2016年4−6月分
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これからの話は消費者(飲み手)という立場で書いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。と言う事は、売りたいための宣伝はしませんし、太鼓持ちのような感想も書きません。また、音楽とか味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思います。
よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。
◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か、皆様への判断基準を書きます。 A;味、B;香り、C;コストパフォーマンス、D;総合評価を、各5点評価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表します。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてしまうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。
私の独断と偏見なしで評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間違ってはいないと思います。
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◇イイお酒を、イイ友と、イイ肴と、イイ会話で月1回楽しむ会です。◇
2016年次回例会は 7月30(土)です。
2016年6月25日(土)例会
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1.花の香酒造(熊本県和水町) 純米吟醸 「花の香」
原料米;麹米・山田錦/掛米・レイホウ、 精米歩合;麹米50%/掛米60% 【アルコール分】 15度 【酵母】熊本酵母 1.8L \2,775
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;熊本の地震もまだ落ち着かず被害も出ています。この蔵も大変なのでしょうから、少しでも買うことで援助が出来ればと、思います。
ところで酒ですが、まとまりよく、雑味なく、旨さが表現されている。飲み飽きないベストな味わいで飲み手を引きつける。
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2.佐久の花酒造(長野県佐久市) 純米吟醸 「佐久の花」
原料米;ひとごこち、 精米歩合;59% 【アルコール分】 16度 【酵母】長野酵母P43-14 1.8L \2,808
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;佐久の花は香りが強くて、酒のバランスを崩し、熟女の匂いだけが歩いてくるような所が有ったが、この酒は違う。味わい香り強くも弱くもなく、丁度良いのがこの酒の特徴。安心して呑める。
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3.中野酒造(大分県杵築市) 特別純米 「ちえびじん」 生酒
原料米;赤磐雄町、 精米歩合;60% 【アルコール分】 15度 【日本酒度】−5 【酸度】1.8 1.8L \3,240
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;味わい、まだ若くて酸味がキツイが、雑味なく旨さにふくらみがあり、濃厚な肴に負けない。
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4.米鶴酒造(山形県高畠町) 純米大吟醸 「米鶴」 山廃生酒
原料米;−、 精米歩合;50% 【アルコール分】 16度 1.8L \3,240
A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;山廃独特の香りと味わいがあるが、山廃の肩書きが無いと気づかずに吞んでしまう。品性良く独特のいやらしさが無く濃厚な旨さが吞みやすい。
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5.小林酒造(栃木県小山市) 純米吟醸 「鳳凰美田」
原料米;山田錦、 精米歩合;55% 【アルコール分】 16度 【酵母】ワイン酵母 1.8L \3,672
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;美味い、旨い、五味バランスして味わいよく、深みと厚味があって、吟醸酒の旨味が全部詰まっている。
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6.宮泉銘醸(福島県会津若松市) 純米吟醸 「写楽」
原料米;播州愛山、 精米歩合;50% 【アルコール分】 16度 1.8L \3,996
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;米の旨さが酒の中にイッパイ溢れ、値段の事を忘れ、その旨さの中に遊ぶ。今までは最高酒に価するのは山田錦以外無かったが、最近はそれ以外の酒造好適米でかもされた酒の旨さが飛び抜けてきた。
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2016年5月28日(土)例会
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1.九重雑賀(和歌山県紀の川市) 純米吟醸 「雑賀・クールダウン」 原酒
原料米;−、 精米歩合;60% 【アルコール分】 12度 1.8L \2,646
A;味3+、B;香り3+、C;コストパフォーマンス3+、D;総合評価3+
E寸評;吟醸酒には届かない品質で、若者特に女性向けに造られた酒と思われる。雑賀の蔵なら、やはり本筋の美酒でチャレンジして欲しい。
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2.八戸酒造(青森県八戸市) 純米 「陸奥八仙」 芳醇超辛・火入れ
原料米;レイメイ、 精米歩合;65% 【アルコール分】 16度 1.8L \3,024
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;旨味は充分にあるが、”超辛”と肩のラベルにあるように辛口酒。口中で違和感があり盃が進まない。
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3.天寶一(広島県福山市) 純米吟醸 「天寶一」
原料米;赤磐雄町、 精米歩合;55% 【アルコール分】 16度 1.8L \3,240
A;味、B;香り、C;コストパフォーマンス、D;総合評価
E寸評;渋みがきつく、新酒のピリピリ感があり、燗をする。渋味が消えて甘味が顔を出して心豊かに呑める。燗ざめしても旨さは変わらない。
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4.墨廼江酒造(宮城県石巻市) 純米吟醸 「墨廼江」
原料米;雄町、 精米歩合;55% 【アルコール分】 16〜17度 1.8L \3,240
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+
E寸評;芳醇で旨さがあるが、酸味がきつくバランスがくずれ、旨さが半減。今回は雄町が3本有り、それぞれの味わいを示しているが、元来、雄町は秋上がりする酒米なので、5月に呑むのは早すぎるのかも知れない。
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5.楯の川酒造(山形県酒田市) 純米大吟醸 「楯野川」
原料米;出羽燦々、 精米歩合;50% 【アルコール分】 15〜16度 1.8L \3,348
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;味わいバランスしているが、味わい硬い。これも酸味がきつく、まだ旨味が熟されていない。また、透明瓶はコストの関係かも知れないが、紫外線対策からすれば頂けない。
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6.出羽鶴酒造(秋田県大仙市) 純米吟醸 「晴田(せいでん)」
原料米;雄町、 精米歩合;50% 【アルコール分】 16度 1.8L \3,456
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;初めて飲む酒だが、香り、旨味抜群。雑味なく濃厚でありながら、サラリと口中を抜ける。吟醸酒の旨味を堪能させてくれる。
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2016年4月30日(土)例会
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1.墨廼江酒造(宮城県石巻市) 特別純米 「墨廼江」 中汲み火入れ
原料米;−、 精米歩合;60% 【アルコール分】 16度 1.8L \2,700
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;味わい香り五味バランスしている。味わい深く雑味なく、中庸で飲みやすい。
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2.瑞鷹酒造(熊本市南区) 純米吟醸 「崇薫(すうくん)」
原料米;吟のさと、 精米歩合;58% 【アルコール分】 16度 1.8L \3,240
A;味4、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;熊本県八代市産自然栽培米使用。今回の地震では被害が出て、瓶詰めが出来なかったり、損傷の把握に努めていますが、事務所も潰れて他に借りている状態です。これからも頑張って下さい。
香り高すぎて部屋中に吟醸香が立ち上がる。味わい平坦で薄っぺらい。食中酒にもならないでしょうから、造りのコンセプトを何処の置くかが決まって無いのであろう。
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3.富士高砂酒造(静岡県富士宮市) 純米吟醸 「高砂」 無濾過中取り
原料米;−、 精米歩合;50% 【アルコール分】 17度 1.8L \3,509
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;米の甘味、旨味が酒の中に入って、旨味が醸成されて安心して飲める。味わいバランスして奥行き深く厚味がある。今回のベスト。
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4.國香酒造(静岡県袋井市) 純米吟醸 「傳一郎」 生酒
原料米;雅の粋、 精米歩合;60% 【アルコール分】 15〜16度 1.8L \3,564
A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;味わい深く、旨さが口中で弾ける。しかし、渋味が口中に残る。この欠点が除かれたらパーフェクトなのだが残念。
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5.神沢川酒造場(静岡市清水区) 純米吟醸 「正雪・山影純悦」
原料米;山田錦、 精米歩合;50% 【アルコール分】 16〜17度 【日本酒度】+2〜4 【酸度】1.2〜1.4 1.8L \3,600
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;バランスして旨味充分。毎回(毎年)同じ味で付き合えるのは凄い。
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6.旭酒造(山口県岩国市) 純米大吟醸 「獺祭・磨き三割九分」
原料米;山田錦、 精米歩合;39% 【アルコール分】 16度 【日本酒度】+6 【酸度】1.1 1.8L \4,835
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価5
E寸評;美味いのだけれど味わい平坦で、酒に厚味も奥行きも感じられない。人気ほどの個性が乏しく魅力が半減。この獺祭だけを飲んでいれば不満は無いのであろうが、他の酒たちに追いつけない。
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