2016年1−3月分
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これからの話は消費者(飲み手)という立場で書いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。と言う事は、売りたいための宣伝はしませんし、太鼓持ちのような感想も書きません。また、音楽とか味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思います。
よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。
◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か、皆様への判断基準を書きます。 A;味、B;香り、C;コストパフォーマンス、D;総合評価を、各5点評価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表します。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてしまうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。
私の独断と偏見なしで評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間違ってはいないと思います。
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◇イイお酒を、イイ友と、イイ肴と、イイ会話で月1回楽しむ会です。◇
2016年次回例会は 4月30日(土)です。
2016年3月26日(土)例会
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1.盛田庄兵衛(青森県七戸町) 特別純米 「駒泉
作田」 生酒
原料米;−、 精米歩合;60% 【アルコール分】 14〜15度 1.8L \2,571
A;味4+、B;香り4、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;アルコール度数が低い分、味わいサラリとして旨味充分でさわやか。クセがなく、どんな料理にも合う。
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2.清水酒造(埼玉県騎西町) 純米 「花菱」 無濾過生原酒
原料米;−、 精米歩合;60% 【アルコール分】 17〜18度 1.8L \2,721
A;味3+、B;香り3、C;コストパフォーマンス3、D;総合評価3+
E寸評;瓶詰め時期は今年になっているが、一年物なのでしょう。色も着いて老香がわき上がり、力を失っている。
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3.三浦酒造(青森県弘前市) 純米吟醸 「豊盃」
原料米;華想い、 精米歩合;55% 【アルコール分】 15〜16度 1.8L \3,394
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;相変わらず入手困難な人気を博している酒です。味わい濃厚で華やか。旨味充分で、心より堪能できる。
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4.八百新酒造(山口県岩国市) 純米吟醸 「雁木」 無濾過生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;50% 【アルコール分】 17度 1.8L \3,564
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;味わいサラリとして広がりがある。味に色付けは無く清楚でバランスして旨味充分。クセがなく吟醸酒を堪能させてくれる。前月飲んだときの渋味は消えていた。
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5.下村酒造店(兵庫県姫路市) 純米 「奥播磨」 生酒
原料米;夢錦、 精米歩合;55% 【アルコール分】 17〜18度 1.8L \3,701
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;旨さ成熟して、旨味が口中で広がる。米の甘味がしっかりと付いて日本酒好みにはたまらない。袋吊り搾りの表示がアリ、手の込んだ造りがなされている。
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6.八戸酒造(青森県八戸市) 純米大吟醸 「陸奥八仙」 生原酒
原料米;華想い、 精米歩合;50% 【アルコール分】 16度 1.8L \3,888
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;原料米の青森産の華想いの味わいが上出来。味わい濃厚で、華想いを使った上記豊盃より味、香りとも秀逸で、本日の逸品。
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2016年2月27日(土)例会
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1.大澤酒造(長野県佐久市) 純米吟醸 「明鏡止水」
原料米;−、 精米歩合;麹米50%/掛米55% 【アルコール分】
16〜17度 【日本酒度】+3 【酸度】1.6 1.8L \2,830
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;淡麗、さわやか、まだまだ味にこなれがないが、飲み手を楽しませて人気が高い。
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2.旭酒造(山口県岩国市) 純米吟醸 「獺祭」
原料米;−、 精米歩合;50% 【アルコール分】 14度 1.8L \3,078
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;1年間熟成酒で温め酒(燗酒)。燗をせずにそのまま飲むと、1年物なのに熟成感がなく平坦。渋味が口中に残る。で、ぬる燗で味わうと、ボディーの膨らみが飲み手を包む。渋味も消えず味わいは変わらないが、寒い冬の夜には心のぬくもりを感じる。いつもの獺祭のイメージを期待するとハズレる。
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3.天寶一(広島県福山市) 純米吟醸 「天寶一」 無濾過本生酒
原料米;山田錦、 精米歩合;55% 【アルコール分】 16度 1.8L \3,132
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;中汲み。旨い。新酒なので酸味がキツイが、その酸味の奥にはバランスした味わいを覗かせる。
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4.八百新酒造(山口県岩国市) 純米吟醸 「雁木」 無濾過生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;50% 【アルコール分】 17度 1.8L \3,456
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;旨さの中に、新酒の渋味が口中を差す。
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5.青木酒造(新潟県南魚沼市) 特別純米 「鶴齢」 生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;55% 【アルコール分】 17度 1.8L \3,456
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;渋味ががきつくて舌を刺す。新酒の渋味を除けば、明るいやんちゃ娘の顔をのぞかせる。
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6.せんきん酒造(栃木県さくら市) 純米吟醸 「モダン仙禽」 無濾過生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;麹米35%/掛米50% 【アルコール分】
15度 1.8L \3,456
A;味4、B;香り3、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;香りに掃除が行き届かない冷蔵庫のような”すえた”悪臭が立ち上る。新酒の渋味はなく、味わいバランスしている。 |
2016年1月30日(土)例会
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1.木村酒造(秋田県湯沢市) 純米吟醸 「角右衛門」 生酒
原料米;美山錦、 精米歩合;55% 【アルコール分】 17.5度 【日本酒度】+1.5 【酸度】1.4 【酵母】協会1801号 1.8L \3,024
A;味4+、B;香り4、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4
E寸評;味わいバランスして、味が上がってくるが平板で淡泊。
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2.福田酒造(長崎県平戸市) 純米吟醸 「福田」 無濾過生原酒
原料米;−、 精米歩合;55% 【アルコール分】 16度 1.8L \3,024
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4
E寸評;新酒の炭酸味が口中を刺すが、それが取れると、米の甘味と旨味が広がってくる。
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3.富士酒造(島根県出雲市) 純米吟醸 「出雲富士」 生酒
原料米;山田錦、 精米歩合;50% 【アルコール分】 16度 1.8L \3,218
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;辛口で味わい平坦、ザラツキがあって、旨味が飲み手に伝わってこない。
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4.富久千代酒造(佐賀県鹿島市) 純米吟醸 「鍋島」 生酒
原料米;山田錦、 精米歩合;50% 【アルコール分】 16度 1.8L \3,553
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;炭酸味と雑味と辛味が表に出て、味わいを楽しむまでに飲み手を満足させない。鍋島と言えば入手しずらい酒の一つですが、どうしたことでしょう。
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5.小林酒造(栃木県小山市) 純米吟醸 「鳳凰美田」 無濾過生酒
原料米;ひとごこち、 精米歩合;55% 【アルコール分】 16〜17度 1.8L \3,612
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;雑味なく旨味あり、さわやかでバランスして、既に新酒の域を通過している。
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6.中野酒造(大分県杵築市) 純米大吟醸 「ちえびじん」 おりがらみ生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;48% 【アルコール分】 16度 1.8L \4,320
A;味4、B;香り5、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+
E寸評;瓶の底に沈んでいるオリが、瓶の中で雲のように舞っている。渋味が口中に広がり落ち着かないが、旨い。 |
*今回は、全ての酒が新酒です。新酒独特の炭酸味、渋味、バランスの悪さが見られます。若さの味わいを楽しむには今しか有りませんが、人と同じで突っ張った、この若さを良しとすれば、それはそれで楽しいものです。しかし、もう1〜2ヶ月寝かせれば、角が取れて旨さが立ち上がり、大人の味わいに変化するでしょう。生まれ出たばかりの新酒に過大な期待を掛けてはいけませんが、もう少し成長を待ちましょう。早熟な子もいますし、奥手な子もいます。
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