最近呑んだ吟醸酒について
   

 

 

2014年10−12月分

 

   

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  これからの話は消費者(飲み手)という立場で書いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。と言う事は、売りたいための宣伝はしませんし、太鼓持ちのような感想も書きません。また、音楽とか味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思います。

 よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。 
  

◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か、皆様への判断基準を書きます。

 A;味、B;香り、C;コストパフォーマンス、D;総合評価を、各5点評価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表します。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてしまうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。 

 私の独断と偏見なしで評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間違ってはいないと思います。

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◇イイお酒を、イイ友と、イイ肴と、イイ会話で月1回楽しむ会です。◇

 


 2014年次回例会は 1月31日(土)です。

 



 

 

2014年12月27日(土)例会

 

1.浅舞酒造(秋田県横手市)  純米 「天の戸 美稲八〇(うましねハチマル)」 無濾過
原料米;美稲、 精米歩合;80%   【アルコール分】 16度 1.8L \2,057
 
A;味4、B;香り3、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4 
E寸評;1年物で酒の色は琥珀色というか古酒然とした風采です。力が失せて老香が出て、若々しいときにお付き合いが出来ていたら、と言う思いが一杯です。


2.今田酒造(広島県東広島市)  特別純米  「富久長」 無濾過本生酒
原料米;八反錦、 精米歩合;60%   【アルコール分】 16度  1.8L \2,916
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4 
E寸評;いちばんしぼり、白濁した新酒で、さわやかでのびのびした若者の活気を感じる。新酒独特の炭酸味はあまり感じない。


3.三浦酒造(青森県弘前市)  純米  「豊盃」 しぼりたて
原料米;−、 精米歩合;麹米・55%/掛米・60%   【アルコール分】 16〜17度  1.8L \2,998
 
A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;新酒なので炭酸味が口中を刺すが、それは若者の特徴。旨さ充分ですが、味わい単味。この価格では、望みすぎで、これが限界か。


4.八戸酒造(青森県八戸市)  吟醸  「陸奥八仙」 あらばしり無濾過生原酒
原料米;麹米・華吹雪/掛米・まっしぐら、 精米歩合;麹米・55%/掛米・60%   【アルコール分】 18度  1.8L \3,024
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 
E寸評;純米党からはおしかりを受けるでしょうが、旨い。味わいバランスして奥深く安心して楽しめる。税引き二千円台では頑張っている方です。アルコール度数が高いので力強くしっかりした味わいになっています。

 

5.平孝酒造(宮城県石巻市)  純米吟醸  「日高見」 
原料米;−、 精米歩合;50%   【アルコール分】 15〜16度  1.8L \3,240
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 
E寸評;吟醸香も良く、雑味はなくバランスして呑みやすい。味わいは深さが無く平坦で濃厚な酒では無い。


6.楯の川酒造(山形県酒田市)  純米大吟醸  「楯野川」 初槽生原酒
原料米;美山錦、 精米歩合;50%   【アルコール分】 16〜17度  1.8L \3,348
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 
E寸評;吟醸香が素晴らしく味わいとのバランスがイイ。味わい中庸で、強い個性は無いが、またそれはそれでイイ。

 

 

 

 


 

 

 

2014年11月29日(土)例会

 

1.栄光酒造(愛媛県松山市)  純米吟醸  「松山三井」 無濾過生酒
原料米;松山三井、 精米歩合;50%   【アルコール分】 16.5度 【日本酒度】-1.0  【酸度】1.6 1.8L \2,484
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;コクがあり厚味があり、丸く甘くふくよかな味わいで安心して飲める。若干の酸味があるが、大勢には影響が無い名酒。この値段では、他の酒たちが立ち向かえない。


2.旭酒造酒造(山口県岩国市)  純米大吟醸  「獺祭」 
原料米;山田錦、 精米歩合;50%   【アルコール分】 16度  1.8L \3,078
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;味わいサラリと口中を抜けていく。老子の言葉では無いが「上善水のごとし、水はよく万物を利して争わず、衆人の恵む所に処る」。濃艶な酒の対極にあって、恐い酒の代表。飲み口がイイのでついつい飲み過ぎてしまい、後で失敗する。


3.八百新酒造(山口県岩国市)  純米吟醸  「雁木」 無濾過生原酒<初搾り新酒>
原料米;山田錦、 精米歩合;50%   【アルコール分】 16〜17度 【日本酒度】+3.0  【酸度】1.8 1.8L \3,456
 
A;味5、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 
E寸評;もう、吟醸酒の新酒が手に入る時期になってきました。サラリと素直で、若々しく活力がある。活気だけでは無く、旨味も上がって雑味なく、新しい季節を予感させる新酒。



4.緑川酒造(新潟県魚沼市)  純米吟醸  「緑川」 
原料米;−、 精米歩合;55%   【アルコール分】 15.5
度  1.8L \3,456
 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+ 
E寸評;老香が薄く乗っている。雑味はないが酒の力が失せて、バランスがくずれている。若い時の君に会いたかった。

 

5.英君酒造(静岡市清水区由比)  吟醸  「英君」 袋吊り無濾過生原酒
原料米;五百万石、 精米歩合;55%   【アルコール分】 17.5度 【日本酒度】+6  【酸度】1.3  【酵母】静岡酵母HD−101(HD-1の泡なし) 1.8L \3,742
 
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+ 
E寸評;豊潤な旨さはあるが活力と若さが無い。力のバランスが失せて老境の境地に差しかかっている。いつも、もう一つ垢抜けしないのはどうしてだろう。アレも欲しい、これも欲しいの飾りすぎの欲張りな足し算では無く、何もかも取り去った無垢の良さ、引き算の発想があってもイイのではないでしょうか。


6.神沢川酒造場酒造(静岡市清水区由比)  純米吟醸  「正雪」 
原料米;山田穂、 精米歩合;50%   【アルコール分】 15〜16度  1.8L \4,320
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価5 
E寸評;吟醸酒のスタンダードとも言える名酒。でも、この値段だったら当たり前で、細部にこだわれば、酸味がきつくバランスを欠いている。青々と緑の芝生の清楚さを香りから感じさせる、素晴らしさがある。

 

 

 

 

 


 

 

2014年10月25日(土)例会

 

1.北安醸造(長野県大町市)  純米吟醸  「北安大黒」 原酒ひやおろし
原料米;−、 精米歩合;55%   【アルコール分】 17度  1.8L \2,916
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 
E寸評;心地よい酸味が口中で広がり、さわやかな飲み口になっている。雑味なく味わいバランスして夏を上手に乗り越えた。


2.世界一統(和歌山市湊紺屋町)  純米吟醸  「南方」 
原料米;−、 精米歩合;50%   【アルコール分】 17度  1.8L \2,983
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 
E寸評;甘味と旨味が上手くミックスして、雑味もなく味わい深いひやおろしになっている。気取らず背伸びせず、素顔美人になっている。


3.小林酒造(栃木県小山市)  純米大吟醸  「鳳凰美田」 
原料米;山田錦、 精米歩合;50%   【アルコール分】 15〜16度  1.8L \3,240
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 
E寸評;味わいバランスして、厚味有り、奥行きも有り、香り奥ゆかしい佳酒。税抜き価格3千円で文句なくベスト。


4.酒田酒造(山形県酒田市)  大吟醸  「上喜元」 押切
原料米;山田錦、 精米歩合;35%   【アルコール分】 17度  1.8L \3,456
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 
E寸評;山田錦の35%磨きであれば鑑評会で金賞を取る組み合わせ、それがこの値段で・・・。味わい力強く旨さ充分。せいそで奥行き幅があり絶品。当然味わいバランスして飲み手を魅了する。

 

5.佐久の花酒造(長野県佐久市)  純米大吟醸  「佐久の花」 原酒
原料米;たかね錦、 精米歩合;49%   【アルコール分】 16度  1.8L \3,500
 
;A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 
E寸評;昔の佐久の花は、付け香ではないかと思うほど強い香りがあったが、香りは押さえられて酒とのバランスが取れてきた。この奥ゆかしい香りが酒の品位を高めて飲み手を安心させる。
化粧美人が素顔美人になった。



6.宮泉銘醸(福島県会津若松市)  純米吟醸  「写楽」 夏越し酒
原料米;麹米・山田錦/掛米・夢の香、 精米歩合;麹米・50%/掛米・55%   【アルコール分】 16度  1.8L \3,672
 
;A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 
E寸評;香りの奥に花園が見える。その旨さは充分で、何もコメントを挟む余地がなく、陶酔境で遊ぶ。銘酒中の銘酒。

 

 

 



 

 

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