2015年7−9月分
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これからの話は消費者(飲み手)という立場で書いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。と言う事は、売りたいための宣伝はしませんし、太鼓持ちのような感想も書きません。また、音楽とか味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思います。
よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。
◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か、皆様への判断基準を書きます。 A;味、B;香り、C;コストパフォーマンス、D;総合評価を、各5点評価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表します。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてしまうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。
私の独断と偏見なしで評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間違ってはいないと思います。
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◇イイお酒を、イイ友と、イイ肴と、イイ会話で月1回楽しむ会です。◇
2015年次回例会は 10月31日(土)です。
2015年9月26日(土)例会
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1.今田酒造本店(東広島市安芸津町) 純米吟醸 「富久長秋櫻」
原料米;−、 精米歩合;60% 【アルコール分】 16度 1.8L \3,059
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;秋のコスモスを連想させて、ひやおろしの酒です。色味着色して、力はあるが酸味はきつく、口中に渋みが残る。
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2.川村酒造店(岩手県花巻市) 純米吟醸 「酉与右衛門秋桜」
原料米;吟ぎんが、 精米歩合;50% 【アルコール分】 15〜16度 【日本酒度】+5 【酸度】1.8 【使用酵母】協会7号 1.8L \3,232
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;これもコスモスですが同じようにひやおろし。味わいバランスしていますが、ザラツキが有り、渋味が口中に残る。
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3.九重雑賀(和歌山県紀の川市) 純米吟醸 「雑賀」 生原酒
原料米;−、 精米歩合;麹米55%/掛米60% 【アルコール分】 18度 1.8L \3,240
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;夏を越えて深みが増して、旨味も増している。大人になって角が取れて力が有り、香りも豊で安心して飲める佳酒。
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4.八百新酒造(山口県岩国市) 純米吟醸 「雁木」 無濾過
原料米;−、 精米歩合;50% 【アルコール分】 16〜17度 1.8L \3,456
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;香り豊で旨味が濃厚。味わいのバランスが取れて、五味が渾然一体となってハーモニーを奏でている。安心して飲める佳酒。前月飲んだものよりアルコール度数が1度高い。
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5.廣田酒造店(岩手県紫波町) 純米吟醸 「廣喜しぼりたて」 生原酒
原料米;−、 精米歩合;55% 【アルコール分】 16度 1.8L \3,703
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス3、D;総合評価4
E寸評;通常お酒は冬に造られ、貯蔵されて夏を越した酒を『ひやおろし』と言います。ですから改めてひやおろしと言わなくても、今の時期のお酒はひやおろしです。でもこれは『しぼりたて』と言いますが??。蔵元さんで、ラベルを貼って貯蔵後そのまま出荷したのか、酒屋さんが大量に仕入れて、いまだ売っているのか分かりませんが、どちらにしてもラベルが似合いません。成人式の着物を結婚式で着ているような違和感があります。貯蔵酒に透明瓶はいけません。紫外線の影響で劣化が早まります。案の定、切れが悪く、会友からも人気が無い一等賞になってしまいました。
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6.来福酒造(茨城県筑西市) 純米吟醸 「来福・愛船」
原料米;愛船、 精米歩合;50% 【アルコール分】 15度 【日本酒度】−6 【酸度】1.8 【使用酵母】東農短醸分離株 1.8L \3,780
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価 4
E寸評;来福のネーミングが泣きます。雑味は無いが、力と勢いが無くなって平凡なお酒になってしまった。 |
2015年8月29日(土)例会
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1.林酒造(富山県朝日町) 純米吟醸 「黒部峡」 火入れ
原料米;富の香、 精米歩合;55% 【アルコール分】 15度 【日本酒度】0 【酸度】1.5 1.8L \2,916
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;一歩引き下がった味香は、食中酒には最高。食後に飲む豊潤な吟醸酒と、食事に合わせて飲む食中酒は違う。
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2.八百新酒造(山口県岩国市) 純米吟醸 「雁木」
原料米;山田錦、 精米歩合;50% 【アルコール分】 15〜16度 1.8L \3,240
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;極端に旨いとは言わないが、決して不味くは無く、旨く安心して飲め、最後まで味変わらず付き合える。毎回味が変わらず、その実力は高い。安心の美酒。これ以上褒めません、私が買えなくなるといけないので・・・。
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3.五町田酒造(佐賀県嬉野市) 吟醸 「東一」
原料米;山田錦、 精米歩合;49% 【アルコール分】 17度 1.8L \3,348
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;味わいバランスせず、雑味は無いが味にザラツキがあって、喉ごし悪い。お代わりがしにくい酒です。
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4.松本酒造(京都市伏見区) 純米吟醸 「澤屋まつもと」
原料米;−、 精米歩合;55% 【アルコール分】 15度 1.8L \3,348
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;炭酸が効いていて、まるで新酒の趣です。発泡酒なみの泡が立ち上がってくる。口中で炭酸が暴れ、酸味が残り、旨味をマスキングして本来の味わいが感じられない。
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5.三宅彦右衛門酒造(福井県美浜町) 純米吟醸 「若洲の酒 桝々福々」
原料米;−、 精米歩合;50% 【アルコール分】 15度 1.8L \3,456
A;味4、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+
E寸評;ラベル、左の写真では細部が分かりませんので、左図をクリックすると拡大します。この絵ガラは、明治時代の引き札(広告チラシ)で、おめでたい図柄なので現在に残り、瓶のラベルになったものです。
口中で七福神が暴れ回り落ち着きが無く、飲み下した後に、どの神様でしょうか悪さをして、喉ごし悪し。
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6.清水清三郎商店(三重県鈴鹿市) 純米吟醸 「作(ざく)」
原料米;雄町、 精米歩合;55% 【アルコール分】 16度 1.8L \3,672
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;旨さ充分。雄町の旨さを充分引き出し、さわやかな中に旨さが十分詰まった佳酒。 |
26BYについて
秋田の酒屋「佐々辰酒店」さんからご指摘がありました。以下にご指摘を載せます。
BY(醸造年)は7月1日に始まり翌年6月30日に終わります。
26BYとはH26年7月1日に始まり翌27年6月30日に終わります。
(先月・「まんさくの花」)ご紹介の26BY雄町55は雄町米が晩生である事を鑑みるに最も早くともH26年10月下旬の仕込みとなりましょう。現在H27年の7月30日ですから約8ヶ月の熟成と考えられます。
山田や雄町等は北国では貴重な米ですので仕込みは厳寒期で出品酒の時期を挟んだ前後の仕込みと考えます。従って12月の仕込みか2月中旬の仕込みと推定するのが合理的です。
では、吟醸の館様の1年熟成という感応は何処に由来するのかです。蔵元は非常に喜んでいると推察します。従来この蔵は山田雄町等の「高級米」については出品酒系の蔵内B酵母というカプエチ系を用いました。今回からは巡米シリーズは全てAK-1へ統一いたしました。この辺りの経緯は蔵から取扱店に案内文が廻っておりますので、購入されたお店に訊いて頂ければと存じます。もし不明ということなら、酒造業界に取りとても重要な観点からの試みでありかつ主様のような高評価を頂いたことから鑑みるに一定の成果を観る事ができます。よって私がご説明しても結構です。
私が考えますにこの酒は後1年、冷蔵貯蔵で本領発揮でしょう。もし興味をお持ちの向きでしたらお申し越し下さい。弊店在庫を3度の冷蔵庫へ貯蔵し、もし弊店が続いており私が生きておりましたら500ml瓶にでも詰めて主様へ差し上げても価値があると存じます。
この酒はもっと良くなります。惜しむらくは7月の発売ではなくせめて来年まで寝かせたほうがと思います。
先ずはBYについての指摘をさせていただきます。
以上、ご指摘の通り、まさにその通りで、私が何処で取り間違ったのか分かりませんが、完全に私のミスです。
今後この様なミスが無いように、注意深く取り組みます。お詫びと訂正をさせていただきます。
また、「佐々辰酒店」さんには御礼申し上げます。
2015年7月25日(土)例会
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