安全。最近の新しいトンネルは自転車にやさしい。
セイコーマートで夕食用の弁当を買い込んでから古平にて親子丼の昼食 12:00発 48.73q
美国から積丹岬の付け根を横断する山道になる。
12:55 そのピーク 58.27q
30分程は歩いた。
ある程度の傾斜と長さがある登りにはよく左側に「登坂車線」が設けられており、これを見ると、
この登りは手強いぞと予想するのだが、もう一つ「砂袋」が用意されている坂もある。スリップ
した時に蒔けという事なのだろうが、一体誰がどういう状況で使うのか全く不明だ。事実ほとんど
使われた形跡がない。使った事がある方が居たら是非ご一報ください。
13:35 野塚 70.67q
13:45 道営野塚野営場 72.28q
サーファーがたくさん居る。前面は日本海。右は積丹岬、左は神威岬と素晴らしい立地だ。かなり
西風が強いものの、トイレと炊事場もあり、予定通り今晩の宿営はここに決める。
さっそく設営を済ませると例によって寛ぎの時間だ。今日は紅茶にしよう。このユッタリ感が堪らな
い。スケジュール上、十分に余裕があるので、2泊してもいいと思った程だ。
しかし、蚊が異常に多いのだ。もちろんテントの中には蚊取り線香を吊るしたのだが、外でたいて
も余り効果はない。手の平でパシパシ殺し続けて手の平が自分の血で赤くなってしまう。あとで
判明するのだが、実はこの時居たのは蚊だけではなく、ぶよも居たらしく翌日から脛に猛烈な痒み
が襲ってくる。髪の毛の中までやられた。こんな事もあろうかと医者に処方してもらった塗り薬を持参
して来たのだが、ツアー終了前に塗り切ってしまった。
これで連泊はなくなった。
夕陽を見ながら買いこんできた夕食を食べる。確かに落日は素晴らしかった。
早々にテントにもぐり込んだが、ラジオで東京秋葉原での連続殺傷事件のニュースを聞く。
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