新十津川→碧水→(幌加内峠)→朱鞠内湖 |
101.06㎞(225.36㎞) |
5:47 |
17.4㎞/h |
8:00 旅館出発 今日の目的地は「幌加内湖公園キャンプ場」(約80㌔)と決めて走り始める。碧水までの27㌔は、去年、逆方向ではあるが走った事がある。
道の駅「田園の里うりゅう」「サンフラワー北竜」(去年はここで演習帰りの陸自と出遭う)と進むうちに天気が良くなってくる。快調な滑り出しだ。
9:40 碧水着 ここから先は初めてのコースとなる。沼田では宿泊地候補だった「田島公園キャンプ場」を覗き小休止(勿論、この他にも小休止は度々とっています!)
この辺り、相当の長さにわたって逆走するロードレーサーとすれ違ったのだが、挨拶を交わすのも終いには億劫になってしまう。やはり「人種が違う」という思いがある。大分先の方の看板で分かったのだが旭川方面からの「センチュリーライド」の大会のようだった。それでも、回収車から「頑張って」と声を掛けられた時にはピースサインを返しておきましたよ。
雨竜川に沿って北へコースを変えてしばらく行くと対岸に「鷹泊岩」(マップルに記載がある)が見えてくるが(※ 今日は何故か殆んど写真をとっていないので済みません)、別に…、という感じで、少し先の公園で昼食にした。(この頃は天気も何とかもっている。)
前回のツアーまでは昼食用・予備食料としてよく「菓子パン」を買ったものだが、今回は「食パン」に変わっている。勿論ジャムとチューブバターも携行している。かさばるのが難点だが、備蓄としての安心感が違う?ここではこれに加えて行きがけにコビアンさんから頂いた「卵の味噌漬け」とお茶という豪華メニューだった。
標高270㍍という割には手強い幌加内峠を越えて幌加内に着いた時には未だ14:10だった。
ここからキャンプ場までは2~3㌔上れば良いのだが、その時、「まだ時間が早い」とでも思ったのだろうか、それとも「上りはイヤだな」とでも思ったのだろうか、マップルを眺めると12~13㌔先にせいわ温泉ルオントがあり、注に『道の駅に隣接 ログキャビンとキャンプ場を併設』というのが目に入ってしまった。(事前チェックから何故か完全に外れていた)
ここからピンチが始まったのだ。
温泉付きのキャンプ場とは何とも理想的だし、3時過ぎのキャンプ地到着は丁度良い…、一も二も無くルオントを目指す事にした。
15:15 ルオント着
周囲には何も無く、街道脇に忽然といった趣でそれはあった。やれやれひと安心と売店でソフトクリーム(260円)を食べ、宿泊を申告しようと店員に語りかけると、そこは全く別の経営で、少し上にある風呂屋のフロントに行ってくれと言う。
行きました。その温泉施設に踏み入れた時も、ああ、ここはいいなあ、と思っていた。ところが受付のニイチャンと話したとたんにそれは一気に崩れてしまった。「キャンプ場など無い」と言うではないか。話が違う!ニイチャンに罪は無いけれど、マップルが置いてある自転車のところまで一緒に来てもらい、その個所を見てもらい、「ほら、こう書いてあるでしょう」と見せても、ない物は無い。時間もどんどん経って行くし、ここを逃すと30数㌔先の士別まで行かなければならない。必死で口説き、お願いして何とか、駐車場の隅でならと許可をもらい、この時もまたホッとして「後でお風呂に入りに行きますと」などとノウテンキな事を言ったものだ。
遠目には良さそうに見えたその草地は、下は湿地、何より蚊とブヨの巣だった。立ち止まると腕が見えなくなるほどたかってくる。(これは少しオーバー)
たまらず、そのニイチャンには何もことわらずに一目散にそこを逃げ出し、何の考えも無く、走り始めた。
悪い事は重なる。上空は明るいのだが、しばらくすると後ろの山の方から稲光と雷鳴が聞こえてきて、徐々に近付いてくるような気配がした。周囲に雨宿りが出来るようなものは何も無い。頼りはマップルにある12㌔ほど先の士別への分岐点にある霧立亭だけだ。(人気の手打ちそばのお店 とある)
ここからは稲光・雷鳴との追いかけっこだった。ポツリポツリと来始めたところで霧立亭に駆け込んだ時には、とりあえずホッとしたものだ。
16:20 霧立亭着(101.06㌔) 椅子に座ると間もなく雷鳴を伴ったものすごい夕立、豪雨となった。あわてて外に出て、かろうじてフロントバッグだけにはカバーを着けたが、我が身がびしょ濡れになってしまうので、その他には手が回らなかった。
雨のせいもあり外は暗くなり始めている。注文したもりそば(700円)を食べている間も依然として激しい雨。本日の宿泊地は未定。大ピンチだ。
この店は若夫婦2人で切盛りしているらしい。旦那がそば好きで、念願の店を持てたという感じだ。奥さんは傍からみても分かる妊婦さん。
もう5時近い。実はその頃には、いざとなったら店内の上がり座敷に泊めてもらおうかと密かに考えていたのだが、ずるい私は、近隣に民宿・旅館など無い事は十分に知っていながら、奥さんに「この辺に何処か泊れるところは無いですかね」と聞いてみた。
旦那は「近場といっても士別まで行かないと…」とか「ルオントで泊れないですかね」と言いつつ「朱鞠内湖のレイクハウスは高いかも知れませんが聞いてみましょう」と電話をしてくれた。私は朱鞠内湖の位置関係は知っていたので、内心「この雨の中10数㌔山道を上っていくのは御免被りたい、それなら士別へ出た方がましだ、もし宿泊OKと言われても、断ろう」等と不埒な事を思いつつ電話を受け取った。
電話の向こうで「宿泊OKです」との事。断るために「送迎はムリですよね」と聞いたところ「軽トラしかありませんが、それで良かったら行きますよ」と言うではないか。多分、私にとって、この時点での最高の解決策ではないか。これなら、バッグを着けた自転車ごと宿舎へ行ける。現金なもので、即座によろしくお願い致しますと返事をして、霧立亭の旦那と奥さんに何遍も礼を言った。
ここで17:10 但し夕食は出せないと言うのでもう一杯もりそばを注文した。
待つ事30分で軽トラ到着。運転の若者の力を借りて愛車を荷台に載せて出発。皮肉な事にこの頃には雨は小降りになっていた。
思ったとおり相当の山登りだった。この13㌔はあの時点では到底きつ過ぎた。軽トラで迎えに来てもらって本当に良かった。
(レークハウスしゅまりない:この軽トラのお世話に)
この建物は元々は研修施設だったようで、レストランは充実しているが、宿泊施設はそこそこ。それでも2時間前の状況を思うとき、天国と地獄の差がある。
18:15には本格的なホットコーヒーなどを戴きながら湖畔の美しい風景を眺めていられたのだから、結局は「良い一日だった」だったと言えるのだろう。